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むらさの舟歌 32KB 観察 希少種 自然界 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ むらさのための一話です。 作:神奈子さまの一信徒 淡々とした観察系小ネタです。 南の島シリーズでちょっと出したむらさの生活史について考えてみました。 ほとんど独自設定、ちょっとだけ南の島後半の外伝要素あり、ご注意ください。 『むらさの舟歌』 地球の表面積の七割を占める、海。 母なる海と賛美されるその場所は、太古の昔から、生命のゆりかごであり、 同時に、大空や地上よりも古くから激闘が繰り広げられてきた戦場でもある。 水中の覇権を争うもの、海底の覇権を争うもの、 海藻の上、砂の隙間、わずかなニッチを争い、共有し、 命の欠片は今日も桜吹雪のように海中に狂い咲き、舞い散っていった。 「よーそろー!!!」 そのような環境に進出したゆっくりがいた。 むらさである。 むらさは、ゆっくりの中でも珍しい海棲種であり、主に浅海域に棲息してい る。にとり同様、表面に特殊な皮があるため、水に溶けないとされているが 詳細はまだ分かってない。 大きさは成体でサッカーボール程度、サイズ自体は標準的なゆっくりで ある。外見的特長は黒い髪、真っ白な水兵帽と、その中にしまい込んである 石灰質のあんかーである。中には柄杓を持っている個体も観察されているが、 すべての個体が持っているわけではないらしい。 むらさは希少種として知られ、大枚をはたくことをいとわなければ、ペット ショップでも手に入ることがある。水上まりさよりも飼育は困難であり、繁 殖に成功したという例は正式な報告としては確認されていない。 しかしながら、天然の浅海域においては、むらさ種は決して珍しい種ではな く、海域によっては食物連鎖の重要な地位を占めていることもある。 近年は飼育技術・分子生物学の発達によって、品種改良を受けた、純淡水産 むらさ種、陸上飼育用むらさ種などが試験的に生産され、ダム湖やビオトー プへの放流、愛玩用として少数ながら出回っている。これらについては本報 告では触れない。 ここに、近年の研究によって明らかになったむらさ種の天然環境下での生態 について記す。 春はむらさ種の繁殖期にあたる。冬の間、浅海域に生育する海藻類をたっぷ りと食べた成体むらさは、春になって南からの暖かい海流が勢力を増すと、 発情し、すっきり、産卵を行う。 「むらむらするよ~!!!とってもむらむらするよ~!!!」 「「すっきりー!!!」」 「あ゛~、もうがまんできない!!まだむらむらしちゃう~!!!」 頬を赤らめ、全身からぬめぬめした粘液を放出してすっきりするむらさ、し ばらくするとその頭から茎が伸び、先端に半透明のカプセルに包まれた赤む らさが生じる。 「むらむらするあかちゃん!ゆっくりしていってね!!!」 どこか間違っているが、とりあえず赤ちゃんが生まれたことを喜ぶ親むらさ。 植物性出産の場合、すっきり後2−5日で、赤むらさが自分でカプセルを食 べて孵化する。 「ゆっくちちていってね!!」 「ゆっくちむらむらちゅるよ!!!」 「よーしょろー!!!」 生まれた赤むらさは合計13匹。彼らは親の保護を受けず、そのまま海へと 散っていく。植物型出産の場合、生まれる赤むらさは小さく、その代わりに 水兵帽が体に対して大きい。この水兵帽の中にガスを分泌し、それによって 海面近くに浮き、海流に乗って分散するのである。 「うみさんにぷーかぷーかしゅるよ!!」 「ぷーかぷーかはゆっくりできりゅね!!!」 この時期を赤むらさの「浮遊期」と呼ぶ。 浮遊期のむらさには、遊泳能力はほとんどなく、その移動は海流任せとなる。 そのため、生きていくのに不都合な環境にたどり着いてしまうケースも多い。 「ゆゆ!?なんだかおみじゅさんのあじがかわっちゃよ!!」 この赤むらさは河口に近づいているようだ。満潮時の海から川への逆流に乗 って、川の中に侵入する。 「ゆゆ!?きょきょはごはんしゃんがいっぱいだよ!!!」 河口付近の海水と淡水が交じり合う汽水域は、河川が上流域から運んできた 栄養塩が流れ込むため、プランクトンなどの餌が豊富なエリアである。 そのため、汽水域に集まり、餌が豊富なこの環境で幼い時期を乗り切る魚種 は少なくない。 「むらむらしゅる!!むらむらしゅるよ~!!!」 先程の赤むらさは全身を紅潮させ、粘液を放出している。 「ねばねばさんにごはんさんついちゃよ~!!むーしゃむーしゃ…ちあわし ぇ~!!!」 浮遊期のむらさはこの粘液を網のように海中を振り回し、そこに付着したプ ランクトンや水中懸濁物を粘液ごと食べるのである。 「ゆゆ~!!!ぽんぽいっぱいだよ…ちょっちょくるちいよ…」 だが、それは食べすぎのせいだけではなかった。この赤むらさは川に深く入 り込みすぎていた。 「ゆぴぴぴぴ…くるちいよ…ゆっくり…できにゃい…」 淡水の影響が強い水域に入り込むことで、むらさの浸透圧調整能力の限界を 越えてしまったのだ。淡水が全身からむらさの体内に入り込んでくる。 ビー玉ぐらいの大きさだった赤むらさは、今や、テニスボール大にまで膨れ 上がっていた。だが、その体は薄く風船のようであり、今にも破裂しそうだ った。 そして、限界が訪れる。 「もっちょ…むらむら…しちゃ…ゆびびっ!!!」 ポンッという音が聞こうてきそうな勢いで赤むらさは破裂した。目と皮は四 散し、中身の黒蜜だけが少しずつ海水に混ざり、分散していった。 成長すると、塩分変化への耐性も備えるようになるが、浮遊期の赤むらさは まだまだ脆弱である。 また、この時期は外敵に対して無防備であり、浅海域の表層付近を遊泳する ボラやイワシ、アジなどに捕食される。また、ミズクラゲも運動能力の乏し い浮遊期のむらさには脅威である。 「ゆゆ~!?なんじゃかゆっきゅりちたものがぷーかぷーかちてるよ!!」 ミズクラゲがその傘の部分で作り出す水流、またはその触手に触れれば最期 である。 「いじゃい!!!いじゃいいい!!!ぴりぴりはゆっぐりできにゃ!?きもぢ わぶっ!!!ゆげえええ゛!!!」 先程の赤むらさはミズクラゲの触手に絡め捕られ、無数の刺胞を打ち込まれ ていた。人間ならピリッと一瞬痛みが走る程度だが、赤むらさには致命傷で ある。体は麻痺し、もう逃げることは出来ない。 「ゆげっ!!ゆ゛!ゆ゛!ゆ゛!!」 そのままクラゲの口に取り込まれ、胃に収められてしまった。こうなっては 消化されるだけである。クラゲは体が半透明な種類が多いため、赤むらさが クラゲの体内で溶けていく様子はじっくり観察できる。 一時間もすれば、赤むらさの皮はぐちょぐちょになり、体のどこがどこなの か見分けがつかなくなるだろう。 ミズクラゲには効果がないものの、これらの捕食を避けるために、浮遊期の 赤むらさは流れ藻に集まり、隠れ潜むように生活するものも多い。 ただし、流れ藻にたどり着けるかは、完全に運次第である。 この脆弱な浮遊期も後半になると、赤むらさはスーパーボールぐらいの大き さに成長し、この頃から海水中の炭酸カルシウムを取り込んで、石灰質のあ んかーを作り出す。また、水兵帽の体に占める割合が小さくなり、徐々に浮 力を失って、生活圏を海の表層から、次第に底層へと移していく。 餌は相変わらず、粘液によるプランクトン捕食が中心だが、浮遊期後半には ある程度の遊泳力も発揮できるようになり、海藻などにしがみつき、その表 面に付着している微小甲殻類なども捕食するようになる。 だが、まだまだ捕食者に対しては脆弱である。 「ゆあああああ゛!!!だじゅげで!!!おざがなざんはゆっぐりでぎないい いいいい゛!!!」 このむらさはメバルに追われていた。生活圏が底層に移行することで、主な外 敵はメバルや、マダイ、クロダイ、アイナメなどに変わってくる。鋭い歯で何 度も齧りついてくるフグ類も恐ろしい捕食者である。 「ゆびいいいい゛!!!いやああああ゛!!!ごれじゃあむらむらできなああい いいい!!!ゆぎっ!?」 アイナメがむらさを一飲みにしようとする。しかし、むらさが動いたため、背 中の皮が少し千切れただけだった。 「ゆぎゃああああああ゛!!!いじゃい!!!いじゃいよおおおお゛!!!」 アイナメの追撃により今度は水兵帽を食べられてしまう。 「ゆあああああ゛!!!ぶらざのほごりだがいおぼうじがああああ゛!!!」 ガスを貯める水兵帽を失うと、むらさは浮力の調節ができなくなるため、もう 逃げることはできない。例え、逃げ切ったとして、海底で這い回ることしかで きなくなり、生存確率は激減する。 「おぼうじいいいいい゛!!!ぶらざのぼうぶぶっぺっ!?」 浮力を失い、ゆっくりと沈んでいくむらさはアイナメにパクリと食われ、咀嚼 されて死んだ。アイナメはあんかーをぺっと口から吐き出すと、次の餌を求め て泳ぎ去っていった。 あんかーが一定の大きさになるまで生き延びることが出来ると、むらさは海底 に着底し、海底付近に生活圏を移す。この頃には子むらさと呼べる大きさに成 長し、遊泳力も成体に比べて遜色のないものとなる。この時期を「着底期」と呼 ぶ。 また、あんかーによって砂の中に潜ることが可能となる。 「ゆゆ!!ここならすなさんにもぐれそうだよ!きゅーそくせんこー!よーそ ろー!!」 子むらさはまず、表面の砂を口からの水流で吹き飛ばし、そこにあんかーを差 し込む。潜砂性の底棲生物としてはゴカイや二枚貝が知られているが、ゴカイ では体液の充填により膨張させた頭部を、二枚貝では砂の中に滑り込ませた足 を膨張させ、アンカーとすることが知られている。そして、それを足がかりに 体を砂中に潜り込ませていくのである。 「すなさんをぷーぷーするよ!!からだをもじもじさせるよ!!またぷーぷー するよ!!」 基本的な潜砂行動は、ゴカイ、二枚貝、そしてむらさも同様である。 水を吹き付けることで、砂の間隙を作り、掘りやすくする。そこへ、あんかー へ体を引き寄せるようにして、砂の中に体を潜り込ませていくのである。 このとき、むらさは体を小刻みに震わせることで、砂の中への侵入を容易にし ている。この行動を「もじもじさせる」とむらさは呼んでいるようだ。 「すなのなかでおもうぞんぶんむらむらするよ……うひょおおおお゛!!」 こうして砂の中に潜り込んだむらさは、水兵帽の先端と目だけが砂から出るよ うに位置を調整し、その姿勢で外敵の通過や、餌生物の接近を待つ。 「…ふぅ…」 ちょうど、むらさが潜った辺りに小さなエビがやってきた。砂の中を探るよう にハサミ脚を突っ込み、有機物の破片などを次々と口に運んでいる。 むらさは体の上に乗っている砂が落ちないように、姿勢をやや高めにとる。 餌がよく見えるようにである。 「そろーり…そろーり…」 そして砂に隠れたまま、少しずつ、エビに接近する。不意にエビがむらさの 方に接近したその瞬間、 ぱくっ! むらさは砂の中から飛び出し、周囲の水ごと飲み込むようにして、エビを口 内に納めてしまった。エビがびくびくと動いて抵抗するが、後はもう咀嚼す るだけである。 「むーしゃむーしゃ…すぃあわすぇ~!!!」 そして、しあわせ宣言を済ませると、再び砂に身を隠す。慣れた個体だと、 一連の行動に一分費やさないという。 「…むらさはここにはいないよ~…」 この他、むらさはバカガイや小さなアサリなど、貝殻の薄い二枚貝をあんかー で割って捕食する。巻貝は割りにくいのか、捕食した事例は観察されているも ののあまり好まないようだ。 「着底期」からは、このような潜砂行動と、遊泳力の向上によって、むらさの生 存確率は一気に高まる。ここまでくれば成体はあと一歩であるが、やはり外敵 に襲われ命を落とす個体もいる。 先程のむらさに何やら魚影がせまる。 ナルトビエイである。 エイは頭を砂の中に突っ込み、二枚貝や甲殻類を探して捕食する。むらさに対 しては特に好んで攻撃しているわけではないが、うまく逃げなければ捕食され てしまう。 ナルトビエイが砂の中を頭部で探り、砂の中に隠れていたむらさをツンツンと つつく。 「…む、むらさはここにいないよ~…つつかないでね!…そんなにつつかれたら むらむら…ぎょわあああああ゛!!!」 むらさはナルトビエイに吸い込まれるようにくわえられた。 「はなじでね!!むらさはおいじぐないよ!!はなじでね!!むらさはゆぎゅう うう!?」 むらさはナルトビエイにゴリゴリと咀嚼され、体がぐちょぐちょにされてしま った。 「ゆぎゃあああああああああ゛!!!ぶらざのがらだがあああああああ!!!ぶ ぎゅう!?」 そして、飲み込まれ、あんかーだけが吐き出された。 ナルトビエイが接近してきた時点で、タイミングよく全力で泳ぎ去れば、まだ逃 げられたかもしれない。 こちらでは、むらさマダコに捕まっていた。 触覚で砂の中にいる貝類を探るタコにとって、むらさのように表面近くに潜砂 する小動物は決して捕獲するのは難しい餌ではない。 「やべでね!!!タコさんやべでね!!!ぞんなにざれだら、むらさごわれぢゃ うううううううっ゛!!!」 いろいろと勘違いしているようである。 マダコは食べられるのか確かめるように、むらさを腕でいじくりまわす。 「ゆひいいいいいっ!!!きゅうばんさんですりすりされるとっ!!!んほおお おおおおおおんほおおおっ!!!」 だが、タンパク質代謝で生きるタコにとって、炭水化物が多いゆっくりは魅力の ある餌ではなかったらしい。マダコはむらさを放り出すと、さっさと次の餌を求 めて行ってしまった。 「どぼじでええええええっ!?どぼじでずっぎりざぜずにいっじゃうのおおおお おお゛!!?」 中途半端にむらむらさせられたむらさは、その後しばらく、海中で吼え続けた。 このような砂で底質が構成された浅海域で子むらさは成長する。そして、夏にた くさんの餌を食べ、急速に成長したむらさは、晩夏には成体サイズになり、言葉 も巧みに話せるようになる。 この頃になると、体が大きくなったことで、むらさを積極的に襲う捕食者は浅海 域にはほとんどいなくなる。また、あんかーで潜砂することはあまりなくなり、 あんかーは純粋に捕食のための道具として、堅い貝類やウニを割るのに使われる ようになる。 成体になると、皮が丈夫になり、度々海岸に上陸して餌を探したり、干潮時の干 潟で跳ねている姿が目撃されている。呼吸はそもそも皮膚呼吸であるため、水中 でも陸上でも呼吸は可能である。 ここまで来ると、適時水分を補給しさえすれば、一般家庭でも水槽を用意しなく ても飼育も可能であるため、成体はペットショップに出回ることがある。 よく、いたずらで、水上を帽子で移動するまりさを攻撃するところが目撃されて いるが、それは成体のむらさによるものである。 「まりさはこの川を渡ったら、れいむに告白して、ふぁーすとでぃーぷちゅっ ちゅをするんだ!」 とある河川の河口近く、まりさは水路を対岸に向けて渡っていた。まりさは滅多に 行かない浜辺に行き、きれいなピンク色のサクラガイを拾ってきた。 これをプレゼントとして、今日こそれいむに告白するつもりなのだ。ずっといっし ょにゆっくりしようと。 「れいむ、ゆっくりまっててね!まりさはいまいくよ!!」 自然と櫂を漕ぐ動作も軽快になる。 まりさは告白することに何の心配もしていなかった。れいむの態度から、れいむも きっと自分のことが好きなんじゃないかと、感じられる節があった。 「ゆ?」 異変に気がついたのは、水路の中ほどまで来たときだった。帽子が浸水しているの である。 「どぼじでおぼうじざんにぉみずざんはいっでぎでるのおおおおおお゛!?」 よく見ると、帽子の先端がちぎられたようになくなっていた。 「おみずさんこないでね!!まりさのおぼうしからでていってね!!」 だが、水はどんどん入ってくる。 「どぼじでおみずざんどまらないのおおおおおおおっ!!!」 まりさは慌てて櫂を漕いだが、もう帽子の半分まで水が来ている。 「てきかんげきちん!!よーそろーっ!!!」 まりさの後方でむらさが声をあげる。このむらさがこっそりまりさの帽子の先端を齧 り取ったのだ。 「そんなごどよりだじゅげで!!!ばでぃざじんじゃう!!!たじゅげでええ゛!!」 泣きながら助けを求めるまりさに対して、むらさは答える。 「あ~あ、早く行かないと愛しのれいむちゃんがとられちゃうよ!!」 「いいからだじゅげでえええええええ゛!!!」 「きっと今頃、ほかのゆっくりとすっきりしてるんじゃないかなぁ?」 「ぞんなごどないいいいいいっ!!!」 まりさは顔を真っ赤にして反論する。 それに対して、むらさはからかうような声で答えた。 「すごい~!すごいよ~!れいむむらむらしちゃう~!!!まりさなんかとは比べ物 にならない~っ!!すっきり~っ!!!」 「やめろおおおおお゛っ!!!ぞんなわげあるがああああっ!!!」 まりさはかんかんに怒り、帽子が沈みつつあることも忘れていた。既にあんよの皮が ふやけ、少しずつ餡子が水に溶け出している。 「まりさってだれ!?そんな変なお帽子野郎のことなんか忘れてもっとすっきりして ええええっ!!!」 「ふんぎいいいいいいっ!!!でいぶはばでぃざがずぎなのおおおおっ!!!」 「きっと今頃まりさよりも汚くてかっこ悪いゆっくりにだまされてたくさんすっきり してあかちゃん産んじゃってるじゃない?全弾命中!よーそろーっ!!!」 「ゆがががあああああああっ!!!ゆ゛ゆ゛!?おみじゅざんがっ!!!ぶぶぶ…」 まりさがむらさの戯言に付き合っている間に、帽子は浸水し、まりさはもうあんよが 溶け出して動けなくなっていた。 「せめて…すっきりしてから……」 結局、ばら色の新婚生活を夢見たまりさは溶けてしまった。 「りあ充しね!」 むらさはそういい残すと、満足そうに海へと帰って行った。 このような行動から、むらさの棲息する水域は水難事故が多い難所として、まりさたち に恐れられているという。 秋になると、むらさは繁殖シーズンを迎える。むらさの繁殖シーズンは春と秋の年二 回であり、春に生まれた個体が秋に成熟し、にんっしんっ可能となるのだ。 この時期の海中では、発情したむらさが番をつくり、あちこちですっきりをしている。 「むぅらぁむぅらぁするよほほほほほほほほほほほひひひっ!!!」 「ふう…すっきり…♪…」 飼われているむらさはともかく、天然の環境下ではいつでも繁殖できるわけではない。 生まれた赤ゆたちがゆっくり育つことが出来る季節、それを狙って、繁殖期を合わせて いるのだ。このような一斉すっきり時のむらさは「むらさむらむら」と呼ばれることもあ る。一斉すっきりをしなくても生きていける飼育環境下では見られない行動だが、むら さのシンボルとも言える繁殖様式である。 「むらさのぺにぺには世界一ィィィッ!」 「よぉぉぉおそろぉぉぉぉぉお゛っ!!!」 「仰角15度!!!んほおおおおおおっ!!!初弾!!命中!!!」 むらさの下腹部にそびえ立つは劣情の摩天楼。 全身から大量の粘液を放出しながら、すっきりが行われる。むらさの飼育が難しいと されるのは、この大量の粘液によって、一般的な水槽の水量では急激に水質が悪化し てしまうためである。そのため、通常はむらさが陸上生活に適応するのを待って、繁 殖を行おうとするブリーダーが多いようだ。 この時期は夏の豊富な餌によって、春の繁殖よりも肥えた個体が多く、そのため、すっ きりも、動物型が中心となる。 動物型すっきりの場合、生まれてくるのは、既にスーパーボールほどのサイズにまで成 長した赤ゆであり、植物型の赤ゆとは違い、生まれてすぐに海底に着底、砂に潜って生 活する。直達発生と呼ばれるタイプの、浮遊期を経ない、赤ゆである。 「ゆっくり!!ゆっくりあかちゃん産んでね!!!」 ここでも一組のむらさのカップルに新しい命が生まれようとしていた。 「みゃみゃからしゅっこうちゅるよ!よーしょろー!!!」 「よーちょろー!!!ゆっくちしていってね!!」 「おちびちゃああああん!!!ゆっくりしていってね!!!」 「ぱぱににて、すごいゆっくりしたおちびちゃんだよ!!」 父むらさも母むらさも元気そうな赤ゆの誕生に心から喜んでいた。 動物型にんっしんっのため、一度に生まれる数は少ない。その代わり、春産卵群とは異 なり、親とともに生きていくことが出来る。そのため、秋産卵群は生存確率は高く、生 息域の拡大ではなく、安定した環境で個体数を維持するための産卵群であると言えた。 「さあ、おちびちゃんたち、ごはんさんにするよ!!」 父むらさが捕まえておいた、ハゼや二枚貝を持ってきた。ハゼは予め、頭部を噛み砕い てある。また、二枚貝はバカガイ(アオヤギ)や小さめのアサリのような殻の薄いものを、 石灰質のあんかーで割ってから捕食する。 「むーしゃむーしゃ!!しあわせ~!!!」 「ぐぅ~れいとぉっ!!!」 直達発生によって生まれた赤ゆたちは、この後、両親と共に漁の練習をする。 「きょうはぱぱがごはんさんの捕り方を教えるよ!!」 「「ゆっくりりかいしたよ!!よ−そろー!!」」 父むらさは二匹の赤むらさを藻場に連れてきた。砂地にアマモが繁茂しているが、夏は 強い紫外線によって、多くの海藻・海草類が減少する季節であり、この時期に見られる のはまだ幼草体を中心とした小さな藻場である。 しかし、既にアマモの根本に付着したイガイ類、その表面や間隙に棲息する微小甲殻類、 その周辺には雑多な稚魚が集まっており、漁の練習台としては申し分なかった。 「くささんには、いろんなごはんさんが隠れてるんだよ!ゆっくり捕まえてね!!」 「おしゃかなさんうごかにゃいでね!!!」 「ゆええええ!!なんじぇにげりゅのおおおおおっ!!!」 赤ゆたちは無駄な動きが多く、稚魚を捕まえることが出来ない。何度か、父むらさが見 本を見せたが、一向にダメだった。 「むぅ~…最初はみんなへたくそだよ。むらむら頑張ろうね~!!」 父むらさが赤ゆたちを励まし、海藻表面にくっつく甲殻類や二枚貝の食べ方を教え始め た。 「こういう草さんの周りにはあみさんが群れてるよ。」 父むらさが示したのは、海藻や藻場、海底付近に蚊柱のような群れをつくるアミである。 アミはエビに似た外見を持つ小型甲殻類で、海水魚飼育などの生き餌としてよく利用さ れる。 父むらさはアミの群れの周りをぐるぐるとまわり、少しずつアミの群れを小さく、しか し、密度の濃いものにしていく。 「おちびちゃんたち!!今だよ!!!」 「「よーしょろー!!!」」 二匹の赤むらさは勢い良く、アミの群れに飛び込み、口いっぱいにアミをくわえる。 「むーしゃむーしゃ…しあわしぇ~!!!」 「あみしゃんはむりゃむりゃできるよぉ~!!!」 父むらさからすれば無駄の多い食事であったが、初めての漁に、二匹とも満足してい るようだった。 こうして赤むらさたちは両親の指導を受けてすくすく成長し、一ヶ月もすれば、子む らさと言える大きさにまで成長していた。 晩夏から秋半ばにかけて、この地域は度々台風が襲ってくる。大型の台風はその風雨に よって沿岸域の生態系を一時的に攪拌してしまう。 沖合いの生物が沿岸に持ち込まれ、逆に沿岸の生物が沖合いに運び去られる。 さらに高波によって、砂浜は削られ、海藻はちぎれ飛んでいった。 「まだだよー!!」 「がんばっててーはくしてね!!おちびちゃんたち!!!」 台風などで水中が荒れたとき、通常、むらさ種はあんかーを砂の中に打ち込んで、荒波 や水流に流されないようにする。しかし、今回の台風のように、あまりにも水中の攪乱 が強い場合、丈夫そうな海藻などの茎に齧りついてやり過ごすのである。 むらさたちは、このような行動を「てーはく」と呼んでいた。 「ゆぎいいいひいいひいひいっ!!!もうむりじゃよおおおお゛っ!!!」 「おぎゃああじゃあああんっ!!!おぎゃあさんのおくちさんにいれでえええっ!!!」 直達発生の赤ゆたちは既にそれなりの大きさであるため、親むらさの口の中に隠れられ るのは生まれて最初のうちだけである。 赤むらさたちは自力で歯を食いしばり、荒れ狂う水界に立ち向かわなければならなかった。 「ゆぎいいいいいっ!!!ひゃあっ!!!」 姉むらさが遂に力尽き、食らいついていた茎を離してしまう。 「おねえちゃあああんっ!!!」 妹むらさは必死にあんよを伸ばした。しかし、姉むらさが噛み付いたのは、妹むらさが必 死に差し出したあんよではなく、お尻だった。 「お゛ね゛え゛ぢゃあああああああああああああああんっ!!?」 姉むらさは流されまいとして、必死に妹むらさの尻に食らいつく。生まれてからとりあえ ずひどい目にあっていないはずの妹むらさのぷりぷりした尻に、ぐいぐいと姉むらさの歯 が食い込んでいく。 「ふごごごっ!!!ほへんへええええええっ!!!」 「いじゃあああいいいいっ!!!むらじゃのぷりちーなももじりがあああああっ!!!」 姉むらさの顎が耐えられなくなるのが先か、それとも妹むらさの尻が耐えられなくなるの が先か… ぶちっ! 「「!!?」」 一番最初に荒れ狂う海に耐えられなくなったのは、二匹が噛み付いていた海藻だった。 「おぢびぢゃあああああああああっ!!?」 「むらざのびずぼじだだるいいぶずめがああああああっ!!?」 「おぎゃああしゃああああんっ!!!」 「おどうじゃあああああああんんんん!!!」 子むらさの姉妹は荒波にもまれ、海藻もろともどこか遠くの海に流されてしまった。 流されたむらさ姉妹は大きな流れ藻にあんかーをひっかけて海面を漂っていた。周 囲には同じように沿岸域から流されたのであろう、何匹かの稚魚が流れ藻の影を泳 ぎ、流れ藻の上には甲殻類の幼生や小さなタコの子供がしがみついている。 もうどれくらい海を漂っているのか分からない。海は深まり、海底はとっくに見え なくなっていた。眼下には底の見えない海が広がり、太陽光線も届かないその奥底 には、何やら薄暗い空間が広がっている。時折、大きな魚影が真下を通ったり、夜 中に光る何かが周囲を泳ぎ回っては、姉妹は身を寄せ合うように流れ藻にしがみつ き、息を潜めた。 「ねえさん、またおさかなさんいっぴきいなくなってるよ。」 「きっと、ゆっくりできなくなったのよ…」 その日、姉妹はこの流れ藻のマスコット的存在であった、可愛い小さなタコを分け 合って食べた。妹は流されて以来よく遊んでいたこのタコを食べるのを最後まで嫌 がったが、もう簡単に食べられそうな流れ藻の付着生物は食べきってしまっていた のだ。また、稚魚の類はまだ漁の経験が乏しい二匹には捕まえるのが困難であった。 姉むらさは一度稚魚を捕まえようとしたものの、気がついたら流れ藻から遠く離れ た、真っ青な海中に稚魚と二匹で取り残されたことがあった。なんとか懸命に泳い で流れ藻にたどり着き、事なきを得たものの、まだ子供のむらさ姉妹には、この広 い海の真っ只中で、一匹取り残されるという感覚はトラウマとなった。 それ以来、姉妹が流れ藻を離れて行動しようとすることはなかった。 「むーしゃ…むーしゃ……」 「ふう…そこがみえないうみじゃ、ゆっくりもむらむらもできないよ…」 現状では起きていても体力を消耗するだけである。姉妹は食事を終えると、まだ日 も高いうちから交代で眠りについた。日中は、片方が起きて警戒と、周囲の観察を 行う。そして、夜間は二匹とも眠りにつき、命を運に任せてきた。どうせ、夜行性 ではないむらさの目では、夜間はほとんど何も見えなかった。 ふと姉妹が目を覚ましたとき、周囲にはかつてないほど無数の生命がうごめき、何 かが光り、そして泳ぎ回っていた。 「おねえちゃん!!おほしさまがうみのなかにっ!!!」 かつて父むらさが内陸部で見たことがあるという、蛍とはこういうものなのだろう か?それともこれは人の巣の光だろうか? それは日周鉛直移動−昼と夜で深海と表層を往来するアミやハダカイワシの群れだ った。ちょうど、複数の海流がぶつかる栄養塩に満ちた海域まで流されてきたのだ ろうか?そして、それらに導かれるように、真っ暗な深海の奥底から、影しか見え ない魚が、煌びやかな光を身にまとったクラゲが、そして流れ星のような不思議な 動きをする生き物(姉妹は知らなかったが、発光器官を備えた外洋性のイカである) が海中の星空へと加わっていった。 「きれいだねえ…おねえちゃん、おほしさまはうみのなかでもとてもゆっくりして いるよ。」 「でもなんだかむらむらしてて、ゆっくりできないおほしさまもいるよっ!!!」 それは獰猛な捕食者たちによる凄惨な捕食の現場であった。 一つ、また一つと小さな光が消えるたびに、儚い命が海へと還っていく。 それはまるで、宇宙の深遠で誕生と消滅を繰り返す星々の無窮動曲のようであった。 そのとき、いくつかの影が流れ藻に接近してきた。影は流れ藻の周りに集まると、 つつくようにして、流れ藻表面の微小な付着生物を食べていく。 微かな星明りに浮かぶ黒い羽のシルエット、トビウオだった。 その度にむらさ姉妹があんかーでしがみつく流れ藻はぐらぐらと揺れた。 「ゆええええええっ!!!やべでね!!!ゆれるよ!!!ちんぼつしぢゃうよおお おおっ!!!」 「あっぢいっで!!!おざがなざんあっぢいっでね!!!じーじーずるよ!!!」 トビウオの大きさから丸飲みにされることはないだろうが、自分達の唯一の拠り所 が揺れる度に恐怖し、姉妹は泣きじゃくった。姉はお尻を振りながらしーしーをば ら撒いたが、ちゃんと流れを読んでしーしーしなかったため、自分のところに戻っ てきただけだった。 「ゆわあああんっ!!!おねえじゃんのじーじーのにおいがずるっ!!!」 「ゆべべ!!!しーしーのんじゃっだよっ!!!」 あまりに騒ぎすぎたせいか、それともしーしーの臭いに魅かれたのか、トビウオは 姉の体を口でつまむように突いてきた。 「いやあああああああああ゛っ!!!やべでえええっ!!!むらざおいじぐないよ おおおおっ!!!つつかないでえっ!!!」 「やめてね!!おねえちゃんにひどいことしないでね!!!」 ぷくーっをして威嚇する妹むらさ。しかし、この程度の大きさのぷくーっではトビ ウオ相手にお話にならなかった。もっとも、今は夜なので、どのみち外敵を威嚇す る効果など皆無なのだが。 べりりっ! 「ゆんやあああああああああああああああ゛っ!!!」 姉むらさの頬の皮が薄くはがされてしまった。 「ゆぎゃあああっ!!!いじゃいいいっ!!!いじゃいよっ!!!だじゅげでぱぱ ぁっ~!!ままぁ~っ!!」 泣き喚く姉むらさ。幸い、まだ中身の黒蜜は漏れていなかったが、トビウオに取り 囲まれている限り、それは時間の問題のように思えた。 「だじゅげでええええっ!!!いじゃいいっ!!!じにだぐないいいいっ!!!」 流れ藻から離れて泳いで逃げるべきか?それともこのままトビウオがいなくなるの を待つべきか? 姉妹は迷った。 このまま流れ藻に留まれば殺られる。 かといって、逃げたところで、浅海域に棲息するむらさがこの海底の見えない沖合 いの海域で生きていけるとは思えなかった。 第一、食べるものにも困り、疲労しきった自分達が、このトビウオから逃げられる 保証はないのだ。 「おねえじゃんっ!!!」 逃げよう! そう妹むらさが言おうとした瞬間だった。 ぱっと散るようにして、トビウオの影はむらさ姉妹がしがみついている流れ藻から 離れた。姉むらさを突いていたトビウオだけ反応が遅れる。 姉むらさを突いていたトビウオの体が不自然によじれ、何者かに捕らえられた。 アオリイカによる攻撃である。 アオリイカは沿岸性のイカであり、釣りの対象として有名である。 アオリイカはトビウオを触腕で捕らえ、まず、トビウオの頭の後方、人間で言えば 頚椎のあたりを齧り、脊髄を分断してトビウオの動きを封じると、その肉をゆっく りと齧りながらどこかへ行ってしまった。 「た…た…たすかった…?」 むらさ姉妹はそれ以上言葉をつむぐことも出来ず。ただ流れ藻に隠れるようにしが みつき、その夜を過ごした。 翌日、いつの間にか眠ってしまっていたむらさ姉妹が目を覚ますと、中天の太陽光 が燦々と海水に突き刺さっていた。心なしか、水の色が明るく、水そのものも暖か い。 「ねえさん、なんだかうみさんがぽーかぽーかするよ!!!」 「ほんとうだね!!むらむらしてくるよっ!!!」 傷は大したことなかったのか、姉むらさは軽口を叩いた。 「ゆ!?よーそろー!!!ろくじのほうこうになにかいるよっ!!!」 妹の声にふと、姉むらさが後ろを向くと、後方の表層を何か、黒くて大きなものが 泳いでいた。 「なんだろう!?むらむらするよかんが…」 「えいさん!?」 それはマンタ、オニイトマキエイであった。 「よーそろー!とってもおおきなえいさんだよっ!!」 マンタは熱帯、亜熱帯の暖かい海に生息する。プランクトン食の大型エイであり、 その体重は3トンにも達する。我々が夏の海で遭遇するようなエイが、一般的に 砂地の中に隠れている底棲生活者であるのに対して、マンタはその大きな胸鰭で 悠然と泳ぐように表層を遊泳する。 「ゆっくりしていってね!!」 「あんなおっきなおさかなさんはむらむらするよぉっ!!!」 マンタはぐんぐんと水中を飛ぶように前進し、勢いをつけて水の外へと飛び出し た。 「「おおおおおおおおっ!!!」」 マンタのジャンプが一体何のために行われるのかは、今も結論が出ていない。一 説には寄生虫を払うためとも言われている。 「「よーそろおおおおおおおっ!!!」」 むらさ姉妹は感嘆の声を上げ、マンタのジャンプを注視した。 何トンという体が空中を飛ぶのだ。圧巻である。 そして、マンタは倒れこむように、空中から海中へ、ちょうどむらさ姉妹の真上 へと着水する …真上? 「ぼんばぁぃえ゛っ!!!」 「ねえざあああああああああああああああああああんっ!!!」 マンタの巨体はむらさ姉妹がしがみついていた流れ藻を直撃した。 濛々と白い気泡が辺りを乱舞し、流れ藻はマンタの体に割られるように四散した。 姉むらさには最期のセリフを言う時間すら与えられなかった。 そして、姉むらさの体も、流れ藻に混じって、ちぎれ、水中をぼろぼろと落下して いった。 「ねええざあああああああああああああんっ!!!」 妹むらさはマンタの着水の衝撃で流れ藻から放り出され、水中をくるくると回転し ていた。その間、妹むらさが最後に見た姉むらさの姿は、ぼんやりと水中を分散して いく黒蜜の姿だった。 その日の夜も前日と同じ光景、深海からやってくる血生臭いプラネタリウムがむらさ の下方で展開された。しかし、前回のように、それを美しいと思うことも楽しむこと もできなかった。 ただ一匹、水面近くから眺める真っ黒な深淵は、舞い踊る光の乱舞は、ただひたすら 不気味だった。 妹むらさは流れ藻の破片にしがみつき、夜明けが来るのを待った。しかし、もう限界 が近かった。流れ藻はちぎれ、餌らしい餌は何も残っていなかった。おまけに、流れ 藻に集まっていた稚魚もどこかへ行ってしまった。 そして何より、これ以上、ただ浮かんでいるだけの長旅を一人で続ける自信も、理由 もなかった。妹むらさはそっとあんかーを流れ藻の破片から外した。 「おとうさん…おかあさん…ねえさん…むらさは…もう…」 むらさは目を閉じて波の動きに身をゆだね、ゆっくりと沈んでいった。 そして、むらさの体はサンゴ礁に横たわった。 とある南の海、サンゴ礁が鮮やかな海で、一匹のむらさがウミガメから逃げていた。 「来ないでね!!!むらさは食べられたくないわ!!」 お尻に残った実の姉の歯形の痕…あの妹むらさの成長した姿である。 どうやら、むらさはそれなりに場数を踏んできたようだ。 巧みにウミガメの追撃をかわし、サンゴの影に隠れる。 ウミガメはしばらく辺りを泳いでいたが、諦めたのか、それとも別の獲物を見つけたの か、どこかに泳ぎ去ってしまった。 「ふう…やっとゆっくりでき…」 そのとき、むらさの視界に入ってきたのはレモンザメだった。レモンザメは最大で3m ほどにもなる暖かい海に生息するサメである。その名はそのレモン色の体色から来てい るが、実際は個体差もある。 今回、むらさが見つけたのは、体長70cm前後のまだ若いレモンザメだった。若い個体 はしばしば、リーフ内の浅い海に入ってきて捕食を行う。いくら海中に適応したむらさ でも分の悪い相手であった。 砂に潜るか…それとも陸に逃げるか…? 妹むらさは成体と言えるサイズになって皮が丈夫になり、乾燥への耐性を備えたことで ある程度陸上でも行動できるようになっていた。 むらさは一度上陸して、この捕食者をやり過ごすことにした。隙を見てサンゴの影から 抜け出すと、波打ち際に飛び跳ねるように逃げていく。 「…ふう…ここまでくればゆっくりできるわ…」 そこは真っ白なサンゴ砂に覆われた浜辺だった。海の中では感じることのなかった、照 りつけるような太陽が痛い。まだ、陸上での生活経験が乏しいむらさには強すぎる太陽 だった。 それでも、さめさんといっしょよりはゆっくりできるわね… むらさは太陽から逃げるように木陰に跳ねていった。 「おや?見ないゆっくりだね!ゆっくりしていってね!」 そこにいたのは見たことのない二匹のゆっくりだった。 大きな耳を持った笑顔の素敵なゆっくり 「ぼくはなずーりん」 そしてもう一匹は頭に可愛い花を乗せた、少しおどおどしたゆっくり 「…しょうです…」 「むらさ、わたしはむらさよ。」 むらさは初めて会う別のゆっくりにどう振舞っていいか分からなかった。 「きみはどこの飼いゆっくりなんだい?」 なずーりんと名乗ったゆっくりはむらさが野生だとは思わなかったようだ。 南国の太陽の下、照りつける太陽に濡れた黒髪に魅かれるものがあったのかもしれない。 「わたしは海から来たの。にんげんさんに飼われているわけじゃないわ!」 「すごいや!しょう聞いたかい!?海に棲んでるんだって!!」 なずーりんは目を輝かせる。むらさはなずーりんが一体何に驚いているのか良く分から ず、少々困った顔をしていた。 「うん…海の中ってどんな感じなのかな?…とっても興味あるよ…」 しょうと名乗ったゆっくりも海に興味があるらしい。このゆっくりたちにとっては、海 の中の世界がそんなに珍しいのだろうか? 「ねえ、むらさ?これからぼくらが面倒見てもらっているお兄さんのゆっくりぷれいす に行かないかい?きみの棲む海の中に興味があるんだ!ゆっくりした話を聞かせてよ!」 「わたしも…お話聞いてみたいかな?…」 まあ、いいか むらさはそう思った。どうせレモンザメがいなくなるまで、海の中に戻るつもりはない。 それに一度、地上をゆっくり見てみたかった。 「いいわよ!みんなで一緒にゆっくりしましょう!」 快諾したむらさの笑顔に、なずーりんとしょうの顔もほころんだ。 「ねえ、むらさぼくらと同志になってくれないかな?」 「同志ってなに?」 「一緒に遊ぶと楽しい友達のことさ」 なずーりんの笑顔は無邪気でとてもまぶしかった。 むらさはこの二匹と一緒ならば、たくさんゆっくりできるような気がした。 海の中しか知らなかったむらさは、なずーりんとしょうの二匹に出会い、様々な思い出を 作っていくことになる。 陸地から海に進出し、また再び陸にも上がろうとするむらさ種、このゆっくりはどこを目 指すのだろうか? まぶしい太陽の下、むらさの新しい生活が始まった。 完 神奈子さまの一信徒です。 私の専門である水棲ゆっくりって、にとり、むらさしかいないなぁ~ってことで書いてみ ました。すわこはカエル、いくは深海魚、ぬえはカニっていうイメージもあるのですが、 どうなんでしょう? あまり一人で独自のゆっくり量産するのも気が引けましたので、南の島シリーズ後半でち ょい役で出てきたむらさにスポットライトを当ててみました。 こんなのむらさのイメージと合わないという方、ごめんなさい。 お目汚し失礼いたしました。 挿絵 by絵本あき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓のコメント誰が書いたんだろwww -- 2019-10-12 13 18 36 L(・_L)ズン(ノ_.)ノドコL(・_L)ズン(ノ_.)ノドコ -- 2019-10-12 13 16 16 ナイスむらさ! -- 2018-07-06 02 34 04 こwwwれwwはwww -- 2017-12-03 15 26 31 リア充爆発しろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! -- 2017-04-04 13 35 48 すばらしい -- 2011-03-02 21 13 47 これは面白い。むらさの生態が細かく描写されていてとてもゆっくりできましたー! -- 2010-11-22 20 38 47 どうして貴方の書くまりさ(つむり)はこうも生理的嫌悪感を掻き立てるのか。相変わらずのキショさで逆に安心するぜガクブル -- 2010-09-22 20 02 37 このなずーりんが後にゲスになるとは… -- 2010-08-27 06 14 40 いいね! -- 2010-06-16 02 49 38 面白かったよ。 -- 2010-06-14 22 52 38
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『遠い海から来たゆっくり 猛る母性』 39KB 越冬 群れ 自然界 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ 蠢動と停止の続きです ※「遠い海から来たゆっくり 異郷にて」 「遠い海から来たゆっくり 冬、来たり」 「遠い海から来たゆっくり 蠢動と停止」の続きになります。 まだここでは完結しませんので、ご注意ください。 『遠い海から来たゆっくり 猛る母性』 まりさがいなくなってから、れいむは暗闇で一人ぼっちだった。 れいむはまりさの凶行がショックだった。 れいむはまりさとは別の形で、自分に諦念を抱いたゆっくりだった。それほど美ゆっくりでないのは、幼い頃から分かっていた。だけどれいむはハート美人、ちょっと性格悪いかもしれないけど、実はいいゆっくり……それがれいむのコンセプトなのだ。しかし、誰も理解してくれなかった。 そんなれいむの価値を理解してくれたのが、あのまりさだった。 ずっと一緒にゆっくりしようと約束した当初は、もっと素敵なゆっくりが自分の前に現れ次第乗り換えられないかなぁと思う時もあったのだが、なかなかそんな機会は到来しなかった。また、せっせとご飯さんを持ってきてくれるまりさを見ていて、こんな生活も良いかと思うようになっていた。だから、身の回りのことはせっせとやった。二匹で仕事を分担すれば、後々ゆっくりできることぐらいは知っていたのだ。 今まではうまくやって来たのだ。れいむは知っていた。まりさがれいむに心底惚れているからここまで尽くしてくれることを。だから、それに応えるためにれいむもそれなりに頑張ってきた。 この北の大地で「冬眠」が始まったとき、れいむは不安でいっぱいだったが、すぐに巣穴の中がある種の楽園であることに気がついた。 おちびちゃんはいなかったが、狩りはしなくていい、動かなくていい、あったかい洋服がある、たくさんのご飯さんがある、そして何よりゆっくりできる時間がたくさんあった。 なのに、まりさはゆっくりできなかった。ご飯さんをたくさん食べてはいけないと言っていたし、すっきりすることも拒絶された。 まりさはこの群れに来てからというもの、群れのことばかり心配して、れいむとゆっくりする時間は削られる一方だった。 なんで、まりさがここまでゆっくりできないゆっくりになってしまったのか、れいむには見当もつかなかった。 「ゆっぐ……れいむのとでもゆっぐりじだもみあげしゃん……ぺ~ろぺ~ろ」 まりさから暴行を受けてから数時間、れいむはずっと自慢のもみあげを元に戻すべくぺ~ろぺ~ろし続けていた。だが、まりさにちぎられ、踏まれ、ぐじゃぐじゃにされたもみあげがれいむの体に戻ってくることはなかった。 「まりさはほんっどにぐじゅだよっ! いままでれいむがあんなにゆっぐりざせであげだのにっ! 恩を仇で返されたよっ!! じねっ! どこかでのだれじぬといいよっ!! ばーきゃばーきゃ!!」 れいむはぶつくさと文句を言いながら、なおももみあげをぺ~ろぺ~ろし続ける。その無駄な行為を諦めたのは、おなかがぐーぐーなってからだった。 「ゆゆ? れいむはおなかがすいたよっ! とりあえず、む~しゃむ~しゃするよっ! どんなときでも、む~しゃむ~しゃすればゆっくりできるんだよ!!」 だが、おうちに持ち込んでいた群れの備蓄食糧は食べ尽くしてしまっていた。また取りに行かなければならない。れいむは体を休めていたベッドからそろそろと降り、洞窟奥の食糧備蓄庫へと向かった。 「ゆ!? しゃ、しゃぶいいいいいい!! なんなのごのざむざはっ!? ゆっぐりできないいいいっ!!」 おうちの外は、冬眠を始めて以来かつてないほど寒くなっていた。まりさが外出する際に、洞窟入り口の栓を取り除いたことで冷気と雪が入り口付近に侵入するようになっていたのだ。この冷気のせいで、洞窟の入り口近くにおうちを構えていた、めーりんとありすの一家は冬眠から目覚めることのないまま凍って永遠にゆっくりした。後は春になり、死体がゆっくりぐずぐずに溶けていくのを待つだけだった。 「さぶいよっ!! なんなのこれはっ!? 全然ゆっくりできないじゃないっ!!」 れいむは何に対して罵ればいいのかも分からないまま、食料備蓄庫へと懸命に跳ねた。もし、まりさ同様に、もみじが拾ってきてくれたゆっくりの洋服がなければ、跳ねることもままならず、震えて永遠にゆっくりしていたことだろう。 そして、食糧備蓄庫に行くと、口の中に詰め込めるだけのご飯さんと共に帰路に着こうとした。だが、それはできなかった。入り口から冷たい風が吹き込み、れいむのおうちへの帰宅を邪魔するのである。 「さて、れいむはゆっくり帰ってむ~しゃむ~しゃするよ!……ゆっびぃぃぃぃぃっ!! 寒いよぉぉぉぉぉっ!! 風さんかわいいれいむをゆっくりさせでよおおおおっ!!!」 れいむのおうちそれ自体は、風の入り込みにくい、洞窟内でも比較的暖かな場所に設けられていたが、そこに行くまでにはゆっくりできないくらい寒い道を跳ねなければならなかった。 「ゆぎぎっ! ゆびぃぃぃっ!! これじゃあ帰れないよ!! 仕方ないから、れいむは一夜の宿さんを借りさせてもらうよっ!!」 そう言って、れいむは手近な横穴に飛び込んだ。そこはみょんとさなえの番の住むおうちだった。 「ゆっくりお邪魔するよ! みょんとさなえはゆっくりしていってね! れいむは勝手にゆっくりさせてもらうよっ!!」 だが、みょんとさなえから返事はなかった。当然だ、二匹は冬眠の最中にあり、深い眠りについていたからだ。寄り添うようにして眠るみょんとさなえの表情はとてもゆっくりしていて、れいむは少しだけ、まりさとのゆっくりした日々を思い出してしまった。れいむはまりさの凶行を許せなかったし、なぜ、あんなことになったのか理解できなかったが、その感情は昔の淡い思い出まで侵食することはなかったのだ。 ぎこちない動きですーりすーりをして、初めてのおちびちゃんを授かった頃が懐かしかった。 「ゆぅ……おちびちゃん……れいむのとてもゆっくりしたおちびちゃん……」 れいむははらはらと涙を流しながら、備蓄庫から持ってきたどんぐりをむ~しゃむ~しゃした。南の島出身のれいむには、少し苦く感じられるどんぐりは、今日はちょっとだけしょっぱかった。 おなかいっぱいになると、れいむは少しここで眠らせてもらうことにした。どうせおうちの主は冬眠しており、眠っている群れのゆっくり達がちょっとやそっとでは起きないことは、「冬眠」がなんだか分かっていないれいむでも気付いていた。 「ゆっくりお邪魔するよ! みょんもさなえもとってもゆっくりしたゆっくりだね!」 寒さをしのぐために、よじよじと二匹が眠っているベッドの真ん中に割り込むようにして潜り込む。 「ゆゆっ!?」 れいむはびっくりした。みょんの肌が驚くほど滑らかだったのだ。これほどゆっくりした肌のゆっくりは初めてだった。みょんはとてもゆっくりした美ゆっくりだったのである。いや、イケメンならぬイケみょんであった。 「す~りす~り……ゆぅっ!! みょんはとってもゆっくりしているよぉぉぉっ!! これはすごいよぉぉぉっ!! す~りす~りが気持ちいいよ!!」 れいむはす~りす~りをまりさに拒否された時、れいむの方から誘っておいて断られたことで、そのないーぶはーとを大いに傷つけられていた。そして、今確信した。れいむは、再びゆっくりするために、ゆっくりした美ゆっくりとおちびちゃんを作らなければならないことを。みょんやさなえの事情など、れいむの頭のどこにも引っかかってすらいなかった。今はおちびちゃんのことでいっぱいだったのだ。 「みょん、ゆっくり起きてね! れいむはさなえが眠っているうちにみょんとゆっくりしたすっきりをしたいよ! ゆっくりしないで起きてね! れいむを焦らさないでね!」 だが、みょんは名前を呼んでも、ゆすっても、ぺ~ろぺ~ろしても、ちゅっちゅしても起きなかった。冬眠中のゆっくりは、思い切り体当たりするぐらいのことをしなければ起きないのである。れいむはため息をつき、仕方なく、二重に着込んだゆっくりの洋服をがさがさと脱いだ。保温性の高い服のせいで、ちょっとムレた、しっとりでっぷりした肌が露になる。 「れいむのすいっみんっかんは愛があるよ! だから、ゆっくりしてイってね!」 ぺにまむを使ったすっきりはできないが、す~りす~りのすっきりならできる、そう考えたのだ。 「す~りす~り……ゆほぉっ!! すべすべだよっ! みょんはとってもゆっくりしているよっ! みょんもれいむに夢中になってゆっくりしてねぇぇぇ!!」 一方的に粘液を撒き散らしながられいむはす~りす~りのスピードを上げていく。これほど燃え上がったす~りす~りは初めてだった。 「ゆ゛……ゆひ……」 一方のみょんはまだ目覚めていなかったが、どことなく苦しそうな表情でうなされていた。 そもそも、冬眠はただ眠っているわけではない。余分なエネルギー消費を抑えて、低い代謝で体が死なないように維持管理を行っているのである。そう簡単に、目覚めて通常の活動状態、例えばいきなり逃げ出すとかいつものようにしゃべる、というわけにはいかないのだ。 すっきりはかなりエネルギーを消費する行動である。そのため、断続的な冬眠を行う、ここのゆっくりが冬にすっきりをしようと思ったら、まず低代謝の冬眠モードになってる体を通常モードに切り替え(車のギアを変えるようなものである)、冬眠中に失った分の栄養を補充しなければならない。 そして、それは通常では有り得ないことなのだ。たまに人間がいたずらで彼らを叩き起こさない限り、気候の異常で冬に暖かい日がある程度続きでもしない限り、自分達ですっきりをしようとすることすらできないのである。 「ゆふぅ~……きもちいいよぉぉぉぉ~!! すごいよ、みょん~! ゆひっ!! ゆふうううううっ!! ゆほほほっほほっ!!」 ゆっくりは冬眠中、代謝が下がって、いろいろな体の機能が低下している。しかし、す~りす~りによる粘液の分泌はゆっくりの意志とは別に機能しているのか、少しずつみょんの表面もじっとりしてきた。ある種反射のようなものなのかもしれない。 れいむはどんどんす~りす~りのペースを上げていった。 「ゆっほぉぉぉぉっ!! きもぢいいよぉぉぉっ!! でもいけないよぉ、れいむにはまりさがいるんだよぉぉぉぉっ!! ゆほほほほほ!!」 「……!! ぬふぅっ!!」 れいむが勝手なことを叫び始めた段階で、やっとみょんが冬眠から強制的に目覚めさせられた。 「ゆっべぇぇぇぇぇっ!!? なにこのれいむぅぅぅぅっ!? どぼじでみょんとすっぎりしてるみょぉぉぉぉんっ!?」 だが、時既に遅しであった。 「「すっきりーっ!!」」 あっという間にみょんの額から蔓が伸び、三匹の赤ゆっくりがその蔓に実る。 「ゆわぁぁぁん!! れいむとみょんの赤ちゃん、とってもゆっくりしているよぉぉぉっ!! きっと二人ににて、ゆっくりした美ゆっくりに育つよぉぉっ!!」 「ゆがああああっ!! なにごれぇぇぇぇっ!? ゆっぐりできないみょおおおんっ!! さなえ゛~!! みょんをだずげでぇぇぇっ!!」 さが、さなえは起きない。隣で泣き叫んだくらいでは起きないのだ。 「ゆゆ! みょんは失礼だねっ! れいむがいるのにさなえの名前を呼ぶなんてっ!! でもれいむは今機嫌がいいから、すぐさなえのことを忘れさせてあげるねっ!!」 「ゆひっ!?」 言うが早いか、れいむは再び情熱的にす~りす~りを始めた。先ほど分泌された粘液がれいむとみょんの体にべっとりと付着しているので、すぐにす~りす~りするペースが加速していく。主にというか完全にれいむによって。 「ゆぎゃああああっ!! やべでっ! みょんはれいむとすっきりしだぐないみょんっ!! ゆんやぁぁぁぁぁっ!!」 だが、毎日しっかり食べて肥えたれいむに、冬眠から強制的に目覚めさせられたばかりで、体格も体力も落ちているみょんは敵わなかった。れいむに体重をかけられてす~りす~りさせると、脱出することは不可能だった。 「「すっきりー!!」」 そして、二度目のすっきりが宣言され、今度はれいむの方から蔓が伸びた。 「ゆゆ~ん!! ゆっくり! ゆっくりぃぃぃっ!! とってもゆっくりした赤ちゃんだよぉぉぉっ!!」 れいむは蔓に実った四匹の赤ちゃんに喜びの涙を流した。 「ゆ゛……ゆ゛……ゆ゛……」 その横にはげっそりした姿で、痙攣しているみょんの姿があった。 冬眠中に無理矢理すっきりさせられ、その上赤ゆまで実らされた。冬眠のために低代謝になってるとは言え、みょんの体は蓄えた栄養の残量が減少していた。そろそろ起きてむ~しゃむ~しゃしなければいけないタイミングだったのだ。 だが、む~しゃむ~しゃする余裕すら与えられず、無理矢理すっきりさせられたことで、みょんの体は一気に赤ゆに栄養を吸い取られて枯れ果てたのだった。子供のゆっくりがすっきりすると、黒ずんで死んでしまうのと同じだ。体は大きくても、赤ゆやにんっしんを支えられるだけの栄養がない状態だったのだ。 「ゆぎょべぁぁぁぁぁっ!!」 みょんは幾たびか大きく痙攣した後、一気にホワイトチョコレートを吐いてしまった。おまけにあにゃるからも得体の知れない液体が吹き出る。 「ゆぎゃあああああああああっ!! れいむの天使のように滑らかなびはだに得体のしれない液体がぁぁぁぁぁぁっ!! ゆっげぇぇぇぇぇぇっ!! ご飯さんにもなんか、かかっでるぅぅぅぅぅっ!!!」 れいむはそのまま、みょんとさなえのおうちから転がり出ると、寒さを避けるために、また別のおうちへと逃げ込んでいった。 「ゆ゛……ゆ゛……ゆ゛……」 みょんは餡子を吐いた段階で意識を失っていた。それからしばらくは生きていたが、翌日、そのまま静かに永遠にゆっくりし、その頭上に実っていた赤ゆも運命を共にした。冬眠中のさなえは最後までみょんが死んだことに気付けなかった。 それから一ヶ月が経過した。 ひんやりとした洞窟の中で、れいむは己が幸せを噛みしめていた。寒い空間ではあるが、たくさんのご飯があり、ゆっくりできる時間があり、そしておちびちゃんもできた。 「おきゃーしゃん、ゆっくいだじぇ! ゆっくいだじぇ!」 「みゃみゃっ! みょんにおうたさんうたってみょんっ!」 「ゆえーん! しゃむいよぉぉぉぉっ!! おきゃーしゃん!! れいみゅとすーりすーりしてぇっ!!」 「れいみゅのぶりりあんとうんうんたいむ! はっじまっるよーっ!!」 れいむは数えられなかったが、合計で十二匹の子ゆ・赤ゆ達はそこにはいた。永遠にゆっくりしてしまった美ゆっくりのみょんをはじめ、何匹かのゆっくりととてもゆっくりした愛を交わした結果がそこにはあった。 無邪気に自分のゆっくりをアピールする赤ゆ達の姿に、母親となったれいむの頬も自然と緩む。以前、まりさに見捨てられてたとき、まさかこんなゆっくりした幸せが自分のところにやって来るとは思いもしなかった。 「ゆふふ……やっぱり神様はちゃんと見ていてくれるんだね! れいむはとってもゆっくりできているよ!!」 赤ゆ達とす~りす~りを交わし、片方だけになってしまったもみあげでそのゆっくりした頭を優しく撫でる。 「おきゃーしゃん、しゅーりしゅーり!」 「ゆっぴぇ? ゆゆ~ん、みゃみゃだいしゅきっ!」 「おかあさんもおちびちゃん達のことが大好きだよっ! さあ、そろそろむ~しゃむ~しゃしましょうね? おかあさんは狩りに行ってくるよ!」 おうちの隅に蓄えておいたご飯さんをまた食べ尽くしてしまったのだ。たくさんの赤ゆっくりが、急速な成長のためにブラックホーゆのようにご飯さんを消費しているのだ。 母れいむは昨日も狩り(と言っても、食糧備蓄庫からもらってくるだけだが)にでかけたのに、今日も出かけなければならなかった。だが、それは苦痛ではなかった。れいむにとって、おちびちゃんの笑顔に勝るゆっくりなどありはしないと信じていたのだ。ましてや、半分近くの赤ゆは生まれる前に寒さで永遠にゆっくりしてしまったのだ。生き延び、元気に成長してくれているおちびちゃんの笑顔は、その分輝いてい見えた。 「今日もおかあさんはゆっくり狩りをするよ!! 狩りは大自然との闘いだよ!!」 そう言って、母れいむはせっせと備蓄庫に蓄えてあるどんぐりや干した海藻を口に詰め込んで行く。滋養豊かなミノムシやほのかに甘い干しブドウはとっくに食べきってしまっていた。 さすがに、冬眠開始時点に比べれば、食料備蓄庫に蓄えられている食糧は目に見えて減って来たが、それでもまだまだゆっくりできることが見て取れた。 「ゆぅ……でもどんぐりさんは固くておちびちゃんがむ~しゃむ~しゃできないよ……」 子ゆっくりぐらいになればまだしも、赤ゆっくりはまだまだ歯が弱い。母れいむは良く噛み砕いて、たくさんいるおちびちゃんに少しずつ食べさせていかなければならなかった。これは結構な重労働である。 「でも、かわいいおちびちゃんのためだよ!」 母れいむは決意を新たに、備蓄庫からおうちへの帰途に着いた。幸い、今日は洞窟入り口からの風の吹き込みが弱く、外の冷気はそれほど苦ではない。 「れいむはおうちでおちびちゃんの世話をしながら、ゆっくりお歌を教えてあげるよ!!……その前にしーしーするよ!!」 「れいむ! ゆっくりしていってくださいね!!」 「ゆ?」 れいむが挨拶の声にびっくりして振り返ると、そこには一匹のさなえがいた。母れいむにとって、まりさと自分のおちびちゃん以外と挨拶を交わすのは初めてのことだった。 「さなえもゆっくりしていってね!……さなえもご飯さんを取りに来たの?」 「さなえは別の用事ですよ!」 そう言ってさなえはこっそりとれいむに耳打ちするような姿勢をとる。つられてれいむも身を乗り出す。 「実は、みょんとすっきりしたとてもゆっくりしているゆっくりを探してるんです! みょんがあまあまをあげたがってるらしいんですよ!」 「ゆ!? それはれいむのことだよっ! はやくあまあまを……ゆ?」 一瞬にしてさなえの目がゆっくりしたそれから、危険な光を帯びたものへ、ぎらりと変化した。 「おまえかぁぁぁっ!! このクサレどまんじゅうぅぅぅぅっ!!」 「ゆっぼおぇぇぇぇっ!! なにずるのおおおおおおっ!!?」 さなえは渾身の力を込めて、棒切れを突き出した。だが、重ね着したゆっくりの洋服に阻まれてすべり、れいむの左の頬を浅く削り取るに留まった。 「ゆっぎいいいっ!! やべでねっ! ゆっぐりできないよっ!! れいむは……れいむはしんぐるまざーなんだよっ!!」 思い出したように、慌ててしんぐるまざーを強調するれいむ。それは全ゆっくりにとって同情すべき存在のはずだった。事実、れいむとすっきりした冬眠中のゆっくりはみょんも含めて四匹いたが、そのうち三匹が黒ずんで永遠にゆっくりした。残り一匹は、一度目覚めてにんっしんしているのを知りびっくりしたが、低温の前にはなす術がなく、眠りなおしてしまった。必死にむ~しゃむ~しゃはしたようだが、冬眠後まで母体、胎内の赤ゆともに元気でいられるかどうかは厳しいところだろう。 「れいむがみょんをれいぽぅしたんですね! 絶対に許さなえっ!!」 そこには先ほどまでの礼儀正しい口調のさなえはいなかった。一匹の修羅がいた。そこでやっとれいむは思い出した。このさなえが、一緒にすっきりしたみょんの隣にいたさなえであることに。 「ゆぅ!! 何言ってるの!? みょんはれいむの誘いを断らなかったよ!! れいむはれいぽぅなんてしてないよ! ゆっくり理解して……」 ぷるぷると怒りに震えていたさなえの感情が爆発する。 「お前のせいでみょんは永遠にゆっく……許さなえ! この外道、許さなえっ!!」 さなえは幾度となく、体当たりを繰り返してきた。 「うぶっ? なにずるのおおおっ! ゆげっ!?」 れいむはゆっくりの洋服を重ね着しているため、思うように動けなかった。これでは逃げることも、反撃することもままならない。 「怯えろ! 竦め! ゆっくりできないまま永遠にゆっくりしてしまえっ!!」 だが、洋服を着込んでいたことは悪いことばかりでもなかった。重ね着した洋服が衝撃を吸収してしまい、れいむの体には大した衝撃が伝わらないのだ。 さなえもある程度む~しゃむ~しゃはしたのであろうが、本来ならまだ冬眠し続ける気温である。さなえは無理をしていた。ただ怒りだけで動いていたのだ。動きに力が入っていなかった。そして、れいむはさなえの体当たりが大したことないことに気がついていた。 「ゆぷー! みょんがれいむの魅力にめろめろになったから、れいむにしっとしてるんだね! おお、あわれあわれ! くやしかったら、肥やし買ったら? ゆっくり力の差を思い知っていくといいよ!!」 「ゆぎぃぃぃぃぃっ!! じねぇ!! ゆっぐりごろしのれいむはじねぇぇぇぇっ!!」 さなえが絶望的な体当たりを繰り返している間にれいむは体勢を整えていた。そして、さなえが疲弊して、攻撃の手を緩めた瞬間を見逃さなかった。 「今だよ! 倍返しだよっ!!」 たくさんの食糧によって、肥えに肥えたれいむの一撃が、さなえを襲う。 「ゆ?……うヴぉぁぁぁぁぁぁあああ゛!!」 さなえは勢いよく弾き飛ばされ、洞窟の岩盤が露出している部分に叩きつけられた。当たった場所と当たる角度が悪かったのだろう、その下半身は弾ける様に飛び散り、辺り一面を緑色のずんだ餡が覆った。 「……さなえと……みょんの……わせを……お前が……お前がぁ……」 「……」 れいむは呪いをかけるかのように恨み言を吐き続けるさなえを冷めた目で見ていた。 「しーしーしたくなったよ……」 「!!」 忘れていた尿意を思い出したらしい。れいむがやや仰向けに体を倒すと、そのしーしー穴からレーザービームのように勢い良くしーしーが発射され、さなえの眉間を撃ち抜いた。さなえは無言で絶命した。 「ゆっくりできないゆっくりは永遠にゆっくりするしかないんだよ……」 れいむは捨て台詞を残すと、さなえの死体を巣の隅にずりずりと引っ張り、良く踏み散らかして証拠の隠滅をはかった。 「ゆ~……なんでれいむがこんなことを……ゆっくりしたいよ……」 さなえの死体を片付け終わったれいむは、無理に明るい笑顔を作って、おうちに入っていった。 「ゆっくりただいま~! ご飯さんを持ってきたよ!!」 「おきゃーしゃん! ゆっくち! ゆっくちーなんだねー!!」 「ゆっくりお帰りなさい、おかーしゃんっ!!」 「まりしゃはぽんぽすいたのじぇーっ!!」 「ぽーくびっつ!!」 れいむはかわいいおちびちゃん達に余計な心配はさせたくなかったのだ。元気に挨拶を返すおちびちゃんの姿を見て、疲れていたれいむの顔がみるみるゆっくりしたものになっていく。 「狩りはとっても大変なんだよ! だからおかあさんをそんけーしてね! そしておちびちゃん達も周りからそんけーされるようなゆっくりにゆっくり育ってね!」 そう言って、れいむは口の中から次々と食糧を出し、それを噛み砕いては、赤ゆ達に食べさせていった。噛む力の強くなった子ゆ達は、思い思いにどんぐりを拾ってはむ~しゃむ~しゃしている。 「れいみゅのいもーちょ、おねーちゃんとむ~しゃむ~しゃしようね!!」 れいむの長女である子れいむは、母を助けるべく、せっせと妹達に噛み砕いたどんぐりを食べさせていた。 「れいむはとってもゆっくりしたゆっくりだよ……」 我が子の優しさ溢れる行為に思わず涙腺が緩む。れいむは、この長女の将来がとても楽しみだった。 だが、異変はその数日後に起こった。れいむのおちびちゃんのうち、子ゆっくりにまで成長した個体の半分が、群れのほかのゆっくりと同じように長い眠りにつき、朝が来ても目覚めなくなったのである。その中にはあの長女れいむの姿もあった。 「おちびちゃ~ん……とってもゆっくしてるけど、寝すぎだよ……れいむは心配でゆっくりできないよ……」 普通に眠っては起きてを繰り返している子ゆや赤ゆの世話をしながら、いつになっても目覚めない子ゆの姿に、母れいむはやきもきしていた。 このれいむのおちびちゃん達は、南国出身であるれいむと、北国出身であるゆっくりとの間にできた子である。そのため、遺餡子のイタズラによって、冬眠できるゆっくりとできないゆっくりが、寒さに強いゆっくりと弱いゆっくりが生まれていたのである。 寒さに弱いゆっくりは、蔓から落ちる前に永遠にゆっくりしてしまったため、今、ここに生き残っているのは、「寒さに強く、冬眠できるゆっくり」と「寒さに強く、冬眠できないゆっくり」であった。眠りについた子ゆ達は前者であり、子ゆにまで成長したことで、低温による冬眠のスイッチがオンになったのだ。ちなみに赤ゆのうちから冬眠しなかったのは、急速に成長する赤ゆの時期は、成長や代謝を抑制する冬眠の能力が発動できないためと考えられている。無論、れいむはそんなことを知る由もなかった。 れいむが耳をそばだてると、目覚めない子ゆ達はみんなゆっくりした寝息を立てていることが分かる。永遠にゆっくりしているわけではなく、ゆっくりできないことになっているわけでもなさそうだ。 「おちびちゃん、おかあさんがぺ~ろぺ~ろしてあげようね……おちびちゃん、ゆっくりしてるね、でもそろそろ起きてね……」 とりあえず、れいむは気を紛らわせ、他のおちびちゃん達の面倒を一生懸命見ながら、冬眠に入ってしまったおちびちゃん達の目覚めを待つことにした。 「そうだ! れいむはゆっくりお歌を歌うよ!!」 れいむは、冬眠した子ゆを心配する余り、大好きなお歌をここ数日忘れていたことに気がついた。 「ゆ~♪ ゆ~♪……ぼえ゛~っ!!」 「ゆびゃあああっ!! おきゃーしゃんおんちなんだじぇぇぇぇ!!」 「やべじぇええ!! 聞くにたえないみょおおおんっ!!」 「せかいがおわりゅぅぅぅぅっ!!」 だが、壊滅的に音痴であることには、死ぬまで気付きそうになかった。 さらに時は過ぎ、人間の暦でいう二月も半ばになった。時折訪れる温暖な日には、雪が溶け、地面や新しい緑が顔をのぞかせることもあった。だが、その数日後には決まって冬の冷気が勢いを盛り返し、垣間見えた春をすかさず覆い隠してしまう、そんな日が続いていた。 「じゃあ、ゆっくりお歌を歌うよ! みんな!」 「ゆっくり歌うよ!」 「おかーさんと歌うよ! れいむはあいどるになるよ!!」 「ゆっきゅりー!」 「うぃんなー!」 巣の中には六匹の子れいむと、母であるあのれいむが起きてゆっくりしていた。残りの六匹は、成長しないままゆっくりと眠っていた。彼らもだいたい一~二週間に一度くらいのペースで目覚めては、母であるれいむと一緒にむ~しゃむ~しゃやす~りす~りをして、またすぐ眠るというサイクルを繰り返していた。だが、何度か目覚めてゆっくりしたことで、母れいむは彼らの安否についてはかつてのように心配していなかった。 「ゆ~♪ ゆ~♪……ぼえ゛~っ!!」 「ゆぼえええあああああ!! やっぱりおーんち!!」 「あばばば!! まりしゃのみみさんがぁぁぁぁっ!!」 「ぎんががおわりゅぅぅぅぅっ!!」 誰も自分を止めるものがおらず、ご飯さんもたくさんある巣の中で、れいむはゆっくりするために自重しなかった。その代わり、母性も自重などしなかった。 母れいむ一人の手でこれだけのゆっくりしたおちびちゃんを育ててきたのだ。跳ねる死亡フラグとも呼ばれる赤れいむ達だが、無事生れ落ちた個体は一匹たりとも欠けていなかった。寒い中、苦労して「狩り」を行い、うんうんやしーしーをせっせとおうちの外へと捨てた。おちびちゃんがなかなか寝付けなかった時には、かつて暮らしていたとてもゆっくりした南の島の話を聞かせてあげた(南の島での暮らしには当然危険も伴っていたのだが、それらはすっかり忘れていた)。おちびちゃんが成長してくると、ベッドさんが狭くなってきてしまったので、近くのおうちのベッドさんを借りたり、材料を分けてもらって(ちょろまかして)新しくベッドさんを作ったりもした。 その結果、母の愛情を受けて元気いっぱいに育った子れいむ達がそこにはいた。 ちなみに、母れいむにおちびちゃん達ができ、みんなでせっせと群れの備蓄食糧をむ~しゃむ~しゃしていることを把握しているゆっくりはいなかった。 なぜならば、越冬中、ここのゆっくりは空腹を覚えた頃に目覚めてはむ~しゃむ~しゃ、そしてすぐ寝るという生活を繰り返すため、れいむ達に遭遇した個体はほとんどいなかったのである。また、まだこの時点では備蓄庫に食糧を取りに行ったゆっくりも皆無であった。なかなか寝なおさずにゆっくりしていた個体は、れいむのおちびちゃんを目撃したりしていたが、冬の低温の環境下ではすぐに体が冬眠モードに戻ってしまうため、「目撃した」以上のアクションを起こすことは出来なかった。 そんなある日、れいむ達が目覚めるといつもよりも洞窟の中が暖かかった。そして、どこからか湿った土の臭いがした。 「ゆゆ! なんだかあったかいよ……もしかして春さんが来たんだね!!」 この異郷の地の寒い冬をれいむ達はゆっくり過ごしてきた。この地の春はきっと南の島の春とは違うのだろう。だが、冬眠前に、もみじ達が春が来るのを楽しみにしていたことから、きっとあったかくてゆっくりできるのだろう、そう思っていたのだ。 ずっと眠っているおちびちゃん達も、起きて母れいむとゆっくりしてくれるかもしれない、暖かいお外に出ておちびちゃん達とお歌を歌えるかもしれない、緑の野原でおちびちゃん達とぴくにっくさんができるかもしれない…… ずっと薄暗い洞窟に閉じこもっていた母れいむの心は躍った。そして、母れいむは踊る心を抑えきれず、外の様子を見に行くことにした。そろそろ甘い汁気たっぷりの新鮮なご飯さんもむ~しゃむ~しゃしたかった。 「おちびちゃん達、おかあさんはお外の様子を見に行くよ! でも、お外は危ないから、おちびちゃん達はおうちでゆっくり待っていてね!」 「ゆっくりりかいしたよっ!」 「しゃうえっせん!!」 「みゃみゃ! ゆっくちー! ゆっくちー!!」 「ゆーゆゆーん!?」 れいむは、比較的成長している子ゆっくりに後事を託すと、洞窟の出入り口に向かって跳ねていった。ゆっくりの洋服をぐっと引き上げ、寒さに備える。だが、そんな母れいむの後を追ってくるものがいた。 「おきゃーしゃーんっ!! まりさも! まりさもお外を見てみたいんだじぇえええっ!!」 それは子まりさであった。言うまでもなくこの子まりさは、番であったまりさとの間に生まれた子ではない。冬眠しているゆっくりに対する、れいむの一方的なすっきり(すいっみんっかん)によって誕生したゆっくりである。れいむのおちびちゃん達の中でも、特に好奇心が強く、母れいむが話す南の島の話を質問で中断させまくったり、限られた視界の中でも洞窟内を探検しようとしたりと、とにかく元気いっぱいな子であった。 「じゃあ、おちびちゃんだけ特別に連れて行ってあげるね! でもおかあさんから決して離れちゃだめだよ、ゆっくり覚えておいてね!」 「ゆっくりりょーかいしたんだじぇっ!!」 れいむは元気一杯の子まりさを連れて、洞窟入り口に向かう。 かつて、この洞窟の入り口の狭まった部分には、枯れ木や枯れ葉とゆっくりの唾液で作った栓がしてあったのだが、れいむの番であったまりさが外に出るために壊してしまっていた。しかし、その後、雪が降り積もったことで、入り口は再び封鎖されて今に至る。 「ゆゆっ? お外からあったかい空気が入ってきてるよ!!」 だが、雪が溶けたのであろう、洞窟入り口には、れいむ達を邪魔するものはなかった。そして、外からは暖かな空気が流れ込んでいた。母れいむと子まりさは喜び勇んで外へと出た。 「……ゆ?」 外は真っ白だった。確かに大気は暖かかったが、辺りはまだ雪景色に覆われていた。気温は二月にしては高いのだろうが、それでも風が一陣吹くと、母れいむと子まりさはその寒さに震え上がった。 「ゆっぴゃああああああああっ!! つめたい!! こりゃつめたくちぇゆっくいできにゃいんだじぇっ!!」 ゆっくりの洋服を重ね着している母れいむはともかく、子まりさには、あんよから直に伝わる雪の冷たさがきつかった。 「ゆえええええん!! やめでにぇ! まりさにいじわりゅしにゃいでほしいんだじぇっ!!」 「おちびちゃん! れいむの可愛いおちびちゃん! おかあさんのお口の中でゆっくりしようね! お外はまだゆっくりできなかったね! おうちでゆっくりしようね!」 雪の冷たさに泣き出してしまった子まりさ、母れいむは子まりさを慌てて口の中に収納し、おうちへと戻ろうとした。その時だった。 「おおいなる捕食者、すぱいや~まっ!」 上方から一匹のゆっくりが子まりさ目掛けて飛びかかってきた。金髪に黒いリボンをした、牙の鋭いゆっくり、やまめである。洞窟入り口に生えている低木に隠れていたのだろう。一時的とは言え、この暖かい風によって、活動を開始したのはれいむ達だけではなかったのだ。 「情け容赦のないゆっくり、すぱいや~ま!」 「ゆんやぁぁぁぁぁっ!! まりじゃをはなじでぇぇぇぇっ!! まりじゃはかわいいんだよ! たべちゃだめなんだゆぶっ!?」 やまめは瞬く間に子まりさを口にくわえると、がぶりと一噛みした。牙から麻痺毒が注入され、子まりさが痙攣を始める。 「ゆ゛っ……ゆ゛……」 「さらだばー!」 やまめは子まりさを捕まえると、素早い動きで低木の茂みに飛び込み、逃亡をはかった。 「れいむのっ!! れいむの可愛いおちびちゃんをがえぜぇぇぇぇぇ!!」 れいむは全力で体当たりをしかけた。れいむはいろいろと問題あるが、その母性とおうちの管理は本物、そうまりさが評価した母性の力が闘争心へと昇華されたのだ。 「ゆびゃあっ!?」 「れいむのおちびちゃんっ!!」 やまめはそのまま、雪へと叩きつけられた。次に、まだ切り離していなかった尻から伸びる糸の弾力によって、バンジージャンプのように枝へと戻り、全身をしたたかに打った。子まりさは放り出され、それをれいむがもみあげでダイビングキャッチする。 れいむはゆ、ゆ、と痙攣する子まりさをそっと雪の上に下ろすと、やまめをにらみつけた。 「れいむのかわいいおちびちゃんを殺そうとするなんてゲスはせいっさいっだよ!! あまあまを持ってきてね、持ってきたらせいっさいっするよっ!! 持ってこないなら、せいっさいっするよっ!!」 「!!」 やまめは自分で糸を切り、雪の上に柔らかく着地した。 やまめの目がさっきまでの、ゆっくり特有ののほほんとしたものから、ギラリと輝く野生のそれへと変わる。ゆっくりを麻痺させられる毒牙を持つ捕食種やまめと、冬眠中の充実した生活によって、立派な体格を得るに至ったれいむ、いずれにしろ次の攻撃が生死をわけることになると瞬時に理解したのだ。そして、逃走という選択肢は、今この二匹にはなかった。 「れいむのらいおんさんもしーしーちびるタックルで、ゆっくりじねぇぇぇぇぇぇっ!!」 先に飛び掛ったのはれいむだった。 「決して逃げない、勇気あるゆっくり! すぱいやーまっ!!」 やまめは尻から糸を飛ばす。 「ゆげぇっ!?」 糸はれいむの髪に付着した。やまめは飛び上がり、糸の反動の突進してきたれいむの動きによって、その背後へと回り込む。 「ゆっぎゃあああああああああああああっ!!」 ぶすり、という音と共にれいむの背中に激痛が走った。 「やべでねっ!! なにじでるのっ!! れいむの世界がうらやむ美肌に傷つけないでねっ!!」 背中が熱くなり、何かが体内に入ってくるのが感じられた。毒をれいむに注入しているのだろう。れいむは恐怖で真っ青になったが、子まりさのことも、生き残ることも、ゆっくりすることも、何一つあきらめてはいなかった。 「れいむをゆっぐりざぜないげずはじねぇぇぇぇぇっ!!!」 やまめごと背中を全力で近くの木に叩きつける。 「やばっ……め……」 れいむの肥えた体と木にサンドイッチされたやまめは、生キャラメルを吐き出し、れいむの背中から剥がれる様にして雪上に倒れた。その両目は圧迫によりつぶれ、体も歪にひしゃげている。 「おおいなる力には……おおいなるゆっくりが……」 「ゆっぐりじないでじね!」 そして、飛び上がったれいむによってのしかかられ、やまめは永遠にゆっくりした。雪上には、茶色い染みだけが残った。 「おちびちゃん! しっかりしてね! れいむのかわいいおちびちゃん! ゆっくり! ゆっくり!」 母れいむは、自身の背中の怪我のことも忘れ、必死に子まりさをぺ~ろぺ~ろした。 「ゆ゛……ゆ゛……」 だが、子まりさは相変わらず、痙攣するだけだった。 結局、母れいむも子まりさも、初めての銀世界をゆっくり鑑賞する間もなく、洞窟へと撤退していった。母れいむが内心期待していた、新鮮なご飯さんはお預けとなった。 母れいむは子まりさをおうちに置くと、そのまま食糧備蓄庫へと跳ねて行った。とにかく子まりさに栄養をつけさせて、ゆっくりさせないといけない。途中、この群れの変態てんことすれ違う。 「ゆ! てんこも起きたの? ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり~……ちょっとお散歩してたんだけど……てんこは寝なおすわ……ふぁあ……」 まだまだこの群れのゆっくり達は冬眠しなければならないらしい。冬眠も終わりが近づいてきたのか、ぼちぼち、巣内をうろつくゆっくりの姿を目撃するようになってきた。だが、相変わらずみんなすぐ眠り直してしまうため、挨拶以上の交流はなかった。 「ゆぅ~……もうご飯さん随分減ってきちゃったよ……これじゃあ全然ゆっくりできないよ……みんなまだ、起きて狩りに行かないなんて……ゆっくりしすぎだよぉ……」 れいむは食糧備蓄庫をのぞきながら、ぶつぶつと身勝手な不平を漏らした。もちろん、本気でみんなが自分のために狩りに行ってくれるなどと信じてはいなかったが、楽な状態で食糧とおちびちゃんに恵まれたことで、れいむの心は、その下腹のように弛んで来ていた。 それでも、可愛いおちびちゃんのため、生死の境をさまよっている子まりさのために、れいむは必死に備蓄庫の食糧からゆっくりしたご飯さんを探し出す。 甘い味がする干した果実の類は真っ先に食べつくしてしまった。比較的食べやすかったどんぐりや、滋味溢れるミノムシ、食べなれた味である干した海藻ももうほとんどない。 残っている食料は、味は悪くないが、堅くて割るのが難しいオニグルミ、群れのゆっくりが人間の町から拾って来た安物ゆっくりフード(パサパサしていてまずい)、そしてれいむには食べ方がさっぱり分からないトドマツの球果…… 備蓄庫の一角には枯れ木の破片が積み重ねられていた。ここのゆっくりはこんな、ゆっくりできなさそうなものまでむ~しゃむ~しゃするのだろうか? れいむはそう思ったが、さすがに枯れ木までむ~しゃむ~しゃしてみる気にはなれなかった。 仕方なく、食べやすそうなゆっくりフードをたくさん、面倒くさそうなオニグルミを少しだけ持ち帰ることにした。ふと、れいむは備蓄庫の隅に注意を向けた。今まで、どんぐりやら干したヤマブドウやらにばかり意識が行って気がつかなかったが、備蓄庫の隅、少しだけ日が当たるところに数匹のゆっくりがいた。 「ゆゆ? ゆっくりしていって……ゆぅ?」 変なゆっくりだった。緑色の髪のそのゆっくりは静かに眠っているようだ。洞窟内の小さな凸凹にすっぽり収まるようにして、体を固定している。まるで動く気配がなかった。 それは、冬眠する前にまりさが見たゆっくり、きすめだった。 ふと、れいむは番であったまりさから聞いた話を思い出した。確か、このゆっくりは、この群れで守り、世話をする代わりにご飯さんを提供してくれるのだと。そして、それはこの髪であると。 「ゆ? ゆっくりしていってね、れいむ! きすめはきすめだよっ!」 近づいたことで、きすめはれいむに気がついたようだった。 「ゆっくりしていってね! きすめはれいむをゆっくりさせてくれると聞いたよ! れいむはご飯さんに困ってるよ! ゆっくりしないで助けてね!」 きすめは困惑したような表情をした。 このきすめ達は、非常時、特に越冬後、まだ春が来たばかりで食糧が十分に確保できない時のご飯さんとして、その髪を提供する代わりに、せっせと群れのゆっくりに面倒を見てもらってきた。だから、髪をご飯さんとして提供するのは承知の上だが、去年よりもその時期が早いように感じたのだ。だが、約束は約束、それに髪は一定量残してもらえば、また光合成によって栄養を蓄え、生やすことが出来る。 「ゆっくり分かったよ! でもあんまりたくさん持っていかないでね! ちょっとだよ! ちょっとでもきすめの髪さんは栄養満点だからね!」 「大丈夫だよ、れいむはちょっとしかもらわないよ、でもおちびちゃんの分もちょっともらってくね! ゆっくり我慢してね!」 そう言うと、れいむはぶちぶちと、きすめの緑色の髪をすべて毟り取ってしまった。成体になってからは、固着生活がメインとなるきすめは、逃げることも抵抗することもできなかった。れいむにしてみれば、ちょっとしかもらっていない。おちびちゃん一人につき、ちょっとずつなのだ。 「ゆぎゃあああああああああっ!! どおじでぜんぶむしっじゃうのぉぉぉぉぉっ!!!」 きすめは葉緑体を髪に持ち、そこで養分を生産して、それを消化吸収することで生きている。そのため、葉緑体を十分に蓄えた成体ならば、水と空気さえあれば生きていけるのだ。また、髪で生産される養分が少なければ、木の実や虫などをむ~しゃむ~しゃをすることも可能である。葉緑体はあくまで植物から盗み、利用するものであって、基本は生産者ではなく、消費者なのだ。 だが、髪を一度に大量に奪われては、自身の必要とする栄養をまかなうことができず、髪の再生に養分を回すことができない。さらに、今は冬で外にも出れない上、出れたとしてもきすめの鈍重な移動能力では捕食種にあっという間にやられてしまうだろう。自力でのご飯さんの確保は不可能に近い。このままきすめが生き延びるためには、食糧備蓄庫にあるご飯さんをむ~しゃむ~しゃするしかなかった。 「きすめ、ゆっくりありがとう! 抵抗があるけど、とにかくむ~しゃむ~しゃしてみるよ! む~しゃむ~しゃ……」 母れいむは、毒見もかねて、まず自分できすめの髪を食べてみた。 「ゆ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛、ぎずめのがみざんがぁぁぁぁぁっ!!!」 「……すぃぃあわせぇぇぇっ!!」 れいむは数ヶ月ぶりに食べる瑞々しい緑の味に感動した。葉緑体に富んだきすめの髪の味は、新鮮な水に洗われた草を食べているような感覚を与えてくれたのだ。 「む~しゃむ~しゃ! きすめはとってもゆっくりできるね!!」 「がえぜえええええっ!! ちょっとでもがみざんがえぜえええええっ!!」 母れいむは、久々の新鮮な味に感動し、ついついきすめの髪を平らげてしまった。これではおちびちゃんに与える分がない。 「おちびちゃんの分がないよ! これじゃあ、ゆっくりできないよ!!……こっちのきすめの髪さんももらうね! れいむのおちびちゃんをゆっくりさせてね!」 「やべでぇぇぇぇぇっ!! ぐるなぁぁぁぁっ!! ごっちにぐるなぁぁぁぁぁっ!!」 こうして、備蓄庫にいたきすめ種は数日間のうちに全ての髪を毟り取られてしまった。ある個体はショックと栄養不足によって餓死し、またある個体は、必死に食糧備蓄庫内の食糧を食べることでその命をつなごうとした。 れいむがきすめを絶望のどん底に叩き落していた頃、巣内の異変に気がついたゆっくりがいた。 「わふぅ? なんでしょう……ゆっくりできない臭いがします……」 長のもみじである。ゆっくりの中には、特定の感覚を発達させたものがいる。例えば夜行性のれみりゃやふらんは夜間視力に優れ、うどんげは夜間の視力を発達した聴力(長い耳は触覚にもなっているという説もある)で補うことで解決している。さなえ種は空気中の水分から天候の変化を敏感に感じ取り、すわこ種も同様の能力によって、雨を予報するという民話が伝わっている。 このもみじ種の場合、最大の武器はその嗅覚である。 経験を積んだもみじ種は、相手の体やうんうんしーしーの臭いの違いから、相手を特定したり、相手の属する群れを判別するくらいのことはできるようになる。一部の駆除業者やゆっくり関連の大学研究室では、ゆっくりを追跡する補佐役として採用されていることもあるという。 また本来なら、低温に曝されてすぐ眠り直すところだが、今日は比較的気温が高かった。おうちの中の食糧をおなか一杯になるまでむ~しゃむ~しゃし、もみじは、少し行動するくらいの余裕はあると判断した。 「誰かが……ぐちゃぐちゃになった臭いがします……いや、たく……さん?」 もみじの嗅覚が探り当てたのは、冬眠中にれいむにすいっみんっかんされて永遠にゆっくりしたゆっくり達、そこから生まれてすぐに永遠にゆっくりした赤ゆっくり達、そして復讐を挑んで潰されたさなえの死臭だった。 ゆっくりの死臭はいつまでも落ちずに残っているようなものではない。所詮は化学物質、環境にもよるが、最長でも一ヶ月も経てば、たいていのゆっくりの嗅覚では検出不可能なレベルにまで死臭は低下するのだ。 しかし、もみじの嗅覚は「たいていのゆっくり」には当てはまらなかった。学習済みの臭いの探知、臭いによるゆっくりの個体識別や群れの行動範囲の推定といった能力では、もみじに並ぶゆっくりはいなかった。 「……ああ、みょん!……どうして、どうしてこんなことにっ!!」 臭いの先にあったのは、みょんの死体だった。洞窟内に棲息する微小昆虫や細菌の類に分解されたのだろう。最早、汚れたお飾りと皮の一部しか残っていない。だが、その臭いで、もみじはそれがみょんであることにすぐ気がついた。 「一体なんで……ゆっくり冬眠していた間に敵が来たのでしょうか?」 もみじは敵となるゆっくりに心当たりがなかった。あるとすればむらさだろうが、冬にこんな内陸まで来る種ではない。 皆が冬眠している冬の間に活動するとなると、飼いゆっくりか、その成れの果ての野良だろうか? 彼らは飼育に適した性質を生み出し、保持するために、かなり品種改良が進んでおり、餡統によっては野生種からまったく別の性質を持つに至ったものも存在する。無論、飼育条件下にあっては、冬眠など不要な能力であり、また、遺餡子には冬眠能力がしっかりと刻み込まれていても、外部より安定して温暖な室内環境では、冬眠のスイッチが入らないという。 赤ゆっくりのお飾りもあったことから、すっきりさせられて永遠にゆっくりしたことが見て取れた。もみじは心を痛めながらも捜索を続け、次々とゆっくりの死体、あるいは死体だったものを見つけていった。 「これは……みょんと番だったさなえですね!……さなえもとってもゆっくりしていたのに、どうして……?」 そして、もみじの嗅覚はしっかりと嗅ぎ取っていた。大半の死臭にセットになって臭って来る、とある臭いを。それはどこかで嗅いだことのある臭いだった。この群れの構成員とは、少し違う系統の臭いであった。 「すんすん……なんでしょう……この臭い、嗅いだ覚えが……すんすん……まさかこれは……」 この群れの構成員とは異なりながらも、嗅いだことのある臭い。答えはすぐに見つかった。これは、あの南の島から来たまりさとれいむに共通する臭いだった。 あの二匹と過ごした時間はまだ短いため、この臭いがまりさとれいむどちらのものか、その決定には迷いがあったが、少なくとも群れの内部には他に該当者がいなかった。そして、洞窟のあちこちに乾いたうんうんがあることから、二匹の臭いであることを確信した。 あの二匹、もしくは片方が、みんなが冬眠している間にこの洞窟で活発に活動し、みょんやさなえの死に何らかの形で関わっている……? 「一体……どうして……?」 もみじはなぜこんなことになっているのかまでは、さすがに分からなかった。なぜ、みんなが冬眠する季節に、あの二匹だけ活発に活動できたのか、分からなかった。 とにかく、幹部を集めて、南の島から来たまりさとれいむに聞かなければならない。この洞窟で何が起こっていたのかを。 「わふ……でももう……ふぁあ……」 時間は夕方だった。再び気温が低下し、もみじの体を否応なしに冬眠モードへと連れ去ろうとする。冬眠するゆっくりは、冬眠を呼び込むこの体のシステムには逆らうことが出来なかった。 人間で言えば睡眠薬を飲んでしまったようなものだ。まだ眠っているゆっくり達に危険を警告したかったが、もはや意識が混濁し始めており、それすら不可能だった。 もみじはとりあえず寝ることにした。嫌でも眠らなければならなかった。簡単におうちに侵入できないよう、尖がった石を幾つか並べ、ベッドで尻尾を抱えるようにして丸くなった。友達だったはずのまりさとの語らいを思い出しながら。 つづく 作:神奈子さまの一信徒
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どうすればいいのだろう 作、 茄子 まりさは苦悩していた。それは 『赤ん坊』だ、親を馬鹿にしているのだろうか 自分のいうことをまっったく聞かない どうすればいいんだろう、れいむも話を聞かないし… 「いい!?おとうさんのまねをしてするんだよ!みてて!」 そう言って親まりさは肛門を地面に触れるか触れないぐらいに 近づけて、『うんうん』をした、これが正しい『うんうん』の仕方 「おとーしゃん…なにうんうんしてるの?ばきゃにゃにょ? こどみょにきょうもんみしぇてはずかしきゅにゃいにょ? しゅーちぷれいにゃにょ?」 「みょういいよみゃりしゃ、うんうんとうちゃんはほっといて ごはんしゃんをたべようよ」 「…ッ!!」 これだ、こうやって親の話を聞かないのが悩みなのだ しかも妻のれいむは… 「さっさとかりへいってこいッ!!!」 どうすればいいんだろう… 「ごはんしゃんもたべたしうんうんしゃんをしゅりゅよ!!」 「しゅりゅよ!!」 果たしてちゃんとできるのか親まりさはどきどきして見守りました 「うんうんしゅりゅよーーーっ!」 赤まりさはひっくりかえりながらうんうんをしました 案の定顔にうんうんが付きました 「ゆっぴゃあああ!!くしゃいいいい!!!」 隣では赤れいむがうんうんにはまっていました、 どうして… 「うんうんくしゃいいいい!!!!」 「ゆぴゃあああああああああ!!!」 「しょうがないね、ちゃんとまりさのを見てなかったから こうなったんだよ!!」 そう言って親まりさは赤ゆ供をぺーろぺろしました 所が、 「なにきょどものうんうんしゃんにゃめてりゅの?」 「しょんにゃにりぇいむのうんうんしゃんにゃめたいの?」 「ッ!!」 さすがに親まりさも堪忍袋の緒が切れたようです 刹那、親まりさが赤ゆを突き飛ばしました、 「「ゆっぴゃああああああ!!!」」 「にゃにしゅりゅにょおおおおお!!!」 「しどうだよ!おやとしての!!!」 「ふざけるなあああああああああアッ!!!」 なんと親れいむが親まりさに向かって タックルをしたのです 「ゆべえええええええええ!!!!」 「なにがしどうだよ!!このこたちは こどもなんだよっ!!おやなんだから なんだっておしえなきゃいけないんだよっ!! じっくりじっくりとね!!! まったくこれだからまりさはだめなんだよ! かりしかのうがないくせに!!! だめおや!ぎゃくたいちゅう!! このくそあんっこさんがああああああああああ!!!」 すると、まりさの頭の中で何かが 『はじけました』 なやむ?どうすればいい? そんなのかいけつするのはかんたんだ それはっ… 「ゆっぎゃああああああッ!!!!」 「れいむがいけないんだよ!!!」 まりさは帽子に隠していた『棒』を れいむに突き刺しました 「いだいッ!!はなぜっ!!!」 「ゆははははははハッ!!!」 まりさは口を一の字に振りました するとどうでしょう、 綺麗にれいむの体が一の字切れたではありませんか 「ゆぎゃああああああああッ!! くそでぃーぶいがああああ!!!」 「くるしまくるしめくるしメッ!!!!」 まりさは踊っていました、れいむも踊っていました それは『死の踊り』あんこが飛び散る、踊りッ!!! 「ゆはー…ゆはー…」 「…………」 ペースト状になったまりさはものすごい快感におぼれました それはカタルシス、あぁ、また味わいたい、 まりさは後ろを向きました、そこには おびえている2匹の子供、 「おちびちゃん…」 「「っぴぃッ!?」」 赤まりさのはらからちーちーがでてきた 「おもらししちゃだめだよぉ 『掃除』しなきゃねッ!!」 親まりさは赤まりさの髪をくわえて ちーちーした場所に叩きつけました 「こうやってッ…そうじッ…するんだよッ!!!」 親まりさは赤まりさを地面に8の字の形に 擦り付けてました、 「ゆぴゃあッ!!やべッ!!やべでッ!!」 「だめだよ!じぶんがしたことは じぶんでかたづけなきゃねっ!!!!」 ぶちゅ… 「あはははっはああああああああ!!!」 又、この世のものとは思えない快感に 酔うまりさ、 解釈 きゅりゅってるよ!? (くるってるよ!?) にゃんであのばきゃおやはみんにゃを (なんであのばかおやはみんなを) きょりょしたにょ!?つぎはりぇいむのばん? (ころしたの!?つぎはれいむのばん?) きょろしゃりぇるの?あのばきゃに!? (ころされるの?あのばかに!?) その時、赤れいむは思い出した 親まりさの後ろからタックルして ぼろぼろにしたことを… しょうだ…りぇいむはあいつに (そうだ…れいむはあいつに) あんなきずをおわしぇたんだ!! (あんなきずをおわせたんだ!!) ほんきでやりぇばきゃてる!!! (ほんきでやればかてる!!!) 正直都合のいい妄想ですけどね まだ、まりさは快感の余韻に 浸っている、 赤れいむはまりさの後ろに回り… タックルッ!!!!! 「ゆふん!!りぇいむのすとろんぐたっくる!! いたしゅぎてちにぇ!!!!」 「…にげればいいものを…ほんとばかだね」 「ゆ?」 ビリリッ!!! 赤れいむの自慢の髪飾りが破れた いや、破かれた、まりさは、知能を得たのだ、 『ゆっくりを殺す知能!苦しませて殺す知能!』 「ゆわあああああ!!りぇいむのじみゃんの きゃみかじゃりいいいいいい!!!!!」 「ゆふふふ…もっと苦しませて、殺してあげるよ!」 知能も得たのだ ぶちゅ しゅみましぇん ぐちゅ やめて ゆるちて どちゅ ゆっぴゃあああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああ あああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「まだ、味わいたいこの感覚に」 まりさは群れへいどうしていったのだ
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『逃げこんできたゆっくり親子』 28KB 虐待 制裁 観察 誤解 飾り お家宣言 家族崩壊 同族殺し 番い 赤ゆ 現代 虐待人間 比較的普通な虐待をと思って書きました 初投稿です。 逃げこんできたゆっくり親子 薄くなっていたはずの意識が、引き戻されてくる。 目が冴えてきてしまっている。 今の時間は深夜。 今日はいまいち寝つきが悪く、それでも今やっと眠れそうになったところだった。 だがそこに何やら不審な音が聞こえ、驚きとわずかな恐怖で目が覚めてしまったのだ。 窓を叩くような音。 隣の居間だ。最も、この狭いアパートでは、部屋という部屋はこの寝室とその居間くらいなのだが。 俺の安眠を妨げるのは一体何者だと、わずかに夢心地に入って朦朧とした意識により、怒りだけ駆られて跳ね起きる。 戸を引いて居間に入り掃き出し窓の外を見てみると、外のわずかな光に照らされたそこには、ゆっくりれいむの親子の姿があった。 どちらもれいむ種の、親一匹子一匹。 やたら切羽詰まった表情で思いっきり窓への体当たりを繰り返しているので、とっとと開けることにする。 いくらゆっくりでも、壊されるのではと少し怖くなったのだ。 俺が窓を開けると二匹は素早く部屋に滑り込んで来て、親れいむが叫ぶ。 「ほら、はやくしめてね! れみりゃがきちゃうよ!」 ふむ。なるほど、こいつらは追われて焦っていたということか。 外を見てみると我らアパート住民の庭に、街灯に背を照らされた胴つきれみりゃらしき影が、やたらよたよたしながら入ってくるのが見えた。 ただのゆっくりに逃げられる要領の悪さが、シルエットだけでも窺える。 ちなみにその庭部分は、手を伸ばせば隣の塀に届きそうなほど狭い。 我が家が惨劇の舞台になっても困るので、一応窓を閉めてやることにする。 振り返ると薄汚れたれいむ親子がこちらを見ていた。 「ありがとうございますう! たすかりましたあ!」 「ゆ、ゆ、ゆーぅ」 赤ゆの方は既に疲れきっているのか、ふらふらだ。 こちらは無理に起こされたところだというのにな。 「あのれみりゃから逃げてきたのか?」 「そうですぅぅ、まりさともはぐれちゃって……」 「大変だな。そいつはもう食べられちゃったのかね」 「ゆぐ……と、とにかく、れみりゃがいるおそとにはでられないです! どうかここにとめてください!」 「えー……?」 小汚いこんなやつらを泊めてやるのなんて、正直ごめんだ。 明かりが少ない状況だが、こいつらが例にもれず汚いことはよく分かる。 が、これ以上面倒なことを起こしたくもなかった。 追い出そうとすればうるさいだろうし、れみりゃとて決して静かなやつでもないだろう。 なんといっても今は早く寝たいのだ。 親子にそこまでゲスな雰囲気は見てとれないし、一晩できちんと追い出せばいいだろう。 そう思って俺は親子を泊めることを許した。 「ゆん! よかったあ、ありがとう!」 親れいむの一応の感謝が、右耳から左耳に抜けていく。 飲み物を箱買いしたときの段ボールに新聞を敷いてスペースを作ってやり、そこにのせる。 一応そこから出ないよう言って聞かせ、俺は寝室に戻った。 せめて今からでも安眠を迎えたい。 翌朝、俺はまたも音によって意識を覚醒させられることとなった。 目覚まし時計をセットしていたわけではない。 全く夜も朝も無理に起こされるなんてついてないなー、なんて思っている場合では無かった。 俺の耳に飛び込んできたのは昨日とは比べ物にならないとんでもなく大きな音だったのだから。 昨晩以上に体に力を込めて跳ね起き、居間への戸を叩きつけるように開いた。 そこに広がっていたのは昨日とは違う居間の光景だった。 見事に荒らされ散乱とした部屋。 どシンプルな三段の小さいキャビネットは引き出しを引かれ、中のものを掘り返されている。 なにに使う訳でも無い折り畳みナイフに、昨日駅前でもらったゆっくり保護団体のチラシ等々。確かにきちんとしまっていたはずのものは今は無造作に放り出されている。 そして、あまり物を置いていなかったスチールラックが引き倒されている。先程の音の主はこれらしい。物をのせ無さ過ぎて不安定だったのかもしれない。 そばには、それに乗せていたはずのゆっくりみょんをかたどった、陶器の小物入れが落ちて割れていた。 なかなか気にいっていたのだが、置くところが高すぎたか。 俺にとってこれは惨劇だ。結局この部屋で、起こってしまったわけだ。 基本的に大したものは置いていないので被害はそれなり。だが、これを片づけることを思わされると気が重い。 そして何より、ここまで触れてきていないがこれらを引き起こしたその原因。 いや、それはもはや考えるまでもない。 やはり昨日無理をしてでも追い出してれみりゃに捧げてやればよかったのだ。 まさか、一晩で評価をひっくり返すことになろうとは。 そうその原因は、やはりと言うべきか。……ゆっくり親子だった。 「あ、にんげんさん」 こちらを見つけ浮かべる笑みに嘲りを感じた。 そんなつもりはないだろうなとも思う。 「にんげんしゃん! あみゃあみゃちょーだいにぇ!」 足元から赤ゆの声がする。 こんなことをして、なぜ平気な顔でいられるのだろう。 そこまでこいつらはどうしようもない生物か。 「にんげんさん、ここはれいむのものだよ! さっきにんげんさんがくるまえにせんげんしたからね!」 「しょうなんぢゃよ! ゆっくちりかいしちぇね!」 なんだそりゃ。 ここは俺の家だって、流石のこいつらにも分かっているはずなのに。 「ゆゆ~ん、にんげんさんはじぶんのおうちにもどってね! こっちにくるならあまあまちょうだいね! たくさんでいいよ!」 ちら、と俺が出てきた寝室を見ながら言うれいむ。 どうやらこの部屋をもらったと、そう言いたいらしい。 「これ、お前らがやったのか?」 「ゆ? そうだよ! あまあまさがしだよ! なかったけどね! どこにかくしたのか、おしえてくれてもいいよ!」 眠りに落ちるのを邪魔され、れみりゃから助けてやって、更に一晩泊めてまでやった。 その見返りがこれとは。今まで冷静を保っていたはずの俺の心に、怒りが沸き起こるのをここにきて感じた。 後押ししてくれるこの感情。 これに任せよう。平気で恩を仇で返すこんなやつらに、遠慮してやる道理がどこにある。 気付くと俺は親れいむを蹴りあげていた。 白い壁にぶつかるれいむ。 「ゆ……! び……! ゆうっ、ゆうんやあああぁぁぁ!! いだいいいいぃぃぃ!! いだいよおおおぉぉ!」 「お、お、おかーしゃ……! くしょにんげん! おかーしゃになにしゅる……ゆぴ!」 飛びついてきた赤ゆを、傷つけない程度に軽く蹴り上げる。 脆い方は扱いづらいな。 「おしょらをとん……ゆぺ」 定型句を唱えかけてから地面に落ちる赤れいむ。 「そんなに強く蹴ってないって……お前のかーさん根性ないな」 そう言ってやってから親れいむに近づく。 「ゆぴぃ……! あやばり! あやばりばず! あやばりばずからぼうげらだいで!」 早くも白旗を上げるとは、やりがいのない奴だ。 だがこんな程度で腹の虫がおさまるわけがない。 れいむを両手で挟みこむようにもちあげ、一言投げかける。 「そんなの聞けないなー。なんでこんなことしたのかねぇ……」 「ゆあ……、と、とってもゆっくりしてるばしょだとおもってぇ……。 それにおきたらだれもいなかったから……ゆぎ! ゆぐ!」 挟んだ手で、れいむをねじり上げる。 ルービックキューブを捻るようにだ。 これで理由になると思っているのだろうか。おめでたいな。 これが人間だったら、別に真意でもあったのだろうか。 等と思ってから人間ならこんなことはしないな、と自分で突っ込みを入れる。 結局、昨晩の判断は間違っていたのだ。善良だと思ったのは何かの間違い。 疲れていてゲスな部分を出す余裕がなかったのかもしれない。 もしかすると寝ぼけた俺がそういう部分を見逃しただけなのかもしれない。 結局は見抜けなかった俺も悪いのだろうか。 そう思うとどこか少し冷静になった。 だがそんなことで許せるのか。許せるはずがない。 こいつらは俺に恩義を感じこそすれ、こんな目にあわせる理由はないはずなのだ。 そしてあまつさえこんな風に責任を感じさせてまでいるのだ。 そう思うと、強い苛立ちが沸き起こるのを感じた。 「ゆぎ! ゆぎ! いだいいいぃぃ……!」 「おかーしゃぁ……」 れいむを持つ手に力が入りかける。だがこんなことで潰してしまっては仕方ない。部屋も余計に汚れてしまう。 なんとか、最低限の痛みを感じてくれる程度におさめる。 そしてすぐに軽い捻りの限界に達したらしく、これ以上は動かなくなる。 まあ、いい。とりあえずこれはやめよう。正直ただ蹴る方がすかっとする。 手を離し、れいむが落ちる。成体なら人間の手元から落ちても案外平気だ。 「ゆっ! うぇっ……! ちょっと! きゅうにおとさないでね!」 次は赤ゆだ。 親れいむを足で押しのけて赤ゆに手を伸ばす。 一度逃げられるも、赤ゆの速度では大したことはない。きちんと捕まえ手のひらの上に載せる。 「ゆゆーん、れいみゅはとりしゃんー!」 すると母性に訴えかけられたか、怯えて固まっていた親れいむが声を上げる。 「ゆ! おちびちゃんはやめてあげてね! れいむのおちびちゃんなんだよ!」 だからなんだっていうんだ。 逐一イライラさせられる。こいつらはいらつかせる精神攻撃が得意技なのだろうか。 「それで? だからなんだって?」 「ゆ!? おちびちゃんはとってもゆっくりしてるんだよ! ほらよくみてね! ゆっくりしてるでしょ! ね!」 たしかにとってもゆっくりだ。 今見るとどうしようもなくいらつく、それはそれはとってもゆっくりな顔をしている小さな饅頭。 「ゆ?」と呟く赤ゆの顔に、もはや無意識でデコピンをお見舞いする。 「いぢゃいいいぃぃぃぃ!! なにじゅるのおおぉ! ゆうううぅぅぅ!」 「おちびちゃあぁん! ゆぐぅ! くそじじい! おちびちゃんをかえしてね!」 足元にぶつかってくる親れいむ。 ゆっくりってやつは柔らかい。正直痛くも痒くもなかった。 「れいみゅぷきゅーしゅるよ! ぷっきゅうううぅぅぅ!!」 「せいっさい!するよ! くそじじいはしんでね! すぐでいいよ!」 無駄な反抗を見せる二匹 それではと、親れいむに赤ゆをとり返すチャンスをやることにする。 散らかった部屋に転がっていた折り畳みナイフを拾い、ひろげる。 親れいむに見せて言ってやる。 「おいれいむ……、これみえるか?」 「ゆ! なんだくそじじい! みえるよ! ばかにしないでね! で、なにそれ! あまあま!?」 「これはナイフって言ってな。物に当てるとよく切れるんだ」 「ぷきゅううううぅぅぅ!」 ぎらつくナイフを親れいむによく見せてやる。 「ないふ? きれるのはゆっくりできないよ!」 さっきまで怒っていたのに、なかなか素直だ。 馬鹿なのは、使いやすいという利点をもっているというわけか。 「お前の体で試してやろうか?」 「ゆ!? い、いいよ! ないふさんはすーぱすーぱさんだね! れいむわかったからきるひつようないよ!」 「ぷぅー、きゅううううぅぅ!」 「じゃあおちびで試そう」 話題に出されて、手のひらの上で必死に膨らんでいた赤ゆが反応した。 「ゆぴ!?」 その顔には恐怖が浮かんでいる。 うむ、気分が良いってことはないがこの顔ならイライラはしないで済むな。 「ゆああああぁぁぁ!? どぼじでそんなごというのおおおぉぉぉ!!」 「嫌か?」 「ゆ! いや! いやじゃよ! れいみゅすーぱすーぱさんいやじゃよおおぉ!!」 「おちびちゃんいやがってるでしょおおぉ!! だめだよおおぉぉぉ!!」 否定の色を強く表わし訴える二匹。 そんなことを言える立場じゃないと分からせてやることすら、難しいようだ。 「じゃあお前がかわるか?」 「どぼじでぞうなるのぉ!」 「お前がやったらおちびを切ったりはしないし、ちゃんと降ろしてやろうかなって思ってるんだけどなー」 「ゆ!?」 「ほ、ほんとうに……?」 「うん、約束は破らないさ」 そんなんじゃ、恩も返せないこいつらと一緒になってしまうからな。 「ゆぐぅ……」 「おかーしゃ……」 俯いて考え始めるれいむ。 自分の体が裂かれるのとおちびちゃんのどっちが大事か、もはや逆に及びもつかないほどの単純思考っぷりでじっくりと考えているんだろう。 「ゆ……わかったよ。れいむはどうなってもいいからおちびちゃんをはなしてね!」 手のひらのおちびが安堵の息を洩らすが、すぐに気付いて親に心配そうなまなざしを向ける。自分の安易さに気付き、親の運命を憂いているといったところか。 さて、よく選んだ。 そうでなくちゃ困る。おちびを見捨てられたりしたら、あとはもう単純に痛めつけるしか手段が無くなってしまうのだから。 「よし、じゃあ……持っておいてやるからお前が自分で体当てて切れ」 「ゆ」 「ゆぴ!? お、おかーしゃ……!」 少し屈んで、ナイフを床に立てるようにして抑えてやる。もちろんおちびを持った手は、高く掲げて降りられないようにしておく。 ナイフには角度を付けておいてやろう。自ら飛び込みやすいように。 「さ、どうした?」 れいむはどうやら予想外だったらしく、その場で硬直する。 俺は切れ味を試すと言っただけで、直々に刻んでやるなんて言った覚えはないのだが。 なんといっても両手がふさがっているのだ。是非協力して貰わなくては。 「……りです……。」 親れいむがぼそりと呟く。 「ん? なに?」 聞き返すと、俺の顔を見上げ口を開いた。 「むりです……!」 「なにがー?」 「むりいいぃ! むりですう! じぶんからいたいいたいはむりですうぅぅ!」 「ゆ!?」 「そっか……。じゃあ仕方ない、おちびだな」 「やべでえぇえ!」 おちびが手のひらの上でびくりとする。 そして俺の方へとゆっくり振り返ってきた。 俺はそんな可哀想なおちびに笑顔を向けてやる。 お前の親が不甲斐ないばっかりにな。 「お、おかーしゃ……」 「やべで! やべでえぇぇぇ! おちびちゃんはまだちっちゃいんですうう!」 立ち上がりナイフを持ち直す。おちびのデコに突きつけ、言う。 「まー、いいや」 「ゆ……?」 「ゆ!!」 「やっぱやめとくか。刃物なんて俺もちょっと危ないしな」 「ゆ、ゆあああぁぁぁ! やっちゃ! たしゅかっちゃよぉぉ!」 「にんげんさんありがとおおぉ! ゆ、ゆ! はやくおちびちゃんをおろしてねぇぇ!!」 なんと勝手な。 それにまさか、自分で言った感謝の言葉まで台無しにするようなことまで言うとは。 「解放してやるとまでは言ってないぞ」 「どぼじでぞんなごというのお!」 「ゆん! もうおかーしゃをいじめないでにぇ! れいみゅもおろしちぇにぇ! しゅぐでいいよ!」 本当に、どうしてこいつらはこうも瞬時に調子に乗れるのだろう。 一度ゆっくりの思考を覗いてみたいものだ。 ナイフをたたんで床に置き、おちびを先程の親れいむと同じ刑に処す。 顔を挟んで持っての雑巾絞りだ。 このサイズでは持つよりつまむという感じだが。 「ゆ……ゆぎ! いぢゃいいいぃぃ! やべでねぇぇ!」 声を上げるが、もちろん続ける。 おちびは柔らかいが小さいので加減が難しい。 こいつならもっと面白い状態になってくれるかと思ったのだが、結局親と同じ程度にしか捻れないようだ。残念ながら。 「ゆぎ、ゆぎぎぎぎぎぎ!」 仕方ないのでひとまず終えてやって離すことにする。 もちろん手のひらの上から降ろすわけではない。 「ゆ……ゆふぅー! みょうおわり? おわり? れいみゅたえちゃよ! ゆっへん!」 「すごいよぉ! おちびちゃあぁん!」 「なんだきゃれいみゅ、みゃえよりふにゃふにゃしゃんになったきがしゅりゅよ! れいみゅは、なめくじしゃん!」 「おちびちゃんよくがんばったねえぇ!」 まったく、俺が加減してやったからだというのに。 こんなことでぎゃあぎゃあと、いちいち面倒な奴らだ。 おちびを褒め尽くしたれいむが今度はこちらをキッと睨みつける。 「いいかげんにしてね! そろそろおちびちゃんをはなしてね!」 まだ言うか。 おちびを軽く痛めつける程度では、堂々巡りにしかならないらしい。 同じことばかりうるさく言われ続けるのは、もう勘弁してほしいところだ。 またしてもイラッとしてしまったので親れいむの顔にもう一度蹴りを入れてやる。 ただし今度はさらに弱め、小突く程度だ。 「ゆちー、なんだきゃやわやわしゃんしゅぎちぇ、れいみゅゆるゆるしゃんだよぉ」 おちびがもはや訳のわからないことを言っている。もうこいつは無視だ。 「ゆぎっ! いだい! ゆんやああぁぁあ!!」 「ゆぅー、うんうんでりゅよ!」 本当に軽くなのに大袈裟にわめく親れいむ。 さっきの一撃を思い出したってだけで叫んでいるのではなかろうか。 ……なに、うんうん? 「うんうんしゅっきりー! ぎゅいぃーでゆるゆるしゃんになっちゃからいっぴゃいでちゃよ!」 ……見ると、おちびが手のひらの上でうんうんをかましてくれていた。 それもきれいに手のひらに収まるように。 黒い餡子の塊が何やら仄かにあったかい。 ああ……なんだか、もういいや。 「……ゆっ! なにしゅるの! れいみゅのおかざりしゃんかえしちぇね!」 おちびを指でおさえ、もう片方の手でリボンを抜きとる。 それをポケットにしまってから、もう一度おちびをしっかりおさえる。 そして、手のひらの上の排泄物をおちびの髪に塗りたくった。 「おかざ……ゆぴぃ! うんうんちゅけないでにぇ!」 それはこっちの台詞だ。 うるさく言ってくるが、もちろんやめてなどやらない。 大方塗り終えると、だいぶ手のひらにも広がってしまっていた。 「おちびちゃんになにじでるのおおおぉぉ!」 「ゆんやああぁ! くちゃいいぃ! ゆぴいいいぃぃぃ!! れいみゅのさらさらかがやくごくじょうっ!のかみしゃんがくちゃいぃぃ!」 うるさく泣きわめくおちびを掃き出し窓から狭い庭部分に放り出し、窓を閉める。 「ゆ!? お、おちびちゃん!」 まず手を洗おう。そしたらもう、いいかげん終わらせてしまうとしよう。 俺ももはや限界だ。しかし何とも屈辱的な方法で本気にさせられてしまったものだ。 おちびの贈り物を洗い落した後、未だ散乱した居間に戻ると親れいむが窓に向かって体当たりしていた。 外から中から、窓がそんなに好きか。と言う冗談は置いといて。 さっきから親れいむの声は部屋に響いていた。 もちろんその目的はただ一つ。おちびの元に行こうと奮闘している、というわけだ。 「おちびちゃん! いまあけてあげるからね! まっててねええぇぇ!」 だが窓は大きな音を立てるばかりで、割れてまではくれない。 俺は足に体当たりされた感触を思い出して、あの力じゃ無理だろうな、と思った。 昨夜のれみりゃは既にいなくなっていて、外には脅威が存在するわけでもなんでもない。 それでも親れいむが必死なのは、さっきのことでおちびちゃんが泣きっぱなしだからだろう。くちゃいくちゃいと。 親れいむを後ろから捕まえ、体当たりを止める。 「なにするくそじじい! おちびちゃんをはやくもどせ!」 「戻す?」 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだっていってるだろおおぉ! はやくもどせ!」 しつこい奴だ。と思って、そういえばまだきちっと否定してやってなかったことを思い出す。 「戻すね……、まあ賛成してもいいな」 ただし言葉尻をとって、の話だが。 「じゃあはやくもどせ! おちびちゃんをもどせ! それからあまあまもってこおおぉい!」 「お前が戻れよ。元の外にさ」 「ゆが!? そんなのおかしいでしょおお!? ここがれいむのゆっくりぷれいすなんだよお!!」 「ここは俺の家なんだよ。この部屋もあっちの部屋も。お前が来るずっと前に人間流のおうち宣言をしてるんだよ」 「ぞんなのじるがああ! いいがらおぢびぢゃんをもどぜ! ばやぐじろおおぉぉ!」 やはり言っても無駄か。 なにも聞かず傲岸不遜を貫き続けるしかない。ある意味一貫しているわけだ。 そんなお前たちを気にいってくれる人の所に飛び込めば、よかったのにな。いればだが。 親れいむのリボンも抜き取り、窓の外に出してやる。 ただしこいつは、おちびより強くだ。真っ直ぐ投げてやると、目の前のコンクリートブロックの塀に潰れるようにぶつかるれいむ。 それでも平気でぼてっと地面に落ち、泣き声を上げてみせるのは流石の丈夫さだ。柔軟性のなせる技だろうか。 俺は先ほどのナイフを持ち、サンダルをつっかけて庭におりる。 素早くおちびに飛びつこうとする親れいむに先んじて手を伸ばし、おちびを持ち上げた。 「さーて、さっきの約束やっぱ守ってもらおうかな」 そう言ってナイフをおちびにあてる。 怯えるおちび。 親れいむは愕然とした表情で固まっていた。 「こいつで切れ味試すって約束だったよな」 親れいむが表情に絶望を交え、悲痛な声をあげる。 「さっきはやめるっでいったでしょ! やべで! やべで! おぢびちゃんをだずげて! ごんどごぞがんばりばすがら!」 「あのな……二度も同じチャンスは訪れないものだよ」 そう言って、ぷるぷる震えるおちびの口にナイフを突っ込む。 深くまで差し込んだナイフで、頬の皮を切り裂く。後頭部近くまで広がる口。 「いぢゅあい! いぢゅぁいゆお……おかーしゃ……ゆぴいいいいぃぃ!」 泣き叫ぶおちびを押さえ込んで反対側も同じようにする。口裂けゆっくりが完成した。 さらに騒ぎ始めるおちびを強く抑え込む。 自分の体なのに騒ぎ過ぎれば餡子が漏れて危ないと分かっていないのか。 餡子が漏れ出さない内に地面に置き、親れいむと再会させてやる。思えば俺に捕まって以来の再会だ。 だが親れいむはそれどころではないのをきちんと弁えているようだ。流石に慎重な姿勢を見せる。 「おちびちゃん! しずかにしてね、あんこさんがもれちゃうよ」 「ゆ……おかしゃ、ゆうぅ……しゃべりにきゅぅいぃぃー!」 「おちびちゃん! しずかにしないとだめだよ!」 おちびを叱り必死にその動きを止めようとする親れいむ。 だがすでに切り口からは餡子が漏れかけている。このままではもっと漏れていくだろう。 だがそれよりもまず、おちびの体はぱかぱかと開いてみせていた。 おちびが喋るのに乗って上顎が持ち上がるのだ。 バランスを崩せば、あの体はすぐ開いてしまうだろう。 おちびはそんな自分の体の状態に困惑しながらも、叫ぶのをやめられない。 親れいむもそんなおちびを見て焦りを募らせ始めたようだ。 「おい、れいむ。おちびちゃんを後ろから支えてやった方がいいぞ」 親れいむに声をかけてやる。 親れいむははっと気づいたようにして、こちらに一瞥をくれることもなくおちびの背後に回る。 「おちびちゃん、おかあさんがささえてあげるからしずかに……ゆ! く、くさっ」 最後にれいむは反射で呟く。 そう、髪にはさっきうんうんを塗りつけたばかり。 つい出てしまった親れいむの小さな声を、おちびは聞き逃さなかった。 大口を開け、とうとう―― 「なにいっちぇるの……! おかーしゃがいけにゃいんでちょ……! おかーしゃがぜん! びゅっ! ……べ……べ」 叫ぶ勢いで上あごがあがりきり、頭が地面に落ちる。 まさにと言うべきか、首の皮一枚で繋がっておちびはゆっくりの開きになってしまった。 「お、おちびちゃああぁん!」 下あごに多くのあんこが残されているのがわかる。 上あごにもいくらか持っていかれているが、下あご部分では餡子がこんもりと山になっていた。 もしかするとあれが中枢餡というやつなのかもしれない。変わった様子はないのでよく分からないが。 下あごの先でずらりと半円状にならんだ歯の真ん中、舌がぴくぴくと痙攣していた。 先っちょは丸められていて、おちびが痛みに耐えているのがうかがえる。おそらく風前の灯だろうが、おちびはまだ生きているようだ。 そしてその身を二つに裂かれた苦しみを味わっているのだろう。 親れいむがもはやどうしていいか分からずに――いや、あれは既におちびを亡くした悲しみを感じているのかもしれない――顔を絶望に固め立ちすくんでいた。 だが、おちびは確かにまだ生きている。 この声が届くかは分からないが、こんな半端で終わらせても仕方ない。仕上げてやらねば。 「おちび、ジャンプしたら戻れるんじゃないか?」 俺の声にピクリと反応する二匹。 親れいむの顔が、本格的に絶望から悲しみへと変わった。 「おちびちゃん! うごいちゃだめ!」 だがおちびは、その台詞とほぼ同時に飛んでしまっていた。 苦しみに支配されたその思考は、きっと究極的に単純だったのだろう。 ジャンプの頂点からの落ち際に、確かに元の体を取り戻すおちび。 疲弊しきって濁った瞳にわずかの希望が浮き上がった。 だがその体はバランスを崩し、顔を地面へと向けてしまう。後ろを気遣いすぎて前に重心が乗っていなかったのだろう。 そしておちびは落ちた。 地面にあんこをはきだし潰れるおちび。今度こそピクリとも動かなくなる。 親れいむはそれをもはや生気のない目で見つめていた。 「あーあ、潰れちゃったな」 俺が言うと、ゆっくりこちらを見上げる親れいむ。 「さて、次はお前かな」 継いだ言葉に震え上がって、恐怖を浮かべた顔をする。 その表情のまま、ずいと前に出て叫び出す。 「ゆるじで! おぢびぢゃんぼばりざぼなぐじで、れいぶかばいぞうなんでずぅ!」 「ふーん、可哀想とは思わないけど……許されたいのか」 「ゆるじでぐだざい!」 「でもねぇ、俺もこのまま許すわけにはな」 「なんでぼじばず! なんべぼじばずがらゆるじで!」 「ん? そうか、なんでもするか。ならひとつ方法があるよ」 「ゆ! なに! なんでずが! ばやぐいっで!」 わずかに顔に喜びを浮かべ、食いついてくる。 俺の言ったことはろくに実現できていないこいつだが、次こそやってくれるだろうか。 「そのおちび、食べてくれ」 「ゆ……!」 れいむが表情を固め、たじろぐ。やはり無理だろうか。 「嫌か?」 「ゆ! ばっで! ばっで……」 戸惑い、怯えた表情を浮かべるれいむ。 なんだかんだで、色んな表情を見る羽目になったな。 「そうだよな、助かりたいよな」 「ゆ……」 俯く。 「でもおちびは食べたくないか? でもさあ、考えてみろ。」 顔を上げ、こちらを見る。 怯えを残したままの、救いを求める表情だ。そんなものを与えようとは思わないが。 「お前だけが許されたらおちびはここであのままだぞ」 「ゆ……!?」 「親に見捨てられ、野ざらしのまま段々朽ちていく……。可哀想じゃないか?」 「……」 「おちびはもう動けないんだ。れいむが自分の体に取り込んでさあ、ここから連れて行ってやれよ。そしたら、ずっと一緒にいられるじゃないか」 「ゆ……ずっと……ゆっくり……」 「そうそう、ずっと一緒にゆっくりできる。それに、俺もおちびを片づけてやらなくてすむから、助かるんだよ」 「ゆ……」 「俺とおちびを助けると思って、頼むよれいむ」 「ゆ……あ……」 ゆっくりとおちびに近づくれいむ。 うんうんの臭いもまだ残るであろうその体に、れいむは今度こそ躊躇わずに食いついた。 ゆっくりと咀嚼する。 すすり泣く声が聞こえたのは、最初だけ。 食べ終えて動かなくなったれいむの前に回る。 おちびは餡子のひとかたまりも残さずに、消えている。土をなめてでも、れいむが食べ尽くしたからだ。 口がだらしなく開かれ、その目はまたも生気をなくし焦点があっていなかった。 そんなれいむに告げてやることとする。 「よしれいむ、今度こそできたな」 わずかに見上げるれいむ。 だが未だにその目は遠くを見ている。 最後だけだが、やっと俺の指図を行動に移せたか。 「これで許してやれるぞ、れいむ。俺はこれ以上お前に危害をくわえない。後は好きに逃げな」 「ゆ!」 れいむの顔に一気に驚きと喜びが灯った。 「ほんとうにゆるしてくれるの!?」 信じられていなかったのだろうか。 「ああもちろん、約束は守らなくちゃな。あ、その前に」 「ゆ?」 「お飾り返してやるからな」 家から出すときに奪い取ったリボンを取り出し、れいむに見せる。 「つけてやるよ。……もう何もしないから、来な」 そう言ってやると、おずおずと近づいてくるれいむ。 さっきの約束は本当だ。だから俺はもう本当に危害を加える気はない。 後はこの親子を逃がしてやるだけだ。 れいむの後頭部の辺りに元通りにしっかりリボンを結んでやった。 「もうちょっとだからな」 そう言ってれいむを少し引き寄せ軽く押さえる。 そして頭にリボンを結ぶ。 れいむは静かに任せている。顔を見ると喜んでいるようだ。お飾りが戻ってきて嬉しいのだろう。 「さ、出来た。もういっていいぞ」 「ゆん……ありがとう! それじゃあ、さよなら」 ゆっくり去っていくれいむを見送る。 れいむは昨晩れみりゃが現れた辺りから逃げていった。 さて、やっといなくなったな。 下手に潰して掃除の手間を増やすのに比べれば、ましなやり方だったろう。 鬱憤もそれなりに晴らせたのだし。 俺は正直おちびがつぶれた時点で充分だった。既に飽きていたのだ。 だがそのおちびもれいむに片づけさせられたし、結果だけ見ればゆっくりの被害にあった割には上々な対処ができた方なのではないだろうか。 そして残ったれいむも、これから自らゆっくりできない所へ飛び込んでいくことになるのだ。 さ、部屋の掃除に取り掛かろう。 れいむは必死に走っていた。 あの人間が見えなくなった時点で、追ってくるのではと俄かに恐くなったのだ。 持てる力の全てで、全力疾走する。 まあ人間の子供の歩行よりと同じ程度の速度だったが。 気付くとれいむは、やたら草の生い茂った土地の前に立っていた。 周りは人間の家が立ち並んでいるばかりなのに、この場所だけに背の高い草が並んでいる。 何のことはない、ただの空き地だった。 だがそんなことれいむは知らず、とりあえず仲間でもいないかと、近づかないで覗き込むようにして見る。 もちろん逃げてきた方への警戒も怠らない。 と、その時ガサッと草をかき分ける音がした。空き地の方で何かが動き、そして近づいてくる。 れいむは一歩二歩と下がり警戒しながらその何かが現れるのを待った。 そして、あらわれたその姿は……ゆっくり。ゆっくりまりさだった。 れいむはそのまりさに見覚えがあった。昨日はぐれた番のまりさだ。 食われたかと思っていたが、生きていたのだ。 「ゆ! まりさぁ!」 「ゆ! れいむ! いきてたんだ……ぜ……」 言葉を尻すぼみにするまりさ。もしかして傷ついているのだろうかと、れいむは思った。 「まりさ! だいじょうぶだったんだね!」 「……ゆ、れいむこそだぜ」 「しんぱいしたんだよ、まりさ」 「ゆ、そうかぜ」 わずかに俯くまりさ。帽子に隠れて表情が窺いづらい。 「まりさ、どうしたの? ようすがおかしいよ?」 「……れいむ、おちびはどうしたのぜ」 「ゆ……おちびちゃんは……にんげんさんに……。 いっしょにつかまっちゃって、たいへんだったんだよ」 「そうかぜ」 後ろを向くまりさ。 れいむは思った。おちびの死を悲しんでいるのだろうと。 あんなにゆっくりとしていたおちびちゃんだったのだ。仕方ない。 まりさが振り向く。 「なら、その……ちいさいおかざりはなんなのぜ!?」 「ゆ!?」 まりさはれいむの頭を見上げ、怒りの表情を浮かべていた。 れいむは戸惑う。まりさが何を言っているのか、分からない。 「お、おかざりってなんのこと?」 「そのあたまについたちいさなおかざりのことなのぜ! ふたつもつけて、おかしいのぜ! それはおちびのじゃないのかぜ!?」 まりさの言う通り、れいむの頭の上はいつもと様子が違っていた。 自前のお飾りは問題なく付いている。 だが、一まとまりの黒い髪が、真っ直ぐ上にのびアホ毛のように突っ立っていた。 その根元を小さいお飾りに支えられて。 「そんなつけかたして! おちびをばかにしてるのかぜ!!」 「ゆ! ゆぴ!?」 混乱しだすれいむ。 緩む思考から何とか絞り出して、れいむは自分とおちびのお飾りのことを思い返す。 自分のお飾りは一度取られたものの、きちんと人間に返してもらったはず。そして、おちびのお飾りは……。 「ゆ! まりさ! にんげんさんのしわざだよ! きっとあのにんげんがれいむに」 れいむの餡子に皮が裂ける音が響いた。 「ゆゆ、ああ、あぁぁぁ!」 まりさが口に石をくわえ、ぶつかってきたのだ。 わずかな裂け目かられいむに痛みが伝わる。 「おかざりをうばったのぜ……!! おちびちゃんから!」 「ま、まりさ! ちがうよ! これはにんげんが」 「うるさいのぜ! ふざけるなだぜ! そんなのうそなのぜ! うそなんかききたくないのぜ!」 「まりざ!」 「おちび! かたきはとるのぜ!」 「やめで! やべでばりざあ!」 まりさのくわえた石が襲いかかる。れいむの体を裂き、ひっこめられてまた襲い、裂く。 れいむの体はぼろぼろになっていった。 まりさの体当たりの衝撃で、増えゆく穴から餡子がさらに漏れ出す。 まりさは石を捨て、れいむの上に乗っかった。 れいむの上で体重を乗せて何度も跳ね、れいむの体から餡子を追い出しながら潰していく。 やがてれいむがピクリとも動かなくなると、まりさは吠えた。 「ゆっゆおおぉぉー!! おちび! かたきはとったのぜえ!」 ゆおーゆおーと、高らかに叫ぶまりさは気付かない。 草陰から自分を見つめる存在に。 昨夜逃した獲物を、再度見つけた捕食者の視線に。 おわり 挿絵:
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それでもゆっくりは畑を守る 9KB そのまりさは畑を守っていた。 耕された、栄養さんのある黒い土。 そこに、さほど深くなく埋められた小さな小豆色の種。 埋めたのは何日前になるだろう。 三日より前は数えられないからわからない。 気が遠くなるくらい年月をこうして守っている気がする。 だが、冬さんはまだ1回も来ていないし、まあるい月さんはまだ2回しか見てないから、そんな長すぎるわけではないだろう。 畑からは数本の、長い茎が伸びていた。 種から出た芽が成長し、伸びたものだ。 その茎の先端に、ピンポン玉かミニトマトくらいの大きさの、丸いつぼみがくっ付いている。 それは、まりさの我が子たちだ。 愛しい我が子達だ。 立っている茎の周辺には、枯れてしなびた茎や、半分から先が齧られて無くなっている茎もいくつかある。 それは、育たなかった我が子たちだ。 あるいは、守れなかった我が子達だ。 まりさは先端を削った短い棒を口に銜えながら、大分前からこうして我が子を守っている。 やがて、あの丸いつぼみが花さんが咲くようにゆっくりと割れて開いて、中から可愛い我が子が生まれてくる。 それを、まりさはひたすら待っていた。 「みずさんをかけるよ! ゆっくりそだってね!」 「はやくおおきくなってね!」 まりさとれいむがすっきりー!して、れいむの頭から伸びた蔓に宿り、そして零れ落ちた数十の小豆色のゆっくりした種。 日当たりの良い肥沃な土地を木の棒で耕して畑を作り、撒いた種にそっと土を被せる。 その上に、まりさは川から口に含んで汲んで来た水さんをかけた。 まりさとれいむの種族はこうやって子供を作るゆっくりだ。 土に抱かれて水分をたっぷり吸った子供たちの種は、やがて土の中で小さな芽を出す。 夜のうちに土を押しのけて芽は外に出て、朝の光を浴びるだろう。 「ゆっ! めさんがでたよ! ゆっくりしていってね!」 「おひさまをあびて、ゆっくりはやくそだってね!」 日光を浴び、穏やかな風を受けた小さな芽は、すくすくと育つ。 葉を二枚、四枚と増やし、茎を伸ばし、空へ向かって成長する。 しかし、全部の種が芽を出せるわけではないし、全部の芽がそうなるわけではない。 「やべでえええええ!! はとさん、まりさたちのたねをたべないでええええ!!」 「ここはれいむたちのはたけなんだよお!? たねさんたべたらあがちゃんだちがゆっくりできなくなるでしょおおおお!? ほじるのやめないとれいむおこるよ! ぷくー!!」 「うわああああああ!! めさんがたべられぢゃっでるうううう!!」 「どおじでごんなごどずるのおおおおお!? とりさんやむしさんには、ちもなみだもないのおおおおお!?」 折角撒いた種や、折角発芽した芽を何割か食べられてしまったまりさとれいむは、畑を守る必要性に直面する。 群れで畑を作っている同種のゆっくりたちは、一箇所に畑を作って皆で植えて、皆で交代で畑を守る事もするという。 しかし、いかなる理由によってか群れに属していないまりさとれいむは、たった二匹きりで自分たちの畑を守らなければならなかった。 畑を守るのは容易ではない。 畑を襲いに来る外的は、昼に来るのも夜に来るのも居るからだ。 加えて、まりさとれいむは自分たちが生きるためにご飯を調達しなくてはならない。 交代で畑の番をすれば、片方一匹だけでは畑を守りきれない事も多いのだ。 そして、畑を襲うのは何も外敵だけではない。 「ゆっ! おいしそうなやさいさんがはえてるよ!? むーしゃむーしゃしあわせー♪」 「なにやっでるのおおおお!? それはまりさたちのあがぢゃんなんだよおおおおお!?」 「ゆ? なにいってるの? あかちゃんがはたけからはえてくるわけないでしょ? へんなうそをついておやさいさんをひとりじめしないでね!」 「まりさたちはそうやってこどもをつくるゆっくりなんだよ! そのくきさんからまりさたちのあかちゃんができるんだよ!?」 自分たちとは繁殖方法が違うので、それが子供たちが実のる茎だと知らないゆっくりの襲来。 「ゆーしょ! ゆーしょ! ゆー! いっぱいしごとごっこしたりゃ、ちゅかれたよ!」 「なにやっでんのおおおお!? どうじでくきさんをひっこぬいでるのおお!! どこのちびちゃんなの!? おやはどんなぎょういくしでるのおおおおお!? ばかなの!? しぬの!?」 「ゆぇーんしりゃないおばちゃんがいじめりゅー!」 「ずいまぜんずいまぜん! なにもわがらないこどものやっだごどなんでず! ゆるじでね! ゆるじでね!」 分別の付かない子ゆっくりの遊びや悪戯によって、台無しにされてしまう茎や芽。 自然環境もまた、敵である。 「どおじでかれじゃっでるのおおおおおお!?」 「ゆう…あめさんがゆっくりしてたから、ねっこがくさっちゃったんだよ…おひさまもっとでてね!」 「こんどはどおじでたおれちゃでるのおおおお!?」 「ゆうう…あめさんがたりなかったからだよ…みずをくんでこなきゃ…おひさまあんまりゆっくりしないでね!」 「ゆあああああん!! やべでね! かぜさんゆっぐりふいでね! れいむたちのこどもをゆっぐりさせであげでよおおおおお!!」 「ゆああああん! せっかくみがつきはじめたのにいいい!! おっごちぢゃっだよおおおお!! かぜざんのばがああああ!!」 ただ長雨が続いたり、日照りが続いたり、風が強く吹くだけなら多数は残ってくれる。 最大の敵は季節の変わり目にやってくる。 「たいふうざんゆっぐりじないではやぐどっがいげえええええ!! あめさんもかぜさんもどっがいげええええ!! れいむのかわいいちびちゃんをゆっぐりさぜろおおおお!! たいふうさんはゆっぐりじねえええええ!! こどもだちはれいむがまもるよおおおおおお!!」 「れいむ! だめだよ! はやくおうちにもどってね! れいむがえいえんにゆっぐりしぢゃうよおおおお!!」 大粒の雨が勢いよくれいむの体を打ちつけ、強風がゴウゴウと森の木々を揺らすなか、れいむは畑の前で暗い空にむかって叫んでいた。 まりさは帽子が吹き飛ばされそうになるので、おうちの中かられいむに呼びかけるしか出来ない。 だが、必死に畑を守ろうとするれいむには、まりさの声は届かなかった。 やがて、れいむの悲痛な声も風に掻き消されて聞こえなくなり、台風はその夜が明けるまで猛威を振るい続けた。 ゆっくりできない台風さんがれいむと、畑の子供たちの多くを永遠に連れ去ってしまってからも、まりさは畑を守り続けた。 残った実をつけている茎は、まりさが数えられるほどしか無い。 たったこれだけしか、生き残らなかった。 台風の後も、大きく育ったつぼみを狙って、捕食種のれみりゃやふらんが畑を襲う事もあった。 「うー♪ うー♪ あまあま~♪」 「やべろおおおお! まりさのあかちゃんたちをすうなあああ!!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ゆっ! このっ! ゆぎゃあああ!!」 生まれる前の、赤ゆっくりを宿したつぼみは捕食種にとって絶好の餌である。 毎夜襲来するれみりゃやふらんに対し、まりさは尖った棒で必死に応戦し、傷だらけになって畑を守ったが それでも力及ばず、残り少ない実はさらに少なくなってしまった。 あらゆる色んなものがゆっくりしてくれなかったので、愛しいれいむとの結晶は、たった一本の茎とその先端のたった一個の実だけになった。 だがそれも、やがて報われる。 茎の先のつぼみは、ようやく充分な大きさにまで育っている。 もうすぐだ。 もうすぐ、あのつぼみが、実が割れて、中からまりさとれいむの赤ちゃんが姿を現すはずだ。 そして、ゆっくりしていってね! と挨拶してくれるに違いない。 そうしたら、自分も涙を流しながらゆっくりしていってね! と返すのだ。 茎から元気よく飛び降りてくる赤ちゃんをまりさのお腹で受け止めて、そして残った茎をまりさが柔らかく噛み砕いてから、 赤ちゃんたちは生まれて最初のご飯を食べるのだ。 それからは、まりさは赤ちゃんとゆっくりした日々を過ごすのだろう。 まりさはその瞬間を待ちわびながら、畑の前で守り続ける。 いまかいまかと、つぼみを見つめながら。 そして、運命の瞬間は 「ゆっ…! つぼみさんがひらきはじめたよ! まりさのあかちゃん、ゆっくりでてきてね! ゆうううう! おそらさんにいるれいむ、みて、まりさたちのあかちゃんがゆっくりうまれるよおおおおお!!」 「ゆっくち…」 ゆっくりと 「あっ、こんなところに畑さんがあるよ! 赤ちゃんゆっくりさん、お兄さんに千切られてね!」 「ゆびぇ!」 台無しにされた。 心無い人間の手によって。 「ゆうううううう!? にんげんさんなにやっでんのおおおお!? まりさのあかちゃんがああああ!!」 「何って、赤ちゃんは畑から勝手に生えてくるものでしょ? お前ら、俺の畑をいつもそうやって荒らすじゃん。 赤ちゃんを独り占めにするのは悪い事なんだよ? 」 「あかぢゃんはかっでにはえでごないでじょおおおおお!? それに、まりさはにんげんさんのはたけをあらしたごどなんがないよおおおおお!! どおじでごんなひどいごどずるのおおおおお!!」 「うるせえ! いつもいつも俺が苦労して耕して、種を撒いて、虫を取って、鳥を追い払って、育てた野菜を収穫前に荒らしやがって! 野菜だって勝手に生えてこないんだぞ!! お前がやってなくても、お前らの仲間がやってるんだろうが! お前らゆっくりなんて大嫌いだ!! 全滅しちまえ!! 種族を残せないようお前らの畑全部潰してやる!! ヒャッハー制裁だ!!」 …結局、人間の八つ当たりに近い報復行為のおかげで、まりさは自分たちの子供を一つも守る事が、生まれさせる事が出来なかった。 たった一つの、生まれようとしていた赤ちゃんを人間に潰され、自身も暴力を振るわれてボロボロになったまりさは 痛む体を引きずって畑の上に投げ捨てられた、生まれるはずだった我が子の亡骸に這って近づいてゆく。 人間の手で乱暴に掴まれ摘み取られ、握りつぶされて捨てられた赤ゆっくりのひしゃげた体からは、餡子がぶにゅると漏れていた。 まりさは涙をとめどなく流すと、我が子の亡骸に頬を摺り寄せた。 声も出なかった。 泣き言一つ呟く気力すら、まりさには無かった。 やがて秋が訪れ、冬を越し、暖かい春が来た。 「みずさんをかけるわ! ゆっくりそだってね!」 「はやくおおきくなってね!」 まりさとありすがすっきりー!して、ありすの頭から伸びた蔓に宿り、そして零れ落ちた数十の小豆色のゆっくりした種。 日当たりの良い肥沃な土地を木の棒で耕して畑を作り、撒いた種にそっと土を被せる。 その上に、まりさとありすは川から口に含んで汲んで来た水さんをかけた。 生き延びて冬を越したまりさはありすという新しいパートナーを見つけ、再び畑に子供たちを植えた。 土に抱かれて水分をたっぷり吸った子供たちの種は、やがて土の中で小さな芽を出す。 夜のうちに土を押しのけて芽は外に出て、朝の光を浴びるだろう。 「ゆっ! めさんがでたよ! ゆっくりしていってね!」 「おひさまをあびて、とかいはにそだってね!」 まりさは何度でも繰り返す。 何度芽を踏み潰されても、引っこ抜かれても、雨や日照りや強い風に枯らされても、台風になぎ倒されても、 捕食種に実を食べられても、人間に意地悪されても。 それでも、種を撒き、育て、畑を守る。 今度こそ、今度こそ守る、ゆっくりした自分たちの赤ちゃんと、ゆっくりしていってね!と笑いあうと胸の内で誓った。 元ネタ絵 byM1 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 挿絵の顔がキモイ -- 2012-12-18 17 18 59 絵の鳥謎いw -- 2012-09-16 22 43 42 ゆっくりがお百姓さんにおこなってきた仕打ちを考えれば、ゆっくりは何も言えないような気がする。 -- 2012-09-01 23 11 40 今回の虐待お兄さんは新でいいとおもう。 -- 2012-04-08 04 31 48 流石に今回は人間が余計 -- 2012-02-22 19 49 31 因果応報ってのはまさにこのことか… 赤ゆの行動ってどうしても悪意があるとしか思えない -- 2011-07-17 19 27 11 押絵の鳥がエビフライに見えるwww -- 2011-01-10 22 56 38 普段ゆっくりが自然や人間にやってる事がそのまんま返ってきてるな -- 2010-10-06 16 08 01 やはり同種であっても赤ゆ子ゆのウザさは異常 まじで赤ゆ子ゆだけは無条件で潰れろ -- 2010-08-25 23 13 28 挿絵のれいむが可愛すぎる -- 2010-08-25 20 29 26 こんな繁殖法では滅びちゃうんじゃ… -- 2010-07-07 09 25 56 やっぱ赤ゆがいっとうウザいな 親は何も分からない子供とか言ってるし実際そうなのかもしれんが、行動がいちいち悪質すぎる -- 2010-06-26 15 52 17 八つ当たり兄さんのせいで野菜勝手に生えてこないと思ってる種全滅させたら自業自得だと思う -- 2010-02-25 22 24 40
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すっきりー! -- 2008-11-26 22 15 14 編集乙 -- 2008-11-26 22 15 29 編集乙。 あっちのスレには容赦なく叩くというスタンスが足りない。 -- 2008-11-26 22 18 11 乙。 れいむもまりさも、もし性格が原作キャラに近かったらまんまゲスゆっくりだな。 特にれいむは一気に可愛気がなくなって即効で潰すわ。 -- 2008-11-26 22 24 43 ついでに能力も原作寄りになって結界張れるようになるんですね、わかります -- 2008-11-26 22 25 52 でも餡子だから張れるのは糖の結晶なんですね -- 2008-11-26 22 26 59 ゆっくりスパークとか真面目に殺人兵器じゃないか -- 2008-11-26 22 31 53 「てめーはダメだ」ってたまに見かけるけど、俺はゆっくりゃ嫌いじゃないんだがなあ -- 2008-11-26 22 38 54 ドススパークも何人か屠ってるけどな -- 2008-11-26 22 39 10 性格が原作で強さがガ板ゆっくりだったら・・・ぞっとするわ。 -- 2008-11-26 22 39 25 2008-11-26 22 38 54 多分ノンフライ製とティガ製のどちらを連想してるかの違いだろう -- 2008-11-26 22 41 31 なるほど確かにティガさんのファンですわ。ありがとうすっきりした -- 2008-11-26 22 43 43 これがノンフライゆっくりゃ派とティガゆっくりゃ派の血で血を洗う争いの始まりだった -- 2008-11-26 22 45 06 俺にとって一番可愛いのはうちのゆっくりゃだぜ -- 2008-11-26 22 48 54 2008-11-26 22 48 54 みんなが自分のゆっくりがかわいいと思っていることをみんなが理解できればスレもwikiも平和になるのに -- 2008-11-26 23 01 35 ヘイトなだけの奴がいる限り無理だな。 -- 2008-11-26 23 05 46 正直原作キャラ云々言いつつゆっくり虐待する奴はいらん -- 2008-11-26 23 09 14 スレ見たよ。 二度と行かない。 マジこええ -- 2008-11-26 23 12 02 もうwikiはスレから独立するべきだな -- 2008-11-26 23 15 46 「もう二度と虐待スレになんか行かないよ」 -- 2008-11-26 23 16 03 いかにゃいよ -- 2008-11-26 23 17 12 住民のヤバさ チル裏<スレ<ふたば ふたばは別格。 -- 2008-11-26 23 18 20 ノンフライさんのお気に入りは自設定のありすらしいしね -- 2008-11-26 23 20 43 というかそんなに人間と思考を同一化させたいのか、本スレ 559は。 -- 2008-11-26 23 22 58 そりゃアンチもハッスルするわ -- 2008-11-26 23 26 12 スレがどうこうはよくわから無いけど 豆腐SSが面白すぎる -- 2008-11-26 23 26 35 確かに豆腐には笑った。 -- 2008-11-26 23 28 41 いぢめスレかな?豆腐攻めとか発想が天才だわ -- 2008-11-26 23 29 32 2008-11-26 23 20 43 レイパーありすを書く糞作者死ねボケってことか -- 2008-11-26 23 30 24 もう誰か豆腐使ったゆっくりいじめかけよw -- 2008-11-26 23 34 39 レイパーありすを書くから糞作者だとは思わないがレイパーオチばかりは糞作者だと思う -- 2008-11-26 23 35 08 超絶ボッチなところだとおもたのだが…… -- 2008-11-26 23 37 32 結局作者当ては予想が難しすぎて盛り上がらないなあ -- 2008-11-26 23 38 15 当てる側としてはお題つけてテーマを絞ってくれた方が解りやすかったとは思う。 -- 2008-11-26 23 39 16 またお題厨か! -- 2008-11-26 23 41 50 お題決めた方が難易度は上がったと思う -- 2008-11-26 23 44 16 作者「こんなに特徴だしてるのに誰もわかってくれない・・・」 -- 2008-11-26 23 45 03 1.作者に思ったより個性がなかった 2.読者に見る目がなかった さぁ答えはどーっちだ? -- 2008-11-26 23 46 08 3.実はエア作者ばかりが参加してる -- 2008-11-26 23 46 50 fuku4355.txt 読んで思ったが、肉体のスペックに対して知能が高すぎるのが原因なんだろうな。 これがそこらの捕食される小動物(昆虫含む)ならこんな哲学じみたことは考えないわけで。 「ゆっくり」しか言えない低知能なゆっくりの方が幸せなのかなと考えさせられた。 -- 2008-11-26 23 47 16 2008-11-26 23 44 16 一つのお題をどういう風に料理するかで作者の特徴が現れやすくなる+比較する事で判断しやすくなる面はあると思うけどね。 -- 2008-11-26 23 48 02 fuku4355.txt この死に行くまりさに対して自然の生き物は大なり小なりみんなそうであることと そんなことを考えるのはゆっくりくらいで、自分だけが被害者みたいに考えてるのは無駄な知能故なんだと摂理を説いてやりたい。 -- 2008-11-26 23 51 37 え? -- 2008-11-26 23 52 55 それが、スレの選択でちゅか・・・ -- 2008-11-27 00 05 14 2008-11-26 23 48 02 ノーヒントで作者当てろはちょっと難しいからな。 一つ位はヒントが欲しい所だから、お題はいると思う。 -- 2008-11-27 00 09 21 仄かに過去作とリンクさせること、みたいにしたら趣向が違いすぎるか -- 2008-11-27 00 12 35 SSの内容で作者を当てるのは難しいだろ むしろupロダのコメントや文章の区切り(─────とか?) 注意書きや終わり(おしまい、完)の方が作者の個性というか癖が出ると思うよ -- 2008-11-27 00 17 37 いっそ自分でヒント振るとか -- 2008-11-27 00 18 47 内容では難しいだろうな 出てくるゆっくりをがんがん犯していくとかみたいな強烈な特徴でもない限り -- 2008-11-27 00 20 15 でも、本文以外のところでばれたら悔しいよなww -- 2008-11-27 00 21 26 わかったとかって言われた俺 まさか・・・そんな馬鹿な -- 2008-11-27 00 23 56 考えることを無駄と思う人がいるとは -- 2008-11-27 00 26 16 スレのノリが一部侵入してることに絶望した -- 2008-11-27 00 28 14 2008-11-27 00 26 16 無駄は言いすぎだが、下手な考え休むに似たり・・・というのもあるからな。 考えたって、どこまでいけばいいのかわからないよ。なぜ、なぜ、って宇宙の誕生の理由まで知らないといけなくなる。 -- 2008-11-27 00 28 50 キモチワルイ・・・ -- 2008-11-27 00 41 32 2008-11-27 00 28 50 俺としては、君がなんでそう極端から極端に走るのかだけ分かればそれでいいかな。 アカシックレコードまで行き着くつもりは一切ない。 -- 2008-11-27 00 45 22 2008-11-27 00 45 22 ま、幸か不幸か考えてもどうにもならないことがあるって言いたかっただけで -- 2008-11-27 00 46 30 今回はどうにもならなかった、だ -- 2008-11-27 00 47 42 ある程度適当でも名前言わないと当たりようないからな。 -- 2008-11-27 00 48 56 昔ゲームの裏話をするためにクラインの壺を理解せなならん高機動な幻想があってな? -- 2008-11-27 00 51 26 スレでパチュが精神発達してるとか言ってるパ厨キメエ -- 2008-11-27 00 52 42 おみやげぱちゅりー1つください。 デコピン用サンドバッグにします。 -- 2008-11-27 00 54 27 2008-11-27 00 52 42 くやしいが同意 -- 2008-11-27 00 54 49 作者当ては絞り込めても特定はほとんど出来ない・・・ -- 2008-11-27 00 55 23 れいむはそんながんぱれーどまーちはしらないよ! きにくわないやつをぜんせんにおくりだして じぶんはひっこんでたりなんかしてないよ! -- 2008-11-27 00 55 42 2008-11-27 00 52 42 してることが多いSSがそれなりにあるだけでバカで未熟なぱちゅも多いからな。 -- 2008-11-27 00 55 55 今日のスレはどいつもこいつもキメエのしかいないけどな さも当然のように自分設定を公式設定として会話してるし -- 2008-11-27 00 58 05 悲しいけどこれ今の虐スレなのよね -- 2008-11-27 01 01 14 キメェの全部きめぇ丸になぁれ♪ と思うよ、まじで。 -- 2008-11-27 01 02 30 れ き じ -- 2008-11-27 01 03 13 2008-11-27 00 58 05 自分で考えた設定を垂れ流すより100倍マシだろ。 -- 2008-11-27 01 03 55 全体を見渡せず自分達が特別だと思ってて この部分だけならまだ解るんだけどな。 ネガティブな方面で特別意識持ったのがあのまりさなのは同意できるが…なんだかなー。 -- 2008-11-27 01 04 32 下見て安心してもな さぁ寝よう、寝て起きてもまだやってんだろうなちくしょう -- 2008-11-27 01 05 19 2008-11-27 01 03 55 五十歩百歩 -- 2008-11-27 01 06 36 今日は焼き饅頭を食べた。モチモチした皮と滑らかな餡子がとても美味しかった。 俺の中の理想のゆっくりはアレだな。 一緒にそれの皮と餡にさつまいもを混ぜた芋饅頭も食べた。 オリキャラは美味しいなぁ、と思って満足した。 一緒のところに入れていた普通のお焼きにもさつまいもの匂いが移ってなんとも言えない風味になった。 これは応用できそうだ。 -- 2008-11-27 01 08 46 2008-11-27 01 08 46 ゆっ・・・! みにょりこはいみゃ、とってみょきゃんどうしちぇるよ!! -- 2008-11-27 01 12 32 モチモチした皮の饅頭食いたくなっちまったじゃねえか! -- 2008-11-27 01 14 42 2008-11-27 01 12 32 良かったな、何千何万もの惨殺される運命にあるゆっくりに 匂いを付ける作業が待ってるぞ。 -- 2008-11-27 01 15 50 今日、お茶を沸かすのが面倒でさ。 冷蔵庫にあった牛乳を、お茶の代わりにしてオヤツの羊羹を食べたんだ。 そしたら餡子のあまみがまろやか?になったっつかなんつか、どう表現していいかよく分からんが意外といけたぞ。 何が言いたいのかってーと、つまりはアレだ。餡子最高。 -- 2008-11-27 01 18 38 みのりパイというものがあってだな・・・ -- 2008-11-27 01 18 58 生クリーム入りアンパンという物を見かけてな、どんなゲテモノだと思って食ったら凄く美味かった。 意外と乳系と合うんだよな小豆餡って。 -- 2008-11-27 01 21 52 アンパンと牛乳の組み合わせはガチだからな -- 2008-11-27 01 23 05 マーガリンと餡子のはさまったコッペパン、金無い時によく食べたなー。 安いのに高カロリーで持ちがいいんだよねアレ。 -- 2008-11-27 01 27 29 つまりここまで出た意見をまとめると ・みのりこと一緒に赤ゆを詰め込み飼育させ匂いを付ける ・牛乳と卵に浸し調味液をじっくり含ませる ・バターでこんがり焼いてコクのあるもちもちした食感と カリカリサクサクになった底面&頭頂部を味わう これが最強という事か。フレンチゆっくりトースト -- 2008-11-27 01 27 55 2008-11-27 01 23 05 三橋もすすめるくらいだしな -- 2008-11-27 01 31 24 話題ぶったぎり… 作者当て系、実験的というか変わり種が多いね。 名前有り作者が多いからかハズレが少なくていいけど。 -- 2008-11-27 01 58 49 2008-11-27 01 58 49 せっかくだからと思ってかなり気合入れて書いた。 正直、ちょっとやりすぎたかもしんない。 -- 2008-11-27 02 02 55 作者当ては、誰が書いていて誰が書いていないか知りたいな。 とっかかりがないから推測しにくい。 -- 2008-11-27 02 09 13 作者当て用に書いてて 間に合いそうにないから別なネタで妥協した俺はゆっくり -- 2008-11-27 02 10 07 これで半年ROMあたりまで参加してたら俺は五体倒置していままでの態度を詫びるよ -- 2008-11-27 02 11 11 作者当てに短編書いた俺チキン。だって遅筆なんだもん。 ついでに誰か当ててもらいたいがはっきりとした個性があるわけでもなく…… 微妙に期待をしつついつものノリで書いてみた。 いつもどおりに長くしたら間に合わんw -- 2008-11-27 02 13 28 2008-11-27 02 11 11 一人一作として、ざっと20人は参加している計算になるから、いる可能性は否定できないな。 それと、五体投地な。倒置してどうするw -- 2008-11-27 02 14 25 いつも通りに書くと即バレしそうだったんで、諸々多少変えてみたわけで。 でも、これじゃ逆に当てようが無いじゃんと後から気づいたですよ。 まぁ、変えようのない文章のクセは出てますけどね…… -- 2008-11-27 02 19 45 文体までパロディだと当てるの難しいな 記号の使い方で分かったのもあったけど -- 2008-11-27 02 24 17 普段書いてない感じで書くと疲れるよな。 バレるかなぁと思ったり思わなかったり。 -- 2008-11-27 02 31 03 感想に☆がまた来てるんだが。 -- 2008-11-27 02 32 45 本物のキチガイなんか構ってられっかい -- 2008-11-27 02 34 13 俺が管理人ならあの名前名乗ってる時点でアク禁食らわせるレベル -- 2008-11-27 02 36 44 この際感想コメのデフォルトネームを☆にしてしまえば あまり気にならなくなるんじゃないかとオモタ -- 2008-11-27 02 40 12 そうなったら別の名前を名乗るんじゃね -- 2008-11-27 02 44 42 ☆さん相手にしてほしいからって ここで糞感想投下報告しないでいいからね 自演しないでね -- 2008-11-27 02 45 51 ところで高さ30ミリ、直径40ミリの饅頭の重さが15グラムだったんだが、 ゆっくりを直径30センチの球体と仮定して体積を求めたら上の饅頭を参考に大体の重さが算出できないだろうか? -- 2008-11-27 03 30 37 算出するとなにがどうなるというのか -- 2008-11-27 03 34 31 少なくともその試みは5回目だな。 -- 2008-11-27 03 39 08 2008-11-27 03 34 31 頑張れば食えるんじゃないかと思ってな 虐待のネタとしての可能性を模索していたんでな 大雑把な上に正しいかも怪しい計算だが10kgくらいだった。 食えねーよ・・・一般的な赤ゆサイズだと15gしかないのに・・・ 成体になるまでに600倍もの重量を得るんだな、こいつら -- 2008-11-27 03 41 41 つ『逆に成熟したゆっくりはパサパサとして不味い。』 成ゆっくりは中身スカスカのパサパサという設定にして内容量の嵩上げしてみたら? 成ゆっくりも食べたいなら水あめとかで練って食えるようにするとか -- 2008-11-27 03 58 58 2008-11-27 03 30 37 そういったことを考えて、そういったことをとりいれたSSを書くのは楽しいと思うから俺は設定談議は大好きだ でもたまにそれが当然のことだと言って人に押し付ける奴もいるからそんなことはするなよ -- 2008-11-27 05 33 45 ID KZzo4QAo0素できめえwwwwww何時間張り付いてんだ? -- 2008-11-27 07 05 55 あれは精神病の一種だな -- 2008-11-27 07 09 44 Pixiv見てるとこりゃ絵なんていくら上手くてもそれだけじゃ 金にならんなとつくづく思う元絵描き志望の挫折者 プロでやってる人はほんとスゲーと思うよ -- 2008-11-27 07 25 33 保健所ヘイトとか、タイムリーすぎてネタでやってるとしか思えん -- 2008-11-27 07 44 52 2008-11-27 03 41 41 そのままでも口(口内)の部分で空洞が多く餡子の密度も少なめにすれば3~5kgまで落とせるんじゃね? まぁ、それでも300倍近いんだからよくSSにある赤ゆや子ゆの食欲が凄くて際限なく食うって言う描写の説明がつきそう。 -- 2008-11-27 08 47 51 ☆ってあれか 誉めてるのが一個あったがどうなの -- 2008-11-27 09 24 45 つまらんSSけなせば良作ワッサワサという思考の至高が☆なんだよ 分かるだろ そういうのがどういう結果に繋がるかがよ -- 2008-11-27 09 33 57 2008-11-27 03 58 58 2008-11-27 08 47 51 おおう、貴重な意見トンクス でかい口で半減、赤ゆより中身が無い(だから知能の程度があまり変わらない)で更に半減 これで赤ゆの150倍。赤ゆも口の分で10gくらいまで減らせそうだ これで行くと1500g(人間の赤の半分)かぁ・・・食えないことはなさそうだけど、絶対に飽きるなw あんまり真面目に検討するのもアレだからこれくらいが一番便利な落としどころかも 2008-11-27 05 33 45 勿論、んな野暮ったい真似はしないさ -- 2008-11-27 10 25 14 でかい口で半減 赤ゆも口の分で10gくらいまで減らせそう 赤ゆの口内の空洞を計算に組み込んだ時点で単純に半減しちゃだめだ まあ、それでも2kg程度だけどな -- 2008-11-27 10 36 04 パンダも大人になるまでに体重が1000倍になり申す。 -- 2008-11-27 10 42 15 貴重な意見ってw 何回目だよこの議論 -- 2008-11-27 11 01 49 だが、一応の結論が出るのは珍しくないか? -- 2008-11-27 11 06 37 本気で言ってんのそれ -- 2008-11-27 11 11 14 虐待側としてはしょうがないけど、虐待すると甘くなってゆっくりすると不味くなるのは逆だと思う ゆっくりした方が熟成されて甘くなるんじゃないかと -- 2008-11-27 11 16 07 スレ739が何気に面白いこと言ってる件 一人ひとりが思い描く像は違うけど、今の虐スレゆっくりが住人たちの半年間の 妄想の寄せ集めというか集大成と考えると感慨深くなってしまった -- 2008-11-27 11 17 15 もーがまんできにゃいよー!! ここでしーしーとうんうんしゅるね!! -- 2008-11-27 12 36 28 「れいみゅにしーしーのませちぇにぇ!うんうんもたべりゅよ!」 という設定も出来上がってしまっているわけだがw 感慨深い反面、せつないなぁ。 -- 2008-11-27 12 39 37 せつないというか情けないというか -- 2008-11-27 13 20 34 生物だから排泄が設定としてあるのはしょうがないが それを虐待に使うって事は単なるスカトロだからな… 一般受けしない虐待と言うジャンルでさらに道を細くしてどうするんだ -- 2008-11-27 13 29 33 せつなさと情けなさと心苦しさと〜♪ -- 2008-11-27 13 31 02 2008-11-27 13 29 33 「ゆっくり虐待」の時点で超ナローなので、今更何をって気もする -- 2008-11-27 13 34 21 スカトロの是非はともかく、一般受けする必要はないだろ これ以上荒れないためにも外界とは一切関わらない勢いで引きこもろうぜ -- 2008-11-27 13 42 38 そのためにはまずは東方と縁を切ることが必要不可欠だ -- 2008-11-27 13 46 22 そりゃゆっくりの名前に「れいむ」とか「まりさ」とか 原作キャラの名前ついてる時点でムリだろ -- 2008-11-27 13 51 47 自分の中で割り切るんだってのもどだい無理な話か -- 2008-11-27 14 09 52 まったくれいむとそっくりなにんげんが はばをきかせてゆっくりできないよ! -- 2008-11-27 14 13 29 何だかアンチスレの工作員が混じってる気がしてきた -- 2008-11-27 14 18 33 たまってたss読んでたら愛でssと見間違えそうなのがあった もう愛ででss書いてればいいのに -- 2008-11-27 14 20 03 ではここのトップページのネタ通りに、「でいぶ」と「ばりざ」をウチに於ける正式名称にしようか -- 2008-11-27 14 21 12 スレのも全員工作員だったらいいのにという淡い希望 -- 2008-11-27 14 25 59 現実は工作員と真性のダブルパンチだけどな -- 2008-11-27 14 37 55 ×愛でで ○投棄場で -- 2008-11-27 14 47 12 なんか作者当てとかやってるのも面白くないSS多いなぁ… -- 2008-11-27 14 58 39 作者当てシリーズで一番面白かったのって何? -- 2008-11-27 15 01 06 個人的に子供捨てる穴が今のところの一番 続き期待してる -- 2008-11-27 15 09 45 工作員が奮闘してるのはふたばだろ 今日の流れは小学生にもほどがある あれこそまさにアンチで荒らし宣言してたバカと便乗犯じゃねぇのって感じ -- 2008-11-27 15 11 58 もう愛ででss書いてればいいのに どれ? -- 2008-11-27 15 42 27 2008-11-27 15 11 58 本当に小学生が混じっている可能性もあるからこわい -- 2008-11-27 15 45 41 むしろ本当の小学生の方がモラル有るだろ? -- 2008-11-27 15 50 24 いい年こいた奴が匿名を盾に普段隠してる部分をさらけ出すような場所なわけだ いわんや子供をや -- 2008-11-27 16 13 00 「やべでぇぇぇぇぇぇぇ!!」とか人間の悲鳴っぽく伸ばすよりも 「やめてね!やべでね!」とか言い聞かせ口調でビシッと止めた方が ウザい -- 2008-11-27 16 20 30 後者の方が、まだまだ余裕があるように感じるな -- 2008-11-27 16 22 40 前者は愚鈍かゲスで後者は善良っぽくみえる。 -- 2008-11-27 16 23 42 後者の方がかわいくって好き。 -- 2008-11-27 16 26 25 やべでどべでやべでどべでどべっだ!? -- 2008-11-27 16 27 55 ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね! ってのが特徴出てて個人的に良い まぁ初期のゆっくりってことなんすがね -- 2008-11-27 16 47 56 2008-11-27 11 16 07 強いストレスを感じた時に自分の精神を守ろうとして餡子が甘くなる(自分の苦痛を甘さで和らげようとする?)みたいな説明しているSSがあった 人間でいう脳内麻薬とか、ホルモンのたぐいかと -- 2008-11-27 16 50 47 初期ゆっくりの方が可愛かったかなあ。 餡子脳っぽくて。 -- 2008-11-27 16 54 30 そりゃ誰でも虐待しやすいように醜悪にしたのが今のゆっくりなんだし当然じゃね? -- 2008-11-27 16 56 17 どんどんゲスな設定を追加して行って 「ゆっくりはなんて愚かな生き物なんだ~」 って言ってるのが今の虐スレ -- 2008-11-27 17 00 25 その今の虐スレ民が混ざっているチル裏 安全なとこなんてどこにもないんだな -- 2008-11-27 17 06 03 程好い案配ってのを理解できないのが多かったってことか・・・ -- 2008-11-27 17 06 36 >作者当てシリーズで一番面白かったのって何? -- 2008-11-27 15 01 06 穴に赤ゆを捨てる奴 あれだけ -- 2008-11-27 17 08 20 制裁派のクズがどんどんゆっくりをゴミクズ化するから困る じじいだのまりささまだの、あからさまに人を煽る糞設定 -- 2008-11-27 17 14 01 制裁物はどれだけ読了感がすっきりーするかが肝なので どうしてもそういう流れになる。 -- 2008-11-27 17 21 07 きっとゆっくりをいたぶるのにも理由が必要な心が真っ白で綺麗な善人なんだね -- 2008-11-27 17 21 17 悪事に対して制裁するのじゃなくて、むしろ罵詈雑言を放つことに 怒りを抱いて攻撃するように見えるのが難点かな 普通のゆっくり口調で表現できないからそういう軽い方向へ逃げるのだろうけど -- 2008-11-27 17 27 11 あそこまでクズにされると気分が悪くなる 例えそのゆっくりが死んでも -- 2008-11-27 17 29 08 「まりさとまちゅりーの子育て」等のように 制裁分がかけらもなくてゲスがマッハな作品もあるから 一概に制裁好きだけのせいとも限らないのでは? -- 2008-11-27 17 30 23 95%は制裁派 -- 2008-11-27 17 31 54 ゆっくり同士で虐待となると 片方がゲスにならなきゃうまく話が運ばない場合もあるしな -- 2008-11-27 17 32 12 別に口汚く罵らなくても罪を犯しただけで十分だ!で制裁して良いと思うんだがねぇ・・・・・・ -- 2008-11-27 17 32 55 ゆっくり捨て場の続きまだかなー あれすげー楽しみなんだが -- 2008-11-27 17 33 13 頭に実ったレイパーの赤ありすを振り回すまりさを想像するだけでごはん3杯は余裕 -- 2008-11-27 17 33 45 2008-11-27 17 31 54 それはない。 -- 2008-11-27 17 34 01 かと言って、環境系は直接的虐待描写から逃げてるだけぽくてつまらん -- 2008-11-27 17 35 03 レイパーまりさやレイパーれいむが表舞台で華々しく活躍する日は来るか!? レイパーれみりゃとか。 れみりゃに襲われて気絶、目が覚めるとなぜかすっきりしていて外傷はない。 ゆっくりらっきー♪と日々を過ごし、伴侶とすっきりする。 そして子供ができるとなんとそれはれみりゃだった! 映画「悪魔の赤ちゃん」のようなホラーに! -- 2008-11-27 17 37 16 レイパーれみりゃもいいがレイパーふらんならば更なる恐怖に! -- 2008-11-27 17 39 31 レイパーネタを華やかに書くって難しそうだ。 -- 2008-11-27 17 41 16 やり逃げまりさならまだしも他の種のレイパーはしっくり来ないな -- 2008-11-27 17 41 41 レイパーれてぃなら(ry -- 2008-11-27 17 42 28 レイパーゆゆこで -- 2008-11-27 17 44 29 ビッチまりさ ゆっくり公衆便所 「実の子は産み捨て」がモットー レイパーありすをして、そそられないと言わしめたほどの猛者 しかし並大抵のゆっくりではその色香に耐えることは不可能 今日もどこかですっきりー♪ -- 2008-11-27 17 48 18 全種族最強レイパー決定戦開催のお知らせ -- 2008-11-27 17 48 43 レイパーとか何が面白いのやら -- 2008-11-27 17 49 39 単純に舞台装置、悪役として優秀じゃないか レイパーゆっくりが出るだけでどんな物語も破壊できるw 台詞が単調になってるから使い方が楽だってのもあるかも -- 2008-11-27 17 52 56 だけど制裁にするときはレイパーをどうやって正気に戻すかが難点…… -- 2008-11-27 17 55 03 >悪役として優秀 確かに。ゲスとはまた別の方向でゆっくりの価値をサクッと 貶めることができるので作者的には好評なんじゃないだろうか。 -- 2008-11-27 17 56 21 2008-11-27 17 21 17 こんな弱いもの虐めをするところで考えることじゃないと思うけど、 ここにいると正義ってなんだろうって疑問に思うようになった。 相手が悪ならどんなに残酷なことをしてもいいって思う人って世の中にどのくらいいるんだろう。 -- 2008-11-27 17 59 45 ゲスと同様にレイパーが痛い目に会わないと文句が出る事も多い 特にレイプされたのが善良ゆっくりの場合 -- 2008-11-27 18 01 08 完膚なきまでの残虐行為までしてしまうのはただのDQNだろ。 -- 2008-11-27 18 02 52 穴に赤ゆ捨てるのってタイトルは? -- 2008-11-27 18 04 37 ああいう声が大きい奴ってのは、どうもな。 ストレスマッハ? なぜそのストレスはssに叩きつけないのかと。 クソを垂れ流しにして何がしたいのやら。 いくら好意的に解釈しても、ゲスやレイパー似たり寄ったりな性根しか見えてこんわ。 -- 2008-11-27 18 06 48 そのストレスマッハが結局制裁成分を増長させるわけだが。 -- 2008-11-27 18 11 32 レイパー出て来てもいいけど、基本的にレイパーは幸せだからイライラする。 読んでいる人が虐待楽しめなければ意味ないやん -- 2008-11-27 18 24 36 レイパーは死なないの? あのゲスは? ~で俺のストレスがマッハ 制裁派のクズのお得意のフレーズ -- 2008-11-27 18 26 52 またアリスの一人勝ちか、も追加 -- 2008-11-27 18 27 04 レイパーを使ってゆっくりを虐待するわけだからな 登場ゆっくり全てを虐待したいというならHENTAIお兄さんを呼ぶしか -- 2008-11-27 18 28 02 書く分にはいいじゃないか。 それもまた虐の一面であることは事実だし、ここはそれを受け止める場所。 それによって鬱憤の溜まった奴のガス抜きができたんなら、それはそれで重畳だ。 だが糞を撒き散らすだけの、毒にはなっても薬にはなりえん奴らがなぁ。 2008-11-27 18 24 36俺は使ったことないけど、レイパーを使った書き手の意見としては、 ただの背景?だか装置?だかに文句言われても困るみたいなのを割と見かけるんだけど。 上手く言えんが小林美川in紅白で衣装の批評ばっかで歌スルーかよみたいな気分になるのかもw -- 2008-11-27 18 31 46 HENTAIなんて呼ぶな あれはただの性犯罪者だろ -- 2008-11-27 18 32 51 出たよ現実と絡めて考えちゃうのが それ言っちゃったら虐待自体(ry -- 2008-11-27 18 36 47 まあこんな風に叩きあいしてる間に、みんな関心失って廃れていくのが創作系の黄金パターンだな -- 2008-11-27 18 39 13 今が楽しければそれで良いんですよ。 まさにゆっくりなわけだが。 -- 2008-11-27 18 42 27 早く廃れればゆっくりできるのにと思うときがあるから困る -- 2008-11-27 18 43 26 2008-11-27 18 31 46 背景とか装置として割り切ってて 2、3行だけであっさり描写したのに何か言われるならともかく 「んほぉぉぉかわいいわぁぁ!」 「ありすのとかいはテクニックですっきりさせてあげるぅぅ!」 とか言ってレイプ描写を長々と書いた挙句 「いっぱいすっきりしちゃった!しあわせー!!」 なんて一匹だけほくほく顔のありすが出たりすると まあ文句が出てもしょうがないんじゃないかと思うときもある -- 2008-11-27 18 43 47 2008-11-27 18 43 26 おまい本スレにも同じこと書いてたなw -- 2008-11-27 18 49 01 ゲスれいむっていたっけ? -- 2008-11-27 18 50 29 読むまでもなく駄作と分かるのは楽でいいね -- 2008-11-27 18 53 13 2008-11-27 18 43 26 もうすぐ冬休み。 新規作者が大量にやってくるよ、よかったね! -- 2008-11-27 18 53 30 けっこういたな。 美れいむと描写されるとほぼソレだろ。 -- 2008-11-27 18 53 41 冬休みはなんだかんだで忙しいからな 大量に来るのは大学生だ それより春休みの方が危険 -- 2008-11-27 18 55 26 作るやつがいっぱいくるならいいな 駄作ばっかでも当たりもあれば伸びるやつもいたりして でも来るのは自分なりの設定はあっても作らないやつばっかだったりして -- 2008-11-27 18 57 31 れいむや子・赤ゆっくりはゲスゆっくりと一緒に 行動する事でゲスに引っ張られてゲス化って パターンが多いな -- 2008-11-27 18 57 41 というか、れいむは性格を悪意をもって解釈したり 悪い面を強調するだけで自然とゲスになると思う -- 2008-11-27 19 17 41
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ゆっくりを、叫ぶだけ 12KB ※M1あきさんのネタ振りに触発されて書きました。 雨が降っていた 大粒の雨に、強い風。豪雨だった。 そんな雨の音にかき消され、それでもかすかに歌が聞こえた。 「ゆ~♪ ゆ~♪ ゆっくりしていってね~♪」 調子っぱずれで耳にうるさいその歌は、ゆっくりのものだった。 木の下にできた穴はゆっくりの巣になっている。その中に一匹の成体れいむと子まりさの 親子がいた。 ゆっくりを、叫ぶだけ。 「おちびちゃん~♪ きょうはおかーさんのことをおはなししてあげるね~」 ゆっくりにとって、雨は最もゆっくりできないものの一つだ。 子まりさの不安を紛らわせたいのか、れいむの声は明るく穏やかなものだった。 「しんじゃったまりさおとーさんはね、『かいゆっくり』だったんだよ」 れいむはある日、人間さんに連れられたまりさと出会った。 飼いゆっくりは普通、野生のゆっくりより栄養状態が良く、いわゆる「美ゆっくり」であ ることが多い。れいむが目を奪われたのは確かだ。 だが、何よりれいむが惹かれたのは、まりさにとてもゆっくりできるものを感じたからだ。 人間で言うなら、運命の紅い糸を目にしたような衝撃を覚えたのだ。 それはれいむばかりでなかった。まりさもまたれいむに一目惚れしたと言った。 まさに運命の出逢い。 ゆん生はあまりにも短く、ゆっくりの恋は早い。 二人は一日で仲良くなり、ツガイとなる決心をした。 「おにいさん! まりさはれいむとずっとゆっくりしたいよ!」 まりさの真摯な願いをおにいさんは聞き届けた。 そして二匹は晴れてツガイとなった。 「まりさはとってもかしこいゆっくりだったんだよ!」 初めての野生生活だったが、まりさはれいむの教えを受け、狩りや巣作りなどを次々に覚 えていった。そればかりか、れいむの知らないキノコの知識や高度な巣作りについての技 術までも知っていた。飼われていた頃、「てれび」というもので覚えていたのだという。 すぐに野生での生活に馴染んでいった。本当に優れたまりさだった。 だが、なによりまりさが賢かったと言えるのは。 「まりさはね……れいむとあったひ、にんげんさんにすてられちゃうって、わかってたん だ……」 それは二匹の生活が安定した頃、まりさが告白したことだった。 飼い主のおにいさんはまりさを捨てようと、この森まで来たのだそうだ。人間の事情はよ くわからないまりさだったが、ずっと連れ添ってきたおにいさんの「ゆっくりできない雰 囲気」には前々から感づいていた。だから、あらかじめ野生で暮らす勉強をしていたのだ。 「でも、れいむにはほんとうにひとめぼれしたんだよ! もりでくらすためになかよくし たんじゃなくて……すごくすごくれいむがゆっくりできるとおもったから、れいむとずっ とゆっくりすることにしたんだよ!」 まりさは餡子を吐くように、苦しげに言った。隠しごとをしていたという罪悪感があった のだろう。れいむはそんなまりさの優しさが嬉しかった。とてもゆっくりできると思った。 「れいむもまりさのこと、だいすきだよ! まりさとゆっくりできてうれしいよ!」 「ありがとう、れいむ!」 「ゆんゆん、まりさ、だいすきだよ!」 「「ゆっくりしていってね!」」 そして、その晩。 二人は初めてすっきりーした。 すっきりーし終えると、れいむのぽんぽんが膨れた。胎生型にんっしんだった。 「それがおちびちゃんがだったんだよ」 目を細め、傍らの子まりさを見つめる。ぽんぽんを痛めて産んだ子供が、一際愛おしいも のだ。 子まりさは恥ずかしくなってしまったのか、顔を上げようとしない。 それを見て、れいむは穏やかに微笑んだ。 「でも……おちびちゃんはまりさおとーさんにあえなかったね……」 れいむのぽんぽんも大きく膨らみ、もう二、三日もすれば産まれるという頃だった。 れいむは動けず、まりさが狩りにでかけていた。まりさはもうれいむよりずっと狩りが上 手くなっていた、子ゆっくりがうまれても大丈夫なよう、食べ物も充分に備蓄できていた。 なんの不安もなく、れいむはゆっくりとしていた。 平和でゆっくりとした森。れいむには、まるで森がれいむたちを祝福してくれているみた いに思えた。 「おちびちゃん~♪ ゆっくりしてね~♪ でも、はやくいっしょにゆっくりしたいよ! ゆっくり~……」 「ゆぐぅ!」 れいむの平穏を破ったのは、まりさだった。 「まりさ! どうしたのぉぉぉぉ!」 酷い有様だった。まりさの綺麗だった金髪。その後ろ髪のほとんどが無くなっている。 後頭部が無くなっていた。 餡子の露出したその痛々しい断面は、なにかに食いちぎられたように無惨なものだった。 まりさはれいむに答えず、黙々と巣穴を厳重に偽装し始めた。 動くたびに、傷口から餡子が漏れた。 「まりさぁ、ゆっくりしないと……!」 「ゆっくりしずかにしてねっ……!」 叫び出しそうになるれいむを、まりさの押し殺した声が制止する。その真剣さにれいむの 餡子が冷える。ひどくゆっくりできないことが起きている。 やがて、巣の偽装が終わると、まりさの身体は崩れ落ちた。 元気だった姿は見る影もない。まりさの身体には、もうかつての半分も餡子が残っていな かった。 「れいむ……おおきなこえをだしちゃだめだよ……すあなのふたはいぬさんのきらいなに おいのするくさをつかってるから、しずかにしてればだいじょぶうなはずだよ……」 「まりさぁ……いったいなにがおきてるのぉ……」 「にんげんさんが、いぬさんをつかってゆっくりを『くじょ』してるんだよ……」 れいむにはわからなかった。 この森は人里から離れている。人間を見る機会はなく、れいむが知る人間はまりさを連れ てきた優しそうなおにいさんだけだ。だからこのまりさのケガと人間が結びつかない。 だが、犬のことは知っていた。とても強くて鼻が利く、とてもゆっくりできない生き物だ。 それが、まりさをこんな風にしてしまったのだ。 れいむは必死にまりさをぺーろぺろした。しかし、もうゆっくりがふさげるような傷では ない。まりさの死は確実だ。それがわかっても、れいむはなにもせずにはいられなかった。 「まりさぁ……」 「れ、い……む……」 「まりさぁ……まりさぁ……」 「ゆっくり……していってね……」 そして、まりさは永遠にゆっくりした。 れいむは泣いた。声を押し殺して泣いた。自分と、お腹の中のあかちゃんをゆっくりさせ ようと頑張ったまりさのために、歯を食いしばって声を抑えた。 「それでね……おちびちゃん。まりさはえいえんにゆっくりして、ほかのみんなもいなく なっちゃったんだよ……」 れいむは思い出す。 あの日、まりさが永遠にゆっくりしてから二日が過ぎた。食べ物の備蓄に不安を感じ、思 い切って外に出てみた。 森は静かだった。 にんっしんした身体は動きづらかったが、巣にずっとこもるわけには行かない。一人で過 ごすのは難しい。だから、助けを求める必要があった。 ゆっくり慎重に進む。 そして……誰とも出会わなかった。 近くに住んでいたちぇんも、物知りのぱちゅりーも、普段なら他のゆっくりと確実に出会 う広場に行っても、何もなかった。 森は静だった。残酷なぐらい、静かだった。 「おちびちゃん、さみしかった……? れいむはさみしかったよ。でも、おちびちゃんが うまれてさみしくなくなったよ!」 そして、れいむは一匹で出産することになった。産まれたばかりの子まりさを受け止める のはまりさの帽子のハズだったが、二匹で仲良く寝ていたベッドがその代わりを務めた。 幸い、出産は成功した。産まれたのは子まりさだった。死んだまりさによく似た、とても ゆっくりした子ゆっくりだった。 だが、ゆっくりしてはいられなかった。 野生でのしんぐるまざーは過酷だ。餌あつめと子育ての両立は並大抵の苦労では済まない。 普通なら群れの仲間に助けを求めるところだが、人間の”駆除”によってあたり一帯のゆ っくりは全滅していた。 しかし、まりさが命を懸けて守ってくれたのだ。れいむは何があっても子まりさを守ろう と決意した。 だが。 「おちびちゃん……おなか、すいた……?」 子まりさのまわりには食べかすがたくさん散らばっている。 全て、子まりさの吐き出したものだ。 れいむが集めてきた草も、花も、ちょうちょさんもいもむしさんもきのこさんも……あら ゆる食べ物を、子まりさは受けつけなかった。 噛んで柔らかくしても、口移しで食べさせようとしてもだめだった。 何を与えてもどんなに手を尽くそうと、子まりさは「むーしゃむーしゃ」も「ごっくん」 もが出来ないのだ。 これは親のまりさが飼いゆっくりであったためだ。 市販のゆっくりフードを産まれたときから食べ、味覚ばかりでなく体質そのものが変化し ていた。ゆっくりは本来、何でも餡子に変換する能力を持つ。だが人工的に作られたゆっ くりフードの摂取は、その能力を弱めてしまったのだ。 親まりさの餡子を多く受け継いだ子まりさは、もはや野生では生きていけないゆっくりに なってしまっていたのだ。 厳しい狩り。 一向にうまくいかない子育て。 他のゆっくりがいないという孤独。 永遠にゆっくりしてしまったまりさ。 ゆっくりできないことばかりだった。 だが、れいむは微笑む。泣きたくても微笑む。泣けばゆっくりできない。子まりさをゆっ くりさせてやれない。 子まりさが産まれて以来、れいむがずっと顔に張り付かせているのは虚ろな微笑みだけだ った。それ以外の顔はできなかった。許されなかった。 そんな微笑みに、母ゆっくりの無言の愛情に、しかし子まりさは答えない。 れいむは不安になる。最近子まりさの衰弱が激しい。当然だ。産まれてからなにも口にし ていないのだ。 そして、雨。ゆっくりできない雨がここ数日続いている。せめてひなたに出れば少しは元 気も出るだろうに。 れいむは巣の入り口、その向こうから響く雨音を睨んだ。 その時だ。 突風に、巣穴を偽装していた蓋が吹き飛ばされた。強い風と雨が吹き込んでくる。 「おちびちゃん! おうちのおくにかくれてね!」 再び蓋をするにしても雨や風の侵入は避けられない。衰弱した子まりさには雨風の負担は 大きすぎるだろう。 だが、子まりさは動かない。 「おちびちゃん!」 風に、子まりさの帽子が飛ばされる。 それでも子まりさは動かない。ゆっくりにとって飾りは命。それが飛ばされて動けないこ となんてありえない。 だから、れいむは嫌でも知ることになった。 「おちびちゃん……」 子まりさは、とっくの昔に「永遠にゆっくり」していたのだ。 モチモチと膨らんでいた頬は、すっかりやせこけてしまっていた。キラキラ輝いていた金 髪は、今はすっかりくすんでいる。可愛らしかった大粒の瞳は、しなびた瞼に痛々しく閉 じられていた。 「……ゆっくりしていってね……」 れいむはただそう、一言告げた。 本能によるものだ。子まりさにできる唯一の手向けだ。 しかし、れいむはその言葉を憎んだ。 なにがゆっくりしていってね、だ。 「おちびちゃんは、ぜんぜんゆっくりできなかったよ……!」 まりさが命がけで守ってくれた子まりさをちっともゆっくりさせてあげられなかった。 れいむに落ち度はない。何一つ悪かったことなどない。むしろよく頑張ったと言える。 だが、れいむには自分を責めることしかできなかった。 やがて、ゆっくりできない感覚が全身を包む。 巣穴の蓋は剥がれたまま。激しい風と雨が吹き込んでくる。それはとてもゆっくりできな いことだ。すぐに対処しなくてはならない。 それなのに、れいむは動こうとしなかった。 「まりさ……もう、ゆっくりしてもいいよね……?」 まりさはいなくなった。子まりさも永遠にゆっくりしてしまった。まわりにもゆっくりは いない。 なにも、ない。 だかられいむは吹き込む風と、あんよを覆う水の感触に……残酷で慈悲深い自然に、自ら の行く末を委ねた。 れいむは日のまぶしさと暖かさに目を覚ました。 「ゆ……?」 巣穴から降りそそぐ陽光。 雨は上がっていた。れいむは生きていたのだ。 「ゆうぅ……」 失望とも安堵ともつかないため息。 そして、れいむはあたりを見回す。 巣の中はひどい有様だった。 風に吹き荒らされ雨に蹂躙され、まりさといっしょにつくったゆっくりできるベッドもテ ーブルも食料の貯蔵庫もグチャグチャだった。床は浅く浸水していて、それは巣穴にムッ とする湿度をもたらしていた。 そして。 子まりさの死体がある。 雨に濡れぐちゃぐちゃになっている。腐敗はまだ始まっていないが、ゆっくりのみが感じ る独特の死臭がひどい。巣の中にむせかえるほど充満している。 ここはもうゆっくりの巣ではなくなっていた。 絶望の支配する、墓場より一歩地獄に近づいた廃墟だ。 れいむは震え上がる。 ここは、ゆっくりできない。 見上げれば、暖かな陽の光がある。 生というものは、平穏な暮らしの中では実感できない。 生は死を意識して初めて本当に輝くのだ。 全てを諦め死を受け入れたはずのれいむは、今やこの巣穴に充満する生々しい死を恐れて いた。 せめて陽光の中に行きたい。強くそう願った。 それなのに。 「どぼじでれいむのあんよさんうごかないのぉぉぉ!」 侵入した雨はゆっくりにとって死をもたらす量ではない。だが、れいむは長く水に浸かっ た。あんよはぐずぐずに溶けて、もはやその機能を完全に失っていた。 その事実が、れいむを恐慌に突き落とした。 「やだあぁぁぁぁぁ! ここはやだぁぁぁぁ! ゆっくじでぎないぃぃ! ゆっぐじでぎ ないよぉぉぉぉ! ごごにいだくがないぃぃぃ!」 叫びは巣の中で反響し、何倍にもなってれいむに響く。それがなおさら絶望をかきたて、 死を意識させる。ゆえにれいむは生にしがみつく。本当の死を前にすれば、誰だって生き たいと思う。思ってしまう。 「ゆっくりさせてぇぇぇぇぇ!」 絶叫する。 森はただその声を木々の間に吸い込んだ。 この森にはもう他のゆっくりはいない。 ゆえに救いはもたらされない。 この森に捕食種はいない。 ゆえに喰われて死ぬという救いはもたらされない。 森は残酷なほど静かで、壮絶に無慈悲だった。 ただ、ひとつだけれいむに死をもたらしてくれるものがある。 それは、時間。 ゆるやかに、しかし確実に、れいむを殺してくれるだろう。 だが、それはあまりにも遅い。れいむが望まない「ゆっくり」だ。 ゆっくりを、叫ぶだけ。 れいむが死ぬまでにできて、ずっと続けたことは、ただそれだけだった。 それから数年後。 ゆっくりのいなくなった森は切り開かれ、別荘やゴルフ場ができた。 人間のための施設で埋め尽くされた。 そこには、ゆっくりの暮らしていた痕跡など何一つ残らなかった。 了 by触発あき 元ネタ絵 byM1 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓↓じゃあこれ見んなよカス わざわざ嫌なものを見に来る程頭がわるいのか? -- 2016-01-31 15 09 01 ↓お前が狂ってる -- 2014-08-24 19 24 02 このSS見て虐待したいなんて言う奴は頭が狂ってる -- 2012-09-18 20 24 51 __ 〈〈〈〈 ヽ 〈⊃ } ∩___∩ ∩___∩ | | | ノ --‐ 、_\ | ノ ヽ ! ! 、 / ,_; ; ;ノ、 -=・=- / ● ● | / ,,・_ | ( _●_) ミ | ( _●_) ミ/ , ’,∴ ・ ¨彡、 |∪| ミ 彡、 |∪| / 、・∵ ’ / ヽノ ̄ヽ / __ ヽノ / / /\ 〉 (___) / / / -- 2012-04-05 20 21 23 親れいむよくぞ頑張った!天国で永遠にゆっくりしておいで…。 -- 2012-03-18 09 34 46 人間の食べ物しか食べられない赤まりさざまあみろ!! 永遠に赤まりさは泣け、苦しい顔をして叫びながら大号泣しやがれ!!!! -- 2012-03-03 23 02 48 れいむ頑張ったのにな~。普通の野良との子供なら幸せになれたのにな~。その幸せを俺らが潰すんだがwww -- 2011-12-21 19 51 43 お食べなさいしてやったところで意味なくね? 親の体の餡子なら食えるかもしれんけど、それ喰い尽くしたらもう食えるもの無いしょ 舌肥えた状態で作られてるんだし。 てかそれ以前に食料を集める技術がないだろうし。 -- 2010-11-15 05 00 17 自分の餡子を食わせる選択肢はなかったのか? -- 2010-10-09 11 43 35 幸せという言葉ほどゆっくりに似合わない言葉はないな。やつらは不幸の申し子だから。 -- 2010-09-03 19 18 08 赤ゆは不幸に死ぬために生まれてくるんだね。ざまあ。 -- 2010-08-20 11 29 09 途中までだけど、強く生きたれいむだなぁ ゆっくりの生きざまを見て、我が身の在り方を恥じるなんて…… -- 2010-08-08 01 33 58 取り合えずこの赤ゆを虐待したい 特に意味は無いが、赤ゆと言うだけで虐待したくてQNQNする -- 2010-07-27 00 43 02 ゆっくりの不幸は蜜の味だわ。 -- 2010-07-26 22 37 59
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【焼き芋奉行】永井 加奈子 (中) 最終更新日時 2021/04/26 20 43 51 このページを編集 ★ 覚醒前画像▼ 属性 レア 守備適性 - - - - - △ - 〇 - ◎ - キャラ総評 これまで見せてなかった真剣な眼差しに秘めた、熱き想いと勝利への執念。 妥協を許さず、決して揺らぐことはない確固たる意志。 自分のため、そしてチームのためにバットを振り続けた彼女の両手には、今… 火バサミと食べかけの焼き芋。これはいけない!熱き心はプレーで見せてくれ! ホーム画面では、おいしい焼き芋の作り方を伝授してくれる。ハチナイはお料理ナビのアプリだった…? 永井自身ではSRのmk-1、SSRのアマダーに続く3枚目の花属性。 mk-1に比してより確実性で上回ること、及び、特に得点圏や7回以降に輝けることが大きな特徴。恒常SR打者としてでならばトップレベルの打撃性能といえるだろう。また、打順起用縛りがないこともプラス要素といえる。 ただしその分、守備面はザル。試合終盤は守備固め(あるいは代走)の起用が強く推奨になる。 守れないなら、打ち勝てばいい。相手投手をほっくり焼き上げてしまおう! 試合評価 * ミート パワー 走 力 守 備 備考 素パラメータ 3424 4046 3342 2293 恒常スキル後パラメータ 3724 5246 3742 2293 得点圏 +500 +500 +200 - 安打2本以上 +200 +200 +200 - 5回以降リード +600 - - - 7回以降 - +600 +600 -300 最大バフスキル後パラメータ 5024 7526 4742 1993 「タイミングの問題」確率発動時 最大バフスキル後パラメータ(奥義覚醒後) 5224 7826 4742 1993 「タイミングの問題」確率発動時 +チームスキル発動条件 チームスキル発動条件 * チームスキル 発動ライン 限界突破数 信頼ランク ミ パ 走 守 重量打線・先鋒 走3500 - - 1 - - 超重量打線・中堅 パ4200 - 1 - - - - - - - 5-5 重量打線・殿 ミ3500 1 - - - - - - - - 4-4 天満月,万能打線・中堅はLv100なら凸と信頼度無しで発動する。鉄壁のセンターライン,鉄壁の外野陣は凸とすこ7では発動しない。 他のSR永井と比較すると、『打撃面は』あまり尖ったパラメータは無い分、目立った欠点も無し。 試合が進むにつれ、自身とチームが打てば打つほど強化されるので、 最大バフ時は自慢のパワーだけではなくミート・走力も高水準となる。死体蹴りなら任せろ! …反面、守備はバフなしどころか、「捨て身の秘奥義」発動時はさらにマイナス。 レベルMAXで守備2000程度のセンターとかウッソだろお前 デレスト評価 メニュー ランク カード名 属性 力 速 技 効果 練習メニュー ★★★ タイヤ引き 花 40 25 0 - 追加メニュー ★★★ マシンバッティング 花 35 0 17 - 追加メニュー - - - - - - - 特殊メニューはないものの、使いやすい★3花練習を2種類持っている。 シェイプアップ大作戦での「捨て身の秘奥義」取得時は自身の花練習が邪魔になるので、 チュリカス椎名や初期わかをオーダーに入れることをおススメするで。 スキル解説 ランク 野手スキル名 条件 効果 入手可能デレスト1 入手可能デレスト2 ★★★ 豪打の奥義+(条件あり) 打席時 自身のパワーが超バツグンに上昇し、ミートが大幅に上昇する 絆の結晶(極);1 ★★ 捨て身の秘奥義 7回以降 自身の守備が少し減少するが、走力・パワーが超大幅に上昇する シェイプアップ 36-14-14 水平線 45-19-19 ★★ 豪打の奥義 打席時 自身のパワーが超大幅に上昇し、ミートが上昇する キャプテン代理 36-5-0 水平線 36-0-0 ★ 走力の極意 なし 自身の走力が大幅に上昇する 楽/清/踏/代/練/い/一/シェ/重 - ★ 追撃の極意 打席時/5回以降/勝っているとき 自身のミートが超大幅に上昇する 練習なくして 一本足 ★ 心頭滅却の極意 打席時/走者が得点圏にいるとき 自身のミート・パワー・走力が少し上昇する 踏み出す勇気 シェイプアップ ★ 野手筋力強化の極意 なし 自身の走力がわずかに減少するが、パワーが超大幅に上昇する いつもの二人 小麦色の世界 ★ 投手威圧の心得 打席時 敵投手のコントロールを少し減少させる ★ 爆裂の心得 なし 自身のパワーが少し上昇し、三振率がわずかに減少する 重なる気持ち 小麦色の世界 ★ パワーの基礎 なし 自身のパワーがわずかに上昇する 極意以上は全て自身へのバフ&少々のデバフ効果。 5回、7回と回を追うごとに打撃力が大幅にパワーアップするで!守備?知らん 才能 才能名 Lv 条件 効果 タイミングの問題 7 ときどき/打席時 自身のパワーが超絶に上昇する 連打◎ 5 打席時/チームの前打席の結果がヒットのとき 自身のミートが超大幅に上昇し、学力が上昇する チャンス◎ 5 打席時/走者が得点圏にいるとき 自身のパワー・ミートが上昇する 勢い◎ 5 打席時/試合中ヒットを2本以上打っているとき 自身のミート・パワー・走力が少し上昇する 「タイミングの問題」が確率発動なのをはじめ、全て条件付きなのがネック。 自身や周りが打つほど強化されるので、百花繚乱や千紫万紅などの打撃特化オーダーとの相性は良い。 セリフ集 +押すと開きます 状況 セリフ ホーム ふふっ、落ち葉よし!火の準備よし!いよいよ焼き芋の時間だよ~! バケツも用意したし、火、点けるね!あ、待って!まだサツマイモは入れちゃダメ! 美味しい焼き芋を作るには、お芋を入れるタイミングも大切なんだから! 料理は火力が命って、咲ちゃんもいつも言ってるよ!えっ、それは中華の話…? それじゃ、火力というよりは、火加減かなぁ?じっくりゆっくり、焼き上げるのがポイントなんだ! 火が弱くなってきたら、濡れ新聞紙とアルミホイルに包んだ、お芋を入れるよ! あ、美奈子ちゃん!まだ食べちゃダメ!そんなにすぐには焼きあがらないよ! 焼き加減のことは私に任せて!待っててね、お芋さん…私が美味しく、育ててあげるから! 試合 試合前 じっくりと、準備してきたことをやりきるよ! 開始 あわてないあわてない、野球も焼き芋も、焦りは禁物だよ! カットイン通常 やきいも~! カットインターニングポイント - 勝利 ねぇみんな!勝利のお祝いに、焼き芋、なんて…どうかな…? やったぁ!うれしくって、胸がホクホクだよ~! 敗北 うぅ…いつもより体が重たかったような…もしかして、食べすぎちゃった? デレスト 特訓 この練習が終わったら焼き芋…しっかりお腹を減らせて焼き芋…焼き芋…焼き芋…焼き芋~~~!! 特訓!?も、もっとゆっくりじっくり育てていこうよ~~ "永井 加奈子 "の他シーンをチェック! アイコンタップorクリックで"UR"各ページへ アイコンタップorクリックで"SSR"各ページへ アイコンタップorクリックで"SR"各ページへ コメントフォーム ログを開く 名前
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竹取り男とゆっくり 10(最終回・中編) まりさのあにゃる噴水の横で、何かに目覚めた男が強烈な存在感を発揮していた。 「ゆぶゔゔゔ!!?? どすはぎゃくさつおにいさんとはゆっくりできないよお!! ゆっくりしんでねええええええええええっ!!!」 キュバアァァァァァァ!! キュバアァァァァァァ!! キュバアァァァァァァ!! 連射されるドスパーク。 男はケモノのような身のこなしでドスパークを避けながら群れの中に飛びこむと、布袋から伸縮性の竹槍を取りだした。 「おらあ!」 男の槍が、足元でマゴマゴしていたれいむの口から後頭部を貫く。 「おぼおっ!!?」 さらに、飛びかかってきたまりさの口から後頭部を貫く。 「ゆぼおっ!!?」 またまた、襲ってきたありすの口から後頭部を貫く。 「ごぼおおおっ!!?」 仲良く槍に刺さった赤、黒、黄色のオーソドックス3匹……春らしい三色団子(饅頭だけど)の出来上がりだ! 「いっただっきまぁぁぁっす!!」 皮を食いやぶり、グッチャグッチャと中身を食い荒らす男の姿に、群れのゆっくりは両眼を見開いて震えあがった。 「ごちそーさまでしたぁ!!」 「「「「「「「「ゆぎゃーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」 前線にいたゆっくりは恐怖で逃げ出した。 だが人間の足にかなうはずもなく、ふん捕まえられて一方的に中身を味見されて終わった。 ズドォォォォォォォォォォォォン……!! 「「「「「「「「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛っ!!?」」」」」」」」 大爆発が起こるたびに、無数の饅頭が空を舞う。 仲間などおかまいなしに放たれるドスパークはゆっくりをはねあげ、男の身を何度も焦がした。 「どぼじであたらないのおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!????」 固定砲台・ドスまりさが叫ぶ。 男は俊敏に動けないドスの弱点をついて、その背後へ背後へと回ってドスパークを避けつつ、ゆっくりを駆逐していたのだ。 「れいむたちとゆっくりできないにんげんはゆっくりしんでね! ゆげえっ!!?」 体当たりしようとしたれいむが、縦に一閃されて真っ二つになる。 れいむの右目は左半身を、左目は右半身を……生き別れになった自分自身を凝視しながら、地面に中身をぶちまけた。 「ありすは"ふくへい"だからこうげきしないでね! そろーり…そろーり…ゆぎゅぽっ!?」 身を伏せて忍び寄っていったありすは、一撃も加えないうちに踏み潰された。 踏まれた瞬間に寒天質の目玉が飛び出し、ぽっかり開いた穴からカスタードが噴き出した。 「ゆぎゃーっ!! あたまがいだいよぉ!! ばでぃざのおぼうしがぁ!! あだまがああああ!! おぼうじがああああ!!」 不用意に近づいて男の振りまわす槍に頭を切り飛ばされたまりさ。 フタのない餡子壷となったまりさは、傷の痛みと帽子を失ったダブルショックに苛まれながら、黒々としたツブ餡をあふれさせた。 「ゆゆっ? れいむをもちあげないでね! ゆっくりやさしくおろしてね!」 男は布袋から竹トンボを取りだすと、捕まえたれいむの脳天に埋めこんで主軸を回した。 「ゆぎゃあああ!! でいぶおそらをとんでるみたいぃぃ ぃ ぃ ぃ ぃ ……」 回転する竹トンボであさっての方向へ飛んでいったれいむは、どこかに墜落して餡子を撒き散らした。 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ! ゆっくりできないじじぃはさっさとどっかにいってね!」 「ここはまりさのゆっくりぷれいすだぜ! いたいめにあいたくなかったらしっぽをまいてにげだすんだぜ!」 「ここはありすのゆっくりれじでんすよ! いなかもののじじぃはさっさとでていってね!」 直接攻撃するのが怖いのか、遠巻きになって竹取り山をおうち宣言する3匹。 男は布袋から竹の水鉄砲を取りだすと、3匹に向かって辛子水を発射した。 「ゆ! おみずさんだよ!」 「ゆっくりのむんだぜ!」 「ごーくごーく!」 さっきまでの罵倒はどこへやら、3匹は嬉しそうに敵の水を飲みはじめたが、急に目を見開いたかと思うとブバッと噴き出した。 「ゆげぇっ!! からいいいい!! ゆっくりできないいいいいい!!」 「ぐぞじじい!! ばでぃざにあやまれえええええ!!」 「れでぃーにどくをのませたわねえ!? このいなかも…の…………ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」 自分から飲んだくせに抗議を始めた3匹は、すぐに痙攣をはじめてから白目を剥いてショック死した。 「あでぃずのばでぃざがああああああ!!!!」 もはやどのまりさか分からないが、長年ゆっくりしてきたつがいを殺されて怒り狂ったありすが、歯茎をヒン剥いて飛びかかってきた。 男は餡子と砂糖汁でナマクラになった槍を投げ捨てると、飛んできたありすをキャッチした。 「ガブッ!」 「ゆんやぁっ!! あでぃずの"ももじり"があぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 おしりを噛みちぎられたありすは、生きたまま中身を吸い上げられて目玉をギュルンギュルン回した。 「おまえ、味も食感もゲロ悪!」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおおお!!!??」 投げ捨てられたありすは一命を取りとめたかに見えたが、後続の仲間に押し潰されて地面を黄色く染めた。 「うっうまれるっ!! みんなっ、でいぶのあかちゃんがうまれるよおおおおおおおおおおおお!!!!」 戦場で産気づいた目立ちたがり屋の胎生にんっしんっれいむが、唸り声をあげて赤ちゃんをひり出していた。 「ゆ゙ゔ~っ!! ゆ゙ゔ~っ!! でいぶのあがぢゃんをゆっぐりみていってねえええええええええ!!!」 「その赤ゆ、よこせ」 出産宣言を聞きつけてやってきた男の姿に、れいむは「ゆ゙っ!?」と驚愕した。 「ゆひいっ!? おにいざんなんがよんでないよぉ!! あがぢゃんででごないでねええ!!! ゆっぐじながにもどっでねええええ!!!」 れいむは必死に産道を閉じて赤ゆっくりを押し戻そうとしたが、男はすばやく穴に手を突っこんで赤ゆっくりの数をさぐった。 「「「ゅっ…! ゅっ…!」」」 撫で回されるのを嫌がってゆんゆんと身をよじっていた3匹の赤ゆっくりを、産まれる前にプチプチプチッと握りつぶす。 「やめてね! あかちゃんがゆっくりできないでしょ! ……ゆ? ゆ? ゆゆっ? れいむのあかちゃんがかんじられなくなったよ? どうして?」 だが、産道から小さなカチューシャやリボンが餡子汁に乗って流れてきたのを見た瞬間、れいむはすべてを悟った。 「あ、あかちゃんが……れいむのかわいいあかちゃんがっ……せかいでいちばんゆっくりしてたあかちゃんがっ……」 もう二度と赤ちゃんとゆっくりできないと理解したれいむ。 「あかちゃんと……いっしょにゆっくりしたかった………………カハァ」 れいむは魂のようなものを吐いて動かなくなった。 男は赤ゆっくり3匹分の餡子で気分転換すると、長い舌を垂らして絶望死しているれいむを残し、もとの戦場に戻っていった。 「れいむはしにたくないよ! もぉおうちかえるぅ! どいてね! どいてね! どぼじでどいてぐれないのぉぉぉぉぉぉ!!?」 「ゆぅぅぅぅ! まりさのおぼうしがなくなっちゃったよ! だれかもってないのぉぉぉ!?」 「ちょっとそこのれいむ! ありすにきやすくさわらないでね!」 戦場は大混乱だった。 「面倒だ!」 隙間なく群がるゆっくりに嫌気がさした男は、布袋から折りたたみ式の竹馬を取りだすと、その上に乗ってデタラメに闊歩した。 「ゆぎゃんっ!」 「ゆぎぃ!?」 「ゆぶしっ」 「ゆげぇ!」 「ゆぼぉ!?」 一歩踏み出すたび、竹馬に踏みぬかれたゆっくりの悲鳴が面白いように聞こえた。 男の通った後には、潰れたゆっくりの皮や餡子、カスタードが混ざり合って甘ったるい匂いを放っていた。 ここへきてやっと劣勢だと気づいたドスまりさ。 長く生きているためドスパーク用のキノコはまだまだあるが、ゆっせゆっせと狙った方向へ体を動かしているうちに疲れてしまった。 「ゆ゙ふぅぅぅっ! どすはつかれたからゆっくりきゅうけいするよお! れいむしょうぐん、でばんだよおおおおお!!」 「おぉでばんでばん!」 ありす将軍に匹敵する、これまた巨大なゆっくりれいむが応えた。 「みんな、じゅんびはいいね!?」 「「「「「「「「「ゆーっ!!!」」」」」」」」」 れいむ将軍の合図で、男の前に9匹の胎生にんっしんっれいむがズラリと並んだ。 本当はもう1匹いたはずなのだが、なぜか行方不明だった。 「ゆっ! ゆっくりさくせんをかいししてね!」 れいむ将軍が合図した瞬間、 「「「「「「「「「ゔ …… ゔ ば で どぅ (うまれる)ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!!!!」」」」」」」」」 9匹のにんっしんっれいむが一気に産気づいた。 れいむたちは集団でミチミチミチミチと9つの産道を広げたかと思うと、この世のものとは思えない醜悪な顔でおたけびを上げながら、 赤ゆっくりを次々にしゅっさんっしていった。 「まだだよぉ!! きゅーとなあかちゃんまだまだうまれるよぉぉぉぉぉぉ!!!」 まだ産み終わらないれいむは、ネバつく餡子汁を噴き散らしながら息張っていた。 「……ゆゆ! さくせんかんりょうだね! ゆっくりようすをみようね!」 しばらくして、任務を終えた9匹のれいむは、ふた回りも小さくなって産後の余韻にひたっていた。 一方男の足元では、湯気でも立ちそうな20匹前後の赤ゆっくりがとてもゆっくりした姿(ゆっくり視点)でウニウニと小さな体を振っている。 「ゆっくちちていっちぇにぇ!」 「ゅ~! ゅ~!」 「ゆっくちーん♪」 「ゅっゅっ! ゅっゅっゅっ!」 「ゆ? おじちゃんはゆっくちできりゅひちょ?」 これは、生まれたばかりのゆっくりした赤ちゃんを見せて敵を骨抜きにするという、れいむ将軍の恐るべき作戦のひとつである。 だが… 「ヒャッハァ!! 赤ゆだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 竹馬から両手を広げてダイブする男。 なにもわからない赤ゆっくりは、飛んできた男に目を輝かせた。 「ちゅご~い! おしょらをとんでりゅみちゃい~~~♪」 ドザンッ! ぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぃっ!! 「「「「「「「「「ゆぎゃあああ!!!?? でいぶのあ゙がぢゃんがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!」」」」」」」」」 産後のゆんゆん気分から一転、赤ゆっくり全滅地獄に転落した母れいむたちが絶叫する。 「うっめ! 赤ゆ超うっめ! やっぱ産みたて最高!」 「ゆぐううううっ!! よぐもでいぶのあがぢゃんをっ!!!」 「あんなにゆっぐりじでだのにぃ!!!」 「ゆっくりごろしいいいいい!!!」 「ごろずぅっ!! でいぶがぜっだいごろじでやるうっ!!!」 赤ちゃんをミンチにされて食べられ、怒り狂った母れいむたちが凄まじい形相で迫ってくる。 だが、しゅっさんっで体力を失い、体を引きずることしかできないゆっくりれいむの始末など、男には造作もなかった。 赤ゆっくりにくわえ、特務を与えた9匹の部下がいとも簡単に粛清されたのを見て、れいむ将軍は怒り狂った。 「れいむはおこったよ!! みんなのかたきうちだよ!! とむらいがっせんだよ!!」 そう叫びながら、目から餡子汁を飛ばしてボヨヨンボヨヨンと飛び跳ねてくる。 男は布袋から竹の切り株(以下、火炎竹)とマッチを取りだした。 この火炎竹には油が入っていて、火をつけて投げることで対象物を燃焼させる、いわゆる火炎瓶のようなものだ。 もちろん、れいむ将軍はただの竹の切り株だと思っている。 「ゆゆ? そんなのでれいむをたおせるわけないでしょ! おじさんばかなの!? あんこのうなの!?」 ボハァッ!! 「ゆぎえ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁぁあ゙ぁあ゙ぁあ゙ぁあ゙ぁ!!!!???」 火だるまにされたれいむ将軍は、醜い悲鳴をあげてゴロンゴロンと転がった。 しかし小麦粉でできた皮が油を吸収しているため、どんなに転がっても火は消えなかった。 「ゆがあ゙あ゙あ゙!! ゆがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! だずげでえっ!! はやぐううっ!! あづいよおおお!! んごおおおおおっ!!」 最初は激しく暴れていたのに、しだいにぐったりとなってゆくれいむ将軍。 「あづいい…もっどゆっぐりじだいいい…かひっ…かひぃっ…きひぃっ! ひくっ……ひくっ…………………ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ」 燃えさかる炎に焼きつくされ、とうとうビクンビクンと痙攣をはじめる。 まっ黒な特大焼き饅頭となったれいむ将軍は、全身から湯気をたてながら、その数年間のゆん生を終えた。 「れいむの丸焼き、一丁上がりだ」 焦げた皮を剥がすと、ホクホクした熱い餡子が露出する。 全身大ヤケドの苦痛で甘くはなっていたが、高齢のゆっくりにありがちな餡子のパサパサ感はぬぐえず、非常に残念な味だった。 男がムダにデカい焼き饅を蹴っ飛ばすと、ゴロンと転がって群れのほうを向いた。 あんなに大きくてゆっくりしていたれいむ将軍の凄惨な死にざまに、群れのゆっくりはぷるぷる~っと震えていた。 「……やっぱりれいむはいなかものね! ありすがでるわよ!」 「ゆゆ!? ありすのとうじょうだよ!」 「ゆっくりまかせるよ!」 「きょうもありすはとかいはだね!」 群れのナンバーワン・ありす将軍の出陣に、ゆっくりの士気がよみがえった。 「また年増か」 「どぼじでそんなこというのぉぉぉ!? あでぃずはもぎたてのぷるぷるよおおおおお!!??」 「まぁいい、かかって来い」 「ゆっくりかくごしてね! しんのとかいはのありすが、おにいさんを"きょうふのゆんどこ"におとしてあげるわよ! ゆんっ!!」 先手必勝とばかりに、ありす将軍はその巨体で男を突き飛ばし、倒れた体に乗っておさえつけた。 「ゆっくりかもん!」 「「「「「「「「ゆっくりとりつくよ!!」」」」」」」」 ありす将軍の合図で、成体ありすが次々に飛び乗ってくる。 これは、大量のゆっくりありすの重みで敵を押し潰そうという、ありす将軍が考案した恐るべき作戦のひとつである。 取り付いたゆっくりありすの数が増すにつれて、まるい大きな黄色いかたまり…ありす団子が形成される。 細胞のようにボコボコした団子の表面……それらはすべて、ありすのおしりだった。 「ゆふふふ。おもいでしょ? くるしいでしょ? ありすのごーじゃすなぼで~に、ゆっくりつぶされていってね!!」 ゆっくりありすもこれだけの数になるとかなり重い。 男は振りほどくのを諦め、全身をブルブルと震わせた。 まるで発作を起こした患者のように、激しく体を揺すった。 「むむむむむむほほほほほほっっっっっ!!!!????!?!?」 最初に発情したのは、男に一番近いありす将軍だった。 男の振動はありす将軍を介して、まわりのありすにも伝播していった。 「むほ?」 「むほ!」 「むほぉ!?」 「むほーっ!!」 外周に向かって発情してゆくありす団子。 個々の体からは透明な粘液がにじみ出し、ありすたちは互いの粘液ですべって落ちていった。 そうして崩れたありす団子の一角から、男は無事に脱出した。 周囲には、ヌチョヌチョしながら熱い吐息を漏らしている危険な状態のありすの群れ。 「おい、あそこにまりさがいるぞ」 男はあっちでお昼寝しているドスまりさを指した。 ほてった体を持て余していたありすたちは、ドスを見るなり一斉に飛んでいった。 「「「「「「「「「「どすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!!!」」」」」」」」」」 「むーにゃむーにゃ…………ゆっぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!?????」 疲れて眠っていたドスは、たくさんのグッチョリありすに取り付かれて悲鳴をあげた。 みんなドスにすっきりさせてもらおうと、夢中で体を擦りつけている。 その中央に陣取って、ドスのまむまむと思われる場所を激しく擦っているのがありす将軍だった。 「どすぅ!! おっきくてすてきよぉ!! あでぃずのらぶあんどぴーすをうけとってねえええ!!」 「どおしてこんなことするのおおおおおお!!!?? ゆっくりやめてねえええええええええ!!!」 ず~りず~り! ず~りず~り! 「ゆふん!! ゆふん!!」 「どぼじでやめでぐれないのおおおお!!!?? ごんなごどざれだらゆっぐりできないでじょおおおおおおおおおおお!!!!」 もうこんなありすとはゆっくりできないと思ったドスは、体を激しく揺さぶって振りほどいた。 「まぁどすったら!! ほんとうは"どえす"だったのねえ!!?? でもあでぃずは"でぃーぶい"だってへっちゃらよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「もういやだよお!! どすはありすなんていらないよお!! ゆっくりあっちにいってねええええ!!」 「つんでれなどすもだいすきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!???」 ドスパークを撃ちこまれた発情ありすたちは、集団で炭素と化した。 (後編)へ
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